イタリアの泉

今は日本にいますが、在イタリア10年の経験を生かして、イタリア美術を中心に更新中。

観光客が展覧会で倒れ絵画損傷ーGalleria Borghese(ローマ)

2022年05月09日 16時01分07秒 | 美術館in Italia

美術品が傷つけられるのは、何も故意にとか、盗難、戦争、災害だけとは限らない。
数日前、衝撃の記事を見た。
GALLERIA BORGHESE, UNA TURISTA INCIAMPA E DANNEGGIA IL SAN FRANCESCO DI GUIDO RENI
ボルゲーゼ美術館にて、観光客が倒れ、グイド・レーニの聖フランチェスコ破損。

なに~!?
事件が起きたのは、現地時間5月4日17時頃。
ローマのボルゲーゼ美術館では3月1日から5月22日まで“Guido Reni a Roma, Il Sacro e la Natura(ローマのグイド・レーニ 聖なるものと自然”という特別展が開催されている。
会場の一室、Salone di Mariano Rossiにおいて、アメリカ人観光客が突然倒れ、運悪くグイド・レーニの「聖痕を受ける聖フランチェスコ(San Francesco riceve le stimmate)」に接触した。
勿論故意にではない…だろう。

Palazzo Braschi所蔵のこの作品。
1600年代初期の作品で、裏表両面に絵が描かれている。

この女性が不注意で何かにつまずいて転んだのか、具合が悪くて転んだのかは不明。
監視人はいた。
なら事前に接触を防ぐことはできなかっのか?
この問いに対して、会場には彼女しか訪問者がいなかったわけではない。
床はモザイクだし、周りには彫刻が置かれている。
いつ誰がつまずいてもおかしくない状態だった、と。

このニュースを聞いて、自分も気を付けないとと思った。
時々、ここで倒れて作品に接触でもしたら…とぞっとすることがあったから。
また、日本ではよく見られるし、もう何度もこの場で言ってきたが、大きな荷物、特にリュックを背負いながら、混雑する展覧会や美術館、博物館を見学するのは止めて欲しい。
いつ、どんなことが起きて作品を傷つけてしまうかもしれないのだから。事故が起きてからでは遅い。作品は完全に元通りにはならない。

幸い、重症ではなかったが…と言ってもおよそ3~4センチに及ぶ裂け目が出来たって!!!
既に応急処置は済んでいて、特別展終了後詳しく状態が調査されることになっている。

ところで全然関係ないのだが、先日「メトロポリタン美術館展」に行った時、気になる作品があった。

写真・参考:https://www.metmuseum.org/

遠くから見た時、絶対グイド・レーニだと思ったのよね。
しかしキャプション見たらGuido Cagnacciとなっていた。
ん?同じグイドでもグイド・カニャッチ???誰だっけ????
と思って調べたら、
”ボローニャで、グイド・レーニやグエルチーノ、ルドヴィコ・カラッチのもとで4年間学んだ。”(引用:wikipedia)と有ったし、METのこの作品のページにも1939年まではグイド・レーニ作と考えられていたとあったので、なまじ間違ったわけではなかった。

2008年Forlìで特別展(Protagonista del Seicento tra Caravaggio e Reni)やってたみたいね。
う~ん、行ってないな。
この作品は2016年METが購入したものなので、私も初見だったが、カニャッチは同じテーマで複数の「クレオパトラの死」を描いている。
それらの中でもこの作品は非常に出来がよい、さすがMETだ。(笑)

参考・写真:https://artemagazine.it/



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2 コメント

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展覧会 (カンサン)
2022-05-11 20:23:00
fontanaさんへ、fontanaさんがご覧になったポンペイ展が京都で始まりました。期間中に行ってみようと思っています。
ゴールデンウィークの4月30日から5月7日まで、私は壱岐·対馬に行っていました。海の色が南の島のように、エメラルドグリーンでした。ブログができました。お時間がある時、ご覧ください。
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いいですね (fontana)
2022-05-15 10:21:43
カンサンさん
ある韓国ドラマを見ていて壱岐対馬、一度行ってみたいと思っていました。ブログを見ていたら、朝鮮半島だけでなくロシアとも関係が有ったんですね。
毎回お食事が美味しそうなのもいいですね。
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