イタリアの泉

今は日本にいますが、在イタリア10年の経験を生かして、イタリア美術を中心に更新中。

コローとフェルメール

2008年08月28日 19時42分46秒 | Weblog
じとじとじとじと
蒸し暑い…

そんな悪天候の中今日は上野へ
8月31日まで国立西洋美術館で開催中のコロー展と
東京都美術館で開催中のフェルメール展を見に行ってきた。

予想に反して、というかある意味当然なのでしょうが
フェルメールより終了が迫っているコローの方が混んでいた。
いや~日本の展覧会は本当に混んでいる。
更にどうしてこうマナーが悪いのか…
決して並ぶ必要はないとは思うのだが
なぜ見ている人の前に普通に立ちはだかる!
更に大きな荷物は強制的預けさせて欲しい(混んでいるときだけでも)

ということでじっくり見られなかったのが残念だった…
それにしてもコローをこれだけ日本に集めたのはすばらしいと思う。

最近友人の紹介でとある画廊を訪れる機会があり
そこでフランス絵画とイタリア絵画の違いを考えさせられた。
これはあくまでも個人的な感覚だが
フランス、特にパリを描いた絵は
空気が乾燥している感じがする。
空気がさびしい感じ…
それに反してイタリアは太陽、空の色が違う。
画家の友人たちが(日本とは)光の色が違うと言っていたのが
最近わかるようになった。

これはフェルメールにも言える。
"光のフランドル派”
本物を見て、イメージと若干違っていた。
フェルメールはもっとやわらかい感じの色を使っているのかと思っていたが
最初の宗教画に関しては
まるでマニエリズムのような強い色使いだった。
他の作品は思ったより明るい感じではなかった。
やはり本物を見ないと駄目だなぁ…

ここで少々脱線ですが
先日友人が谷川晃一さんの作品を買っていた。
絵を買う、画廊に行くというのはまだまだ普通のことではないですが
非常に面白い体験だった。
私は普段美術館にあるような作品についてしか勉強していませんが
最近もっと身近に存在する作品に興味が沸いてきた。
特に最近回りの友人たちもそれぞれの好きな作品のことを
忌憚なく話してくれる。
こうして私は色々情報を得て、
そこから自分の好きな傾向を更に絞っていったりしている。
皆さんありがとう

早速この谷川さんの"絵はだれでも描ける”という本を読んだのだが
誰でも小さい頃は広告の裏などに自然に絵を描けたのに
学校に行くようになり美術が教育になったときから
絵が”正しい”か”間違えている”になってしまい
そのルールに従わない絵を”下手”な絵と定義され
たいていの人は絵を描くのを止めてしまう
でも絵って本来そういうものではないんですよね
絵を見るのも同じこと
「絵がわからない」と言って美術館を敬遠する人もいますが
わからなくてもいいと思ってます。
好きか嫌いか、自分が感じるままでいいと思うんですよね…

天気の悪くても出かけてよかった


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