野球の主役と言えば選手。でも、選手だけで野球をやっているとは限りません。
ベンチには記録員と呼ばれるマネージャーがいます。また、ベンチには入れなくてもチームを支えているマネージャーがいます。
そんなマネージャーの記事がありました。
延岡学園高(宮崎)の女子マネージャー。
三年前、同じ中学校の野球部員で付き合っていた子が中学三年の夏、部員と川遊び中、亡くなったそうです。
その子は生前、延岡学園高で甲子園に出場する夢を語っていたそうです。
残された彼女。最初は高校で野球部に入るつもりはなかったとのこと。しかし、練習を見学するうち、「夢を受け継ぎたい」と思ったという。
ただ、入部してから、他の選手の姿がその子と重なってしまい、また、監督も最初は相手にしてくれず、辛かったという。下校中一人、自転車をこぎながら泣いていた。でも、黙々と雑用をこなし、段々と信頼を得ていった。
今年。宮崎大会決勝後、グラウンドに部員が集まり、ウイニングボールが手渡された。戸惑ったが、うれしかった。これは監督が号令をかけたのでした。「三年間、一番頑張ったから」と。
その後。亡くなった子のお父さんが彼女の自宅にやって来た。彼女の顔を見て、涙を流したそうです。「ありがとう。よく頑張ってくれた」と言ったそうです。
彼女は「彼を守れなかった」と悔いていたという。
だから「あなたのせいじゃない。夢を現実にしてくれて、ありがとう」と。
延岡学園は初の決勝戦に進出しましたが、残念ながら甲子園優勝は叶いませんでした。
でも、彼を甲子園に連れて来てあげることは出来ました。
そして、また、来年の球児を甲子園は待っています。