中日ドラゴンズの二軍は、9月28日、ウエスタン・リーグのオリックスバファローズ戦(舞洲バファローズスタジアム)に5-2で勝ち、ウエスタン・リーグはこの日、今季公式戦全日程を終了しました。ドラゴンズは117試合39勝64敗14分け、勝率.379で最下位(5位)でした。
2016年、2017年は2位でした。しかし、今季は後半戦に11連敗するなど最下位に終わり、小笠原道大二軍監督は「勝ちにこだわってきたけど、負けの数が多かったというのは悔しい部分もある」と言っています。
今季も「勝負にこだわる」という指針は変えなかったものの、今季は高卒新人が5人入団したこともあって、数年後を見据えて入団1・2年目の若手選手をいつも以上に積極的に起用し、実戦経験を積ませてきたということもあっての結果でもあると思います。「思うようにプレーができないのは当然分かっていたけど、細かいところには目をつぶった」とのことです。
野手ではドラフト5位の伊藤康選手がチームで2番目に多い93試合に出場。投手ではドラフト2位・石川翔選手、4位・清水選手、6位・山本拓選手の3人は2月のキャンプから、将来を見据えた育成プログラムを基に、段階を踏んでステップアップさせ、先発ローテでも起用してきました。
清水選手と山本拓選手は一軍登板を果たし、4月に両足首を手術した石川翔選手も9月27日から一軍練習に参加し、次世代を担う若手選手に経験を積ませながらチーム全体の底上げを図りました。
1位 鈴木博志(ヤマハ) 10試合1勝1敗7奪三振 防御率1.93
2位 石川翔(青藍泰斗高) 5試合0勝2敗12奪三振 防御率6.23
3位 高松渡(滝川二高) 3試合2打数0安打0本塁打0打点 打率.000
4位 清水達也(花咲徳栄高) 17試合1勝5敗43奪三振 防御率5.37
5位 伊藤康祐(中京大中京高) 93試合237打数47安打2本塁打15打点 打率.198
6位 山本拓実(市立西宮高) 16試合0勝6敗31奪三振 防御率4.54
育1位 大藏彰人(四国IL・徳島インディゴソックス) 11試合1勝1敗11奪三振 防御率5.79
育2位 石田健人マルク(龍谷大) 出場なし
ところで、今季のウエスタン・リーグにおいて規定投球回に到達したピッチャーが、たった2人しかいないという珍事が発生しています。
オリックスバファローズの2年目・山崎颯一郎選手が100回1/3、阪神タイガースの2年目・福永春吾選手が92回1/3と、この2人だけです。ファームの規定投球回は一軍の「試合数=規定投球回」と違って「試合数×0.8」と数字上は緩くなっています。それでこの結果なのは、異常といえば異常でしょう。ちなみにイースタン・リーグも規定投球回に到達しているのは良き売りジャイアンツ・高田選手ら3人だけです。「育成のファームだから、いろんな選手を試しているから」という考え方もあると思いますが、実は一軍でも同じような現象が起きているのです。
9月29日時点で、セ・リーグで規定投球回に到達しているのは菅野選手(読売ジャイアンツ)、東選手(横浜DeNAベイスターズ)、大瀬良選手(広島東洋カープ)ら8人。パ・リーグは岸選手(東北楽天ゴールデンイーグルス)、菊池選手(埼玉西武ライオンズ)、上沢選手(北海道日本ハムファイターズ)ら9人しかいません。
近年では先発、中継ぎ、抑えの分業制が確立されていますが、それでも過去10年、規定投球回に到達したピッチャーはセで平均14.5人、パで平均14.6人となっていて、今年の数字が異例だということがわかると思います。ちなみに2リーグ制以降、シーズンで10人を下回ったのは1954年のセの8人だけです。
これは、やっぱり今年の夏の異常な暑さにも一因があると思います。ファームの試合は基本的にデーゲームが中心です。いわば、高校野球と同じであるものの、ほぼ毎日のように試合があります。先発ピッチャーが早いイニングで降板する、もしくは首脳陣が降板させているのかも知れません。
さて、10月8日からは「みやざきファニックス・リーグ」が開幕します。秋季キャンプもありますし、先々に向けて常に前を向いて、来年の戦力となる選手が出てきて欲しいですね。