「日本には国枝慎吾がいるじゃないか!」
国枝慎吾選手 (くにえだ しんご、1984年2月21日生まれ)
日本のプロ車いすテニス選手。ユニクロ所属。グランドスラムでシングルス16勝、ダブルス15勝の男子世界歴代最多記録を保持(2014年10月現在)。パラリンピックでもシングルスで2個・ダブルスで1個の金メダルを獲得。
今年はテニスの4大大会・全米オープンで錦織圭選手の決勝進出が大きな話題となりました。
その後、“のどぐろ”も大きな話題となっていましたが・・・。
以前、ある日本の記者が男子プロテニスのロジャー・フェデラー選手にインタビューしたときに「なぜ日本のテニス界には世界的な選手が出てこないのか?」と聞いたそうです。
これに対してフェデラー選手は「何を言っているんだ君は? 日本には国枝慎吾がいるじゃないか!」と言ったとのことです。
国枝選手は以前、
「ボクの願いはたった1つなのです。この競技を1つのスポーツ競技として見て欲しい。パラリンピックを純粋にスポーツだと評価し、楽しんでくれるお客さんで競技場を埋め尽くしたい。ロンドンパラリンピックは、ファンが純粋にスポーツを楽しむ感覚で観ていたからこそ大成功を収めた。ボクが金メダルを取っても、日本ではテニス選手として評価されるんじゃなくて、障がい者が車椅子テニスをしてまで前向きに頑張っているのが偉い、感動する、と言われてしまう。どこか同情の対象なんですね」
と言っています。
恥ずかしいことですが、私もどこかで別のスポーツのように感じている、考えてしまっているところがあります。
錦織圭選手の偉業は立派です。これはこれでニュースであるべきものは事実です。
おそらく日本人の大半の方も同じなのかも知れません。しかも、障がい者スポーツというものを健常者スポーツよりも下に見る傾向にあるようです(世界も同じだという声もあります)。
そう考えてしまう要因として、まったく同じルールで同時に競技が出来ないことや、競技人口の違い・・・多いと注目される=勝つのが難しい・・・報道のされ方にも違いはあります。どうしても、今の世の中では大多数に偏ってしまっているからです。
ちょっと考え方は違うのでしょうけど、高校野球における硬式と軟式の違いのようなものです。
競技する人、競技種目によっての違いがあるのが現実です。
だからといって錦織選手の結果と国枝選手の結果には報道で差を付けるほどのことではないはずです。
そのようなことは間違っていると判っているのでしょうけど、少なくとも私の住んでる日本では報道に差がつけられているから、国民が知らないのは当然と言えるでしょう。
米国では普通に障がい者が困っているとき助ける。日本人はまだ、見て見ないふりをする。
英国ではパラリンピックの選手が国民的ヒーローになる。日本ではその活躍はほとんど報道されない。
日本はまだまだ、特別なまなざしを持っているのかも知れません。
以前、大阪桐蔭高校の前主将の作文を紹介しました(http://blog.goo.ne.jp/full-count/e/b6ec6bbbcd363bc65e95ba74c7605d80)。
そのような思い、考えが日本、全世界で持てればいいでしょう。
まず、そうなる世の中になるためには、報道が公平にされるようになることです。
テレビやインターネットが世間に与える影響は大きいです。
もっと国枝選手のように活躍する選手を報じること出来るようになれば素晴らしい世の中になるでしょうね。
なお、本当は“プロ車いすテニス選手”なのでしょうけど、あえてタイトルは“プロテニス選手”としました。
2014年10月31日時点
ITFシングルスランキング 1位 / 46勝1敗
ITFダブルスランキング 2位 / 28勝4敗