安倍晋三首相は今回の決断について、政府と沖縄県の翁長雄志(おながたけし)知事による“訴訟合戦”を収束させ、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾(ぎのわん)市)の固定化を回避するため-と説明している。だが、工事中断を含む和解条項によって、名護市辺野古への移設事業に遅れが生じることは紛れもない事実だ。普天間移設の眼目には、沖縄の基地負担軽減とともに、日米同盟に基づく抑止力の維持があったはず。目先のことにとらわれた“譲歩”は、日本全体の安全保障に禍根を残す。
「翁長氏にいい手土産を持たせてやれた」
政府筋は4日、移設工事の停止を求める沖縄県側に有利な和解に応じたことをこう表現した。政府は当初、移設工事を止めることに慎重な姿勢を示していた。そのため和解は「防衛省も寝耳に水だった」(自衛隊関係者)というように官邸主導で急転直下に決まった感がある。
政府が和解に応じた最大の理由は選挙対策だ。6月には沖縄県議選、夏には参院選が予定されている。特に参院選沖縄選挙区は現職の島尻安伊子沖縄北方担当相が再選を狙うが、激しい選挙戦が予想される。このまま、泥沼の訴訟合戦が継続すれば、選挙戦にマイナスに作用しかねないという判断もあったとみられる。1月の宜野湾市長選で政権側が支援した佐喜真淳氏が再選を果たしたことで、移設反対派の勢いに陰りがみられるとの読みもある。
政府と沖縄県はお互いに協議の場を設けることになるが、なお両者の溝は深い。辺野古移設反対で沖縄政界の求心力を保つ翁長氏がその旗を降ろすことは期待できず、双方が折り合える可能性は低い。住宅街に囲まれる普天間飛行場の危険除去が実現するかは不透明なままなのだ。
さらに、沖縄の西方に目を転じてみれば、北朝鮮は核実験と事実上の長距離弾道ミサイル発射を強行し、金正恩(キムジョンウン)第1書記は不穏な言動を繰り返している。尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺海空域では中国が挑発、威嚇行為をエスカレートさせ、尖閣諸島奪取の野望を隠そうともしない。
こうした中国や北朝鮮の動向をにらみ、安倍首相は、昨年4月に「日米防衛協力のための指針(ガイドライン)」の再改定に踏み切った。その後の安全保障関連法の成立と合わせ、自衛隊と米軍の軍事的連携は飛躍的に高まる。
だが、膠着状態の辺野古移設をめぐり米政府の対日不信が高まり、同盟関係が傷ついてしまえば中国や北朝鮮の思うツボだ。首相には辺野古移設を遅滞なく進める義務がある。(峯匡孝)
産経らしくない記事だね・・・
政府が 和解合意に至った経緯を、もう一掘り深く掘り下げた方が宜しいのでは?
おそらく 阿比留氏あたりであれば もう一歩踏み込んだ記事を書く筈。
短絡的に 選挙対策だとか、北やシナが喜ぶなんて発想は、産経歴戦の記者ならばっかないと思うよ。
訴訟合戦の愚を続け その事によって政権に対知る批判が起こることは、火を見るよりも明らかなこと。
政府の辺野古移転の 基本方針に変わりがないと言う事は、安倍総理も明言している。
ならば その基本方針を速やかに実行に移すには、如何なる方策を講じるかが、最重要課題。
膠着状態を打開せんが為の 基礎作りだと思うがね。
果たして この記事を書いた記者のような遣り方で、国民の支持を取り付けられるかと言えば、甚だ難しい問題。
産経記事に 目を通す読者は、総合的に俯瞰した見地から、状況判断をする知恵は、有していますよ。
アカヒやエロ日新聞の扇動記事に 踊らされるような、平和ボケした読者はいないと思うよ。
為さねばならぬ事は あらゆる壁を排除してこそ、早期の実現が為されるものではないのですかね?
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