今年の東京ヤクルトスワローズは開幕から調子がいいです。
昨年のシーズン中盤からの上向きのチーム状態そのままで、ここまで来ています。
さて、その好調東京ヤクルトスワローズを引っ張るベテランの宮本慎也選手。
今シーズン17年目。
粘り強い打撃にさらに磨きがかかり、開幕から絶好調です。
4月は16試合中14試合でヒットを放ち、リーグただ一人4割をマーク。
堅実な守備だけでなく、バットでも快進撃を続けたチームを引っ張ったことが評価され、4月の月間MVPを初受賞しました。
しかも、40歳5ヵ月での初受賞はリーグ最年長での初受賞記録です。
さて、そんな宮本選手は自分の役目について、「背中と口で引っ張る」ことだと言います。
行動だけでなく、メンバーと話をする、考えを言葉にして伝えるということです。
若いころ、宮本選手は当時の野村監督から、「素質が上の選手はいくらでもいる。考える野球を極めれば脇役として超一流になれる」と言ったそうです。
つまり、自分の長所を活かしたプレーヤーになれということ。
他の人が出来ていないところが出来るプレーヤーになることを諭したものだと考えます。
そして、試合中の宮本選手は、「もっと頭を使って野球をやろう。もっと多くの時間を野球に野球に使おう」と常にメンバーに激を飛ばしています。
ベテランならではのムードメーカーでもあります。
野村元監督の教えを次の世代に伝えているのです。
また、自分がミスした場合には素直に、「ごめん」と謝ることも忘れません。
謝ることについて、宮本選手は、「そこを逃げていると、いつまでも逃げていないといけないですし、そこを認めることによって自分も反省して同じ失敗をしなくなる」と言っています。
打球が難しかったとか、グラウンドが荒れていたからとか、風が吹いていたからとか、グラブに穴がいていたとか言い訳をしようと思えばどんな言い訳だって出来ることだと思います。
ですが、そんな言い訳ばっかりで逃げていたりすると、それが当たり前になってしまい、次のいい訳のことばっかり考えてしまうようになってしまいます。
2008年北京オリンピック野球競技の予選で、ある選手がキャッチャーからの牽制球でアウトになった場面があります。
明らかにアウトのタイミングのこのとき、この選手は頭から戻ろうとしませんでした。
この試合後、宮本選手は、「ほんとに必死でやったのか?」とメンバーがいる前でこの選手に怒りました。
宮本選手の言葉に奮起した選手は、次の韓国戦でタイムリーヒットを打っています。
期待しているからこそ、出来ると思ってるからこそ怒ったのです。
宮本選手は野村元監督の期待に反して(?)、脇役、名脇役どころか、期待通り(?)主役となっています。
「リーダーの条件」
それは
「周りの人間を背中と口で引っ張り、更にその力を引き出すことが出来る人」
なんでしょうね。