今日は、ふと思い出して7月に行った浜松の龍譚寺について書いておくことにした。
こんな辺鄙(失礼!)な場所にこんな立派なお寺?というくらい立派なお寺です。
昨年の大河ドラマで井伊直虎が取り上げられなければ、井伊家で一番有名なのは幕末の大老井伊直弼だった。
徳川家康に仕え、徳川四天王の1人だった井伊直政が彦根に移った後も、40代の祖霊を祀る井伊家の菩提寺として、彦根龍譚寺と共にその歴史を今に伝えている。
六道伽藍は県指定文化財、庭は国指定。
駐車場から来るとまず山門をくぐります。
山号(仏教寺院につける名称)は「萬松寺」
この屋根に
シーサー?ではないか。狛犬?ちょっとかわいいんですけど。
山門を抜け、登って行くと
鐘楼堂
除夜と正月5日間は自由に鐘を突くことができるそうです。
そのそばに「東門」
旧鐘楼堂で一番古い建物(1631年)
中には
観音様がいらっしゃいました。
お寺の入り口。
付近には
蓮がきれいでした。
入場料は500円。JAFのカードの割引がありまします。
靴を脱いで上がります。出口が違うので靴は持ち歩きます。
入ってすぐのお守りなどを売っているところで御朱印を預けてから堂内を周ります。
最初にお目見えしたのは遠州最大の大仏様…
遠州?
現在の静岡県西部,大井川以西、ということは割と狭い範囲ですよねぇ。
本堂の廊下は二条城のような「うぐいす張り」の廊下。歩くと「キュッキュツ」と音がする。
侵入者が分かるように、こんな廊下になっているんですね。
境内には2つの庭園があるのですが、こちらは本堂の前側(?)
補陀落(ぶだらく)の庭
補陀落とは「観音が住むという八角形の山」ですが、こちらは浜名湖をイメージしているとか。
非常に手入れが行き届いています。
うぐいす廊下の一番奥の天井には一匹の龍
これ一刀彫なんだそうですよ。
左 甚五郎作と言い伝えられています。
龍は水神様を表していて、ここ井の国(水の国)の守り神。
なんでも夜な夜ないたずらをして困っていたので、ひげを取ったらおとなしくなったとかで、この龍にはひげがありません。
神様でも悪さするのねぇ…
ここから本堂を出ると
右側には稲荷堂。夢が叶うという正夢稲荷なんだそうですよ。
私もしっかりお参りさせていただきました。
正面は開山堂
銀閣寺のような朱塗り楼閣。
遠州地方に禅宗を広めた黙宗瑞州禅師をはじめ、昨年の大河ドラマにも出ていた南渓、傑山など代々の住職のご位牌を祀っています。
2020年まで改修中の御霊屋
工事をしている今の間だけ、井伊家代々のご位牌が本堂に移されていて、近くで拝むことが出来ます。
この左側には後醍醐天皇の皇子宗良(むねなが)親王も祀られていました。
宗良親王は龍譚寺のお隣の井伊谷神社の御祭神です。
またレプリカですが、「赤鬼」の異名を取った井伊直政が着用していた鎧も展示してありました。
派手!戦場では目立ちますねぇ、これじゃあ。
ちょっと気になったのがこれ。
屋根のこの↓部分なのですが
私が気になったのは中央の飛び出している部分なのですが
この三角形の部分を懸魚(げぎょ)というんですね。知らなかった。
この部分って色々様式が有って面白いなぁとは思っていたのですが…
ここにも書いて有るように火に弱い木造の建物を火災から守るためのもので、火除けのまじないとして付けられたもの。
火に対する水、ということで魚の形が多いんだそうです。
この蕪懸魚というのが一番多い形なんだそうですが、これからも注意して建物を見てみたいと思います。
こんなに間近で見せてくれて良かったです。
そして何と言ってもこのお寺の一番の見どころはこのお庭でしょう。
小堀遠州作で、江戸時代初期に本堂北庭として築かれた、池泉鑑賞式庭園です。
小堀遠州とは、安土桃山時代から江戸時代前期にかけて活躍した大名で、芸術家でもありました。
お茶、書道、作庭、建築と様々な分野で活躍。徳川幕府の作事奉行を務め、御所や城などの建築・造園に携わりました。
遠州による茶の湯の美学「きれいさび」は現在でも遠州流として続いています。
庭づくりでは、京都の南禅寺や高台院のお庭も手掛けています。
このお庭は、中央に守護石、左右に仁王石、正面に礼拝石(坐禅石)が配され、池は心字池という寺院庭園として代表的な庭でです。
数多くの石組みと築山全体で鶴や亀が表現されています。(↑は亀)
説明が流れるので、縁側に座ってゆっくり耳を傾けるのが良いかと。(ただし一度では理解できませんでしたが…笑)
このお庭では四季折々の植物を楽しむこともできます。
この他に書院も有るのですが、そちらは撮影不可でした。お寺の収蔵品が展示されています。
書院で唯一許されたのは、お庭の撮影
先程のお庭ですが、書院からの眺めは遙拝(遠く離れた所から神仏などをはるかにおがむこと)のお庭。
西方浄土のご先祖様にご挨拶をするように作られたお庭が遙拝のお庭なのですが、それは御霊屋を正面に見ているからということでしょうね。よく考えられていますね。
この他にもお寺から出ると
井伊家代々の墓所もありました。
帰りは仁王門を通ります。
でっかい狛犬が。
という感じで、かなり見どころのあるお寺でした。
お昼に鰻を食べるのに時間つぶしで寄ったのですが、すっかり満喫しちゃいましたよ。
ちなみに、お寺で頂いた説明のプリントを参照してこの記事を書きました。
「歴女の見たまま聞いたまま」というサブタイトルがついていますが、地図なども詳しくて非常によくできていますので、是非参考にしてくださいね。(仏教用語とかが難しいので、説明してくれるとなありがたい)
龍潭寺
http://www.ryotanji.com/index.html
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