先日、ニュースなどで「度重なる不祥事への処分を乗り越えて・・・」という見出しを目にしました。
この書き方に違和感を感じたのは私だけかも知れませんが。
彼は高校二年の夏の千葉大会で初回先頭バッターから9連続奪三振を記録し、一気に注目されるようになりました。三年の夏には、Max140km/hのストレートと投球センスで「房総のダルビッシュ」と呼ばれ、その年のドラフトで2位指名されプロへ入団する予定でした。
ただし、入団契約直前のこと。無免許運転とスピード違反によって、道路交通法違反で摘発。入団手続き凍結という事件が発生します。しかし、その後、指名球団との面談によって、反省が確認できたことで入団交渉が再開され、3月に正式入団しました。
入団一年目はファームで6試合に登板。0勝3敗、防御率6.30という成績でした。
ただし、12月にはオーストラリアウインターリーグに派遣されるなど、ドラフト指名順位と同じく、将来に期待されていました。
ところが、今度は未成年にも関わらず、飲食店で喫煙や飲酒を繰り返していたということが、外部からの情報で発覚します。
本人は事実を認め、球団は六ヶ月間の対外試合への出場禁止、寮からの夜間外出禁止などの処分をします。
この間、チームのユニフォーム着ることも許されず、練習着で練習をしていたそうです。
でも、ようやく処分が明け、7月23日自身の20歳の誕生日にファームで先発し、5回1失点。続いて7月31日に6回6奪三振1失点と好投しました。
自分で起こした不祥事による処分に対し“乗り越えた”という表現が良いのかどうかは判りません。
どちらかというと、自分が望まない、降りかかってきた困難、苦難を自分で“乗り越える”という方がこの言葉使いとしては当てはまると考えます。だから、この見出しには違和感を感じたのです。
それでも、まだ20歳になったばかり。将来が期待される若者。
能力はとんでもないものを持っているはず。長身から投げ下ろすキレのいいストレート、鋭く曲がる変化球、そして抜群のコントロール。
回り道をしてきたでしょうけど、ようやくプロのスタートラインに立ちました。
今まで、その才能と実力を持ちながら、プロで発揮できなかった人はたくさんいます。
もったいないことで、その才能を埋もれさせることなく、これからの言動、活躍によって、迷惑を掛けてきた関係者やファンに少しでも恩返しできるようにすることが大切なことだと考えます。
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まっくろくろすけ
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