野球小僧

礼に始まり礼に終わる

「礼に始まり礼に終わる」

儒教の理念の一つであって、敗者に対して、見せびらかしや侮辱な態度を取ってはならないことを言っています。

特に武士道にも通じるものであり、剣道においてはガッツポーズは反則の一種として、一本の取り消しとなります。

第16回世界剣道選手権が5月29日から東京・日本武道館で開幕します。

過去の大会では男子団体戦で第13回台湾大会で優勝を逃したのみで、団体戦は男子14回の優勝、女子6回の優勝(第10回大会から開催)、個人戦は男子15回の優勝、女子6回の優勝。武士道・日本の「お家芸」です。

第16回大会は剣道本家である日本での開催であり、「SLAM DUNK」の作者・井上雄彦さんが描いた大会ポスターが話題となり、前売り券は一部、完売状態という人気です。

ただ、そんな盛り上がりに反して、一部危惧するされること、「剣道が剣道でなくなった日」として、前回2012年に開催された第15回イタリア大会決勝戦でのことが新聞に掲載されていました。

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前回大会の決勝は下馬評通り、日本-韓国だった。宿敵同士の対戦にイタリア北部の小都市、ノバラの会場は異様な興奮に包まれた。韓国選手が日本に対して異常なまでの敵対心を燃やしてくるのはサッカーや野球などと変わらない。しかし、剣道が他の競技と違うことは、純然たるスポーツではないという点だ。勝っても負けても、勝ち方や負け方が問われるということだ。

アジアの両雄同士の決勝はもつれて、日本が2-1で紙一重の勝利を飾った。大会連覇で面目を保った形になったが、内容的には“問題あり”だった。少年剣道においても、試合後に両者は蹲踞(そんきょ)の姿勢をとって剣先を合わせるのだが、韓国の選手はそれを無視するかのように拒んだり、審判の判定に抗議する素振りを見せたり。およそ武道の精神から逸脱した不遜(ふそん)な態度や観客席からのブーイングを交えたヤジは、1970年から続く世界大会の歴史の中でも恥ずべき「汚点」といっていい。

「礼に始まり礼に終わる」剣道にあって、相手に対する非礼は決して許される行為ではない。「剣道の試合は、互いが『9歩の間合い』で向かい合い、気を合わせて礼をする。その後、開始線まで進み、蹲踞の姿勢を取って、審判の『はじめ!』の合図で始まる。『勝負あり』の宣告後も互いに剣先をはずさず蹲踞し、9歩の間合いまで退いたのち、再び一礼を交わす。この勝ち負けを超えた所作ごとに剣道精神の神髄がある」とある関係者は語る。非は一方的に韓国にあるものの、優勝した日本にとっても後味の悪い戦いを演じた悔いが残った。

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そもそも武道とは、戦国時代前後に殺傷や護身を目的とした術、武術が元々ですが、江戸~明治時代以降武術の必要性がなくなり、柔術は「柔道」、剣術は「剣道」、弓術は「弓道」と名を変えて、「武術」は「武道」として発展していきました。武道とは武を極めることと、武を通して人間として成長することを目的としました。

「道」とは日本的な表現であり、精神性や文化を現す言葉だと思うのですが、この考えが世界の人々にも受け入れられたからこそ、柔道、剣道などは世界中で行われるようになったのだと考えます。

そして、過去から未来へと変わることなく、受け継がれ、伝えていかなければならないことでしょう。

「経営の神様」といわれた故・松下幸之助さん(パナソニック株式会社創業者)は、何よりも礼を重んじました。

松下さんは「世界中すべての国民や民族が言葉は違うがみな同じように礼を言い、あいさつすることを人間としての自然の姿、すなわち「人の道」である」と言いました。

人間関係も「礼に始まり、礼に終わる」ということです。

孔子は人の道には「仁」と「礼」があり、「仁」は感謝の心、尊敬の念、自分のわがままを抑える心のことであり、「礼」は「仁」を言葉で表したり、行動で示すことであると言っています。

孔子曰く、人の道には仁と礼があります。

仁とは、ありがとうと感謝する心や尊敬の念、また自分のわがままを抑える心といいます。

礼とは仁を形に表すこと、実際にありがとうと伝えたり、自分から積極的に仁を行動に移すことです。

また、仁と礼はどちらかだけでは意味がないとも孔子は伝えています。

そして仁の心は家族や先生など身近なところからしか得られないとも伝えられています。

すなわち武道が礼に始まり礼に終わるということは、まず仁の心を持つことから始まるのです。

そして仁を感じるところから始まるのです。


コメント一覧

まっくろくろすけ
eco坊主さん、こんばんは。
茶道も華道も、道と付くものについては同じですからね。

こういう時であるからこそ、本家はしっかりとしなければなりませんよね。

他国の文化を理解し、認めあうこと。
また、自国の文化の良いところを世界に理解してもらうこと。
それが真の国際化であるのでしょうけど。
eco坊主
おはようございます。

礼節・・・わかってはいるんですけどなかなか難しいです。
実は先日来より”礼”を尽くさねばならぬ事象が続いていたのですが
果たしてキチンとできたのかどうか未だに不安です。
不手際は多々やってしまったことは否めないので。

剣道も柔道も相撲も今や武道ではなくKENDO、JUDO、SUMOという国際スポーツですから日本古来の精神はどうなんでしょうね!?
本家の日本でさえ#$%&*

「仁・義・礼・智・忠・信・孝・悌」大事にしたいです。
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