驚愕(きようがく)の点数に、スタンディングオベーションでたたえていた観客もどよめいた。SPの世界歴代最高得点となる78・66点。
理想高き浅田自らが「100点」と評した会心の演技だった。
氷上の23歳は、実は無心ではなかった。「ソチで悔しかったんだ、悔しかったんだと思いながら滑っていた」。
脳裏にあったのは、SPで16位と大崩れした約1カ月前のソチ五輪だった。
転倒した悪夢を振り払ったのは、冒頭のトリプルアクセル。
力強く跳んだ大技は完璧に決まり、出来映え点のGOEで1・86点が加点された。その後も集中力は途切れることなく、3回転ジャンプと3回転-2回転のコンビネーションジャンプも華麗に決めた。
「ノクターン」のピアノの音色に乗せた柔らかな滑りで、スピンとステップはすべて最高難度のレベル4を獲得。見守った佐藤信夫コーチも「大満足」と目尻を下げた。
願わくば、この演技をソチ五輪で-。
そう思いたくもなるが、浅田は「ソチではプレッシャーに負けた。(自分で)すごく押しつけてしまった」と振り返りつつ、「まあ、人生は何があるかわからないので」と報道陣を笑わせた。
前回のバンクーバー五輪後にジャンプを一から再構築し、バレエを習い直して表現力も磨いた。やれることを全部やってきたからこそ、今季を「集大成」と位置づけた。注目の進退をこれからどう決めるにしろ、努力を実らせ、ソチの雪辱を果たす演技には違いなかった。
ソチでは 念願の金は取れなかったけど、それ以上の感動を世界中に与えた・・・真央ちゃん。
思いっきり滑って 存分に実力を見せて貰えればそれでいいんだよ。
笑顔が 真央ちゃんには 一番似合うね・・・やっぱり!!