フジサキヒロカズ@音楽づくり

暮らしと地続きの音楽をつくる

「私たちの耳は開いているか」遊楽園vol.3@カフェドジェーム2022/09/30

2022-11-06 08:43:54 | 日記

遊楽園はカフェドジェームに縁のある方々が集まる音楽まつり。今回、マスターが私も呼んでくださった。

私の音楽活動の再開は、カフェドジェームから始まったと言ってもいい。5年前にご縁があってこの場所と出会い、マスターが私の活動を受け入れてくださったからこその今の私。

「私たちの耳は開いているか」は1stアルバム『音楽と非音楽のあいだ=日常』の1曲目。カフェドジェームがなければ生まれ得なかったこのアルバムのこの曲を、感謝を込めてカフェドジェームに捧げた。

アルバムジャケットの原画も連れて行き一緒に歌った。

喜びの時間だった。

私の喜びを共有してくださる方がおられたら望外の喜び。

 

 

*『音楽と非音楽のあいだ=日常』は、こちらから全曲聴いていただけます。

 

 

 

*ミュージックビデオの画像にはカフェドジェームYouTubeライブ配信動画を使用。

 

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「三つ目」ミュージックビデオに寄せて

2022-10-03 06:40:22 | 日記

2018年に、ご縁があって知り合うことができた作曲家、パフォーマー、アーティストらと結成した「音楽集団オトカシ」で演奏するために書いた曲。2018年8月15日。この日は、後日行われるオトカシ初ライブのプロモーションのために、いつもお世話になっているカフェドジェームの別の方の主催イベントで、一人で歌った。 このミュージックビデオはそのときの演奏。

タイトル 「三つ目」は、三番目の何かであり、文字通り、三つめの目でもある。初めての世界が見える、私の三番目の目はどこにあるだろう。心か、体か、精神か。いやその前に、いま備わっているこの二つの目をちゃんと使えているだろうか。

2分31秒。

 

 


展覧会「岡本太郎」大阪中之島美術館 2022/9/23

2022-09-28 18:18:42 | 日記

鑑賞者のまなざしの表情。鑑賞者同士が作品を観ながら語る声。これまで私が観た展覧会との圧倒的な違いは、鑑賞者たちのこの二つの多様さだった。岡本太郎の作品が、いや岡本太郎という人間が、観る人をこのようにさせるのだ。

これまで私は太郎の作品より文章の方が好きだと思っていた。まったく覆された。文庫の口絵と実物とは、当然だがまったくの別物。ぎりぎりまで近付くことで分かる画布上の描線の肌理。筆遣いから、太郎の息遣いと感情と思考を想像した。3時間半をかけて観終わったあとの疲労は尋常ではなかったが、凄まじく濃厚、濃密だった。怒涛の「なんだこれは!」体験だった。

あるモチーフが一人の表現者の中で練り上げられ、あるいは様々に解釈され、何度も別の作品に登場する歴史。別の作品で何度も何度も用いられる特定の色の使用、構図。あとで聞いたところ、私とは別行動でさっと全作品を概観した娘には作品が「全部同じに見えた」らしい。なるほど。音楽に引き寄せて考えてみると同じことが言える。例えば、私が大好きな即興音楽家デレク・ベイリーはすべての音楽から自由になろうと実践を重ねた人だが、ある人にとっては「全部同じに聞こえる」かも知れない。

その表現者が好んで何度も用いるモチーフが確かにある。それは圧倒的なユニークネスであると同時に、自己模倣と捉えられる危うさも孕んでいる。プロフェッショナルであれアマチュアであれ、一人の人間が表現を続けていくことの宿命であり、理(ことわり)。

 

では私は?

「自分の歌を歌えばいいんだよ」。作曲することは生きること。思いもよらない外部に出会うこと。そこに喜びがあること。いま私が在る環境の中で、音楽を思いっきりやること。岡本太郎という人間が確かにこの世界に生きていた。この事実がある限り、私は孤独ではない。

 

 

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全員参加完全即興みんなのおと「鱗雲|街頭演説|アッサンブラージュ|振り子時計|祈る|結露」2022/7/9録音

2022-08-21 17:03:17 | 日記

2022年7月9日午後の、47分21秒。

この日のおとのしみ会はフジサキヒロカズとマツイケダイスケ以外は初参加の方々だった。ただしお話を伺うと、音楽については、聴取にせよ演奏にせよ長く深く関わってきた方々だったので即興表現のためのウォーミングアップは省いて、いきなり「全員参加完全即興 みんなのおと」をやってみることにした。

いま気になる言葉を全員に挙げてもらい、それをこの日の即興表現のお題とした。出てきた言葉は「鱗雲、街頭演説、アッサンブラ―ジュ、振り子時計、祈る、結露」の6つ。これらのお題以外、一切の打ち合わせ・取り決めをせずに、何気なく、静かに即興表現を始めていった。

6つのお題に牽引された音、その音に牽引された言葉、言葉に牽引された別の言葉。音、声、旋律、言葉が影響を与え合いながら、皆でこの47分間を過ごした。毎回同じことを書くが、おとのしみ会は観賞用の音楽をまったく指向していない。果たして、私はこの日も思いがけない外部に出会った。この時のこの6人でしか表わし得ない、同じものは二度とできない、本当にかけがえのない表現だった。

終演後の僅かの沈黙のあと、参加してくださった方々が、誰からともなく感想を述べ始めた。言葉の中には、喜び、解放、お互いへの賞賛の感情などが活き活きと息づいていた。その時に聞くことができた言葉ほど、おとのしみ会で私が望んでいることを言い表してくださったものはなかった。おとのしみ会の価値が私以外の方によって言語化されたことが心から嬉しかった。

これらの喜び、解放、互いの賞賛の感情の往還を、私はこの録音の中に聴き取ることができる。

 

 

 


全員参加完全即興「ザンブロンゾ」ミュージックビデオに寄せて

2022-07-30 08:13:00 | 日記

5305秒。

これは鑑賞のための音楽作品ではない。

表現のための表現。それ以外に目的はない。

おとのしみ会における私の願いは「思いもよらない外部に出会うこと」。

そのためのフォーマットが、参加者全員による即興表現。

私はこの53分間を大いに楽しんだ。

この日参加してくださった方々、そしてこの活動を理解してくださっているカフェドジェームマスターには感謝しかない。


2022721

おとのしみ会 代表 フジサキヒロカズ