高知商業高校のダンス同好会が開いた発表会に、昨夏の甲子園に出場した同校野球部の部員(三年生)が出演したことが、学生野球の規則に違反する恐れがあると高知県高校野球連盟(県高野連)が判断し、野球部長を謹慎処分にするよう、日本高野連が日本学生野球協会審査室に上申したそうです。
発表会は昨年12月、同市本町4丁目の県民文化ホールを借り、入場料500円で開催。夏に甲子園出場を果たした野球部員が、チアガールとして球場で応援したダンス同好会への恩返しとしてゲスト出演しました。ユニフォーム姿の部員は、甲子園と同じ応援曲に合わせて投球や打撃などを再現するパフォーマンスで会場を沸かせ、寸劇も披露したそうです。
日本高野連事務局長は「発表会への参加は問題ないが、有料だったことが、日本学生野球憲章が禁じる野球部員の商業的利用に当たる。文化祭で同じことをやっても何の問題にもならない」と指摘し、同校は「認識不足で軽率な行動だった。深く反省している」としています。
「④ 学生野球は、学生野球、野球部または部員を政治的あるいは商業的に利用しない。」
ですが、今回のケースは商業利用といっても、同じ学校のダンス同好会が主催する発表会で入場料500円を取っていただけです。民間企業が選手たちを商売に利用したものとは違いますし、高校生主催ということを考えても、営利性はないといってもいいのではないかと思います。実際、2月15日に同じホールで予定されている「大野雄二 ルパン3世 楽曲ライブ」の入場料は5000円(当日券は+500円)なのですから、プロとアマの違いはあれど、商業的利用というというなら、これくらいの金額設定のように思えるのですが。
こんなことを言いたくはありませんが、これだけの高校野球ブームの中で「熱闘甲子園」や「アメトーーク! 高校野球芸人」などの番組の方が、高校野球をネタにして、視聴率を稼ぎ、スポンサー料を稼いでると思うのですがね。そもそも、入場料を取ったことが問題ならば、有料での高校野球だって商業的利用と言えるのではないかと思えます。
大体からして、元々、ダンス同好会の発表会が商業目的だったとは考えられません。それが、今回、県高野連より参加した部員が商業的利用だったということで、野球部部長が処分されるのであれば、ダンス同好会の活動が商業目的だったということになり、学校自体が認めていたということになります。それはそれで、問題になってしまい、関係のないところまでに飛び火してしまいます。私はダンス同好会としては普通の活動にも問題があると、県高野連は指摘しているようなものです。
まだ、最終的な処分については決定しておらず、「おとがめなし」になる可能性もありますが、とにかく、こんな杓子定規の硬直的な対応をするより、高野連はもっと本質的な改革に取り組むべきであろうと思います。