♬盗んだバイクで走り出す 行き先も解らぬまま
暗い夜の帳りの中へ
誰にも縛られたくないと 逃げ込んだこの夜に
自由になれた気がした 15の夜
「15の夜」は故・尾崎豊さんの1983年12月に発売されたデビューシングルです。この歌は尾崎さんが14歳の時に、友人が髪が長いという理由で中学校の先生にバリカンで髪の毛を刈られたことに反発して、仲間と家出した経験を基に作られました。
さて、尾崎さんは15歳の時(実際は14歳)に、「盗んだバイクで走り出す♪ 行き先も解らぬまま♪」ですが、先日、「15の春」に「本当になんか、もう、とにかく…。うぇ~ん」と涙を見せてくれたのが水泳の池江璃花子選手です。
競泳のリオデジャネイロオリンピック代表選考会兼日本選手権の2日目。女子100mバタフライ決勝で池江璃花子選手が57秒71で初優勝し、派遣標準記録57秒77を100分の6秒上回り、お立ち台の上で「本当になんか、もう、とにかく…。うぇ~ん」と両手で顔を覆い、泣きやんでから感想を聞かれても「派遣(標準記録)を切ることだけをずっと目標にやってきた。本当にうれしいです…。うぇ~ん」と喜びに大泣きしました。
ちなみに池江選手はイメージトレーニングを欠かさず、この日は優勝インタビューされる自分を想像してレースに臨んだそうです。しかし「あんなに涙が出てくるとは思わなくて。死ぬほどうれしい」とのことでした。
また、100mバタフライに続いて200m自由形で優勝し、800mフリーリレーでのオリンピック出場権を獲得しました。泳ぎ終わった後、リレーメンバーの3人と笑顔で抱き合った姿は印象的です。
「この4人のメンバーでオリンピックに行きたかった」と池江選手はレース後に答えています。この4人とは2015年にロシア・カザンで行われた世界選手権で入賞してオリンピック出場枠を獲得した時のメンバー、池江選手、五十嵐千尋選手、持田早智選手、青木智美選手です。
15歳。
「15の夜」について、プロデューサーの須藤晃さんは「誰も書いたことのないような、ティーンエイジャーのための、ティーンエイジャーによる、ティーンエイジャーの詞」だったと書き著しています。
「15の春」の池江選手には「誰も見たことのないような、自分のための、自分による、自分のレース」をして欲しいと思います。
なお、どうでもいい話ですが「15の夜」で盗んだバイクというのは、YAMAHAパッソルという原チャリだったそうです。