二つ目のスイカがおまけみたいに付いていて
来週には食べられるかなあと、思っていた。
前に片付けをしていて、父の遺品の写真箱の中に、
若い学生さんらしい軍服の集合写真があった。
一番後ろの隅に立っているのが父の兄であるおじだ。
何処かの校舎らしき建物の前で、五十人くらいだろうか。
皆カメラを見て真面目に、だが真ん中辺りの一人が
カメラから背けて別の遠くをじっと見上げていた。
彼は、行きたくなかったんだろうな。彼なりの
反抗だったか。
おじは戦死して帰って来なかった。
他の方々はどうされたのだろう。
戦没者リストの本があったのだが、
何処かへ行ってしまった。
友達のだれが帰ってきたとか
生還の話は聞いたことがない。
この写真がどうしても捨てられなくて、
持っていたのだが、
この盆に処分しようと思い立った。
何かで読んだように、白紙に包んで塩を置き
庭のカンナとお香も置いた。
処分した次の日に、庭に出たら、元気だった
スイカの葉が干上がリ、枯れていて驚いた。
持って行かれたのだろうかと思った。
だったら良いのに、と思った。
残ったスイカは、ちょっと薄味だったが
おいしくいただきました。
庭はそろそろ秋野菜の準備中。
ヤマゴボウは食べられないが、生えてると
なんだか取っておきたくなる。