織田信長さんは戦国武将の中でも人気のある1人です。奇抜なエピソードもありますが、その一方で目標設定を上手く活用した戦術家でもありました。
日本の歴史的に有名な戦に尾張国(現;愛知県)知多郡桶狭間で行われた、織田さんと今川義元さんの「桶狭間の戦い(1560年)」があります。約25000人といわれる大軍を率いて侵攻した駿河の戦国大名である今川さんに対し、尾張の大名・織田さんが少数の軍勢で本陣を強襲し、今川さんを討ち取ったのです。
ここでは目先の利益である戦利品を奪うことはせずに、完全勝利という目的設定を徹底します。また、「戦いに参加した者全員が末代まで英雄として語り継がれる」という、目的に対するリターンを明確に告げることで部下たちのモチベーションを向上させています。
さて、プロ野球の中日ドラゴンズは2020年7月19日、阪神甲子園球場で阪神タイガースと対戦し3-11で敗戦。チームは今シーズン2度目の同一カード3連敗で借金は「6」まで膨れ上がりました。
この試合内容も目を覆いたくなるものでした。初回に先発・梅津晃大投手がいきなりフォアボールを挟んで3連打と犠牲フライで3失点。1度は追いついたものの、4回裏には梅津選手が残した1アウト満塁のピンチに、2番手・藤嶋健人選手が連続押し出しフォアボールと犠飛で、この試合の終戦を迎えました。
この試合後、与田剛監督は、「見たとおりのことなんだけど、その前にやっぱり追いついて追い越せないとね。もちろん投手がが踏ん張らないといけないけど、まだまだチャンスで追い越すことができない。そこが、流れを引き寄せられなかったんじゃないかと思う。この3連戦、阪神との違いというのはそういうところ」と振り返り、打線に敗因があるようなコメントをしています。
押し出しフォアボールを連発した藤嶋選手については、「もちろん四球が3つという展開になったけど、それは選手をどこで使うか。選手が結果を出しやすいとこで使ってあげないといけない。どんなに内容が悪くても、次は必ず信頼して使うのが、私の意思。しっかり反省して次も私は使っていきますから」と責任を背負い込み、各投手が四球から失点につながるケースが続いていることには「ストライクゾーンを両サイドうまく使えない、どうしても外角一辺倒になってしまったり、いいところへ投げようとする意識が強くなりすぎているのか、打たれたくないのか、そういったものが精神的に邪魔している可能性はある」と分析しています。
客観的に冷静に分析している状況ではないでしょう。
今シーズンは新型コロナウイルス感染症の影響でレギュラーシーズンが120試合に短縮され、連戦が続くため、ピッチャーにかかる負担は例年以上のものとなります。ピッチャーの采配においてはピッチャー出身の与田監督の手腕にもかかっているのも事実です。
開幕ピッチャーを務めた大野雄大選手はここ(2020年7月21日)まで5試合に先発して0勝3敗。開幕から抑えを務めてきた岡田俊成選手は配置転換となり、現在は中継ぎ。本来ならば大黒柱ともなるべき柳選手はケガで離脱。野手ではチームの要である高橋周平選手、アルモンテ選手がケガで戦線離脱。さらに不調が続いていた平田良介選手もケガで出場選手登録を抹消されています。
これだけ、主力の不調者と離脱者がいる中で、瞬間的に4位に浮上することもあるので、戦力が整った時が楽しみで仕方がありません・・・なのですが、Bクラスをさまよっているのは、それだけが原因ではありません。それも、これも原因は東海地方を拠点にしているドラゴンズだけに投手陣が深刻な状態である「投壊」。
それも、投手陣の崩壊の要因となるのがフォアボールによる「自滅」が目立って仕方がないのです。特に、今シーズンはフォアボールでランナーを出し、その後のタイムリーで失点するパターンが多く、負け試合につながっているのです。
チーム防御率はリーグワーストの「4.73」。さらに深刻なのがフォアボールと失点で、フォアボールはリーグ唯一の3ケタ台となる「100」を突破し、失点もリーグワーストの「137」。投手部門において、中日はリーグワーストのオンパレードとなっている。
2019年は27試合消化時点でチーム防御率は「3.24」。与死四球は「94」で今シーズンは約10%も増えています。
歴史を紐解けば、ここ数年の状態がフォアボールの多さと比例しているのがわかります(年度:与四球 リーグ順位 / チーム成績)。
2010年:416 リーグ2位 / 優勝
2011年:316 リーグ1位 / 優勝
2012年:324 リーグ1位 / 2位
2013年:495 リーグ5位 / 4位
2014年:503 リーグ6位 / 4位
2015年:425 リーグ3位 / 5位
2016年:469 リーグ4位 / 6位
2017年:495 リーグ6位 / 5位
2018年:526 リーグ5位 / 5位
2019年:452 リーグ4位 / 5位
投手陣の与四球の増加とチームのBクラス転落がつながっているのです。
落ちるところまで落ちていますから、どっちにしろ負けることには変わりないのだったら、打たれて負けた方が、まだすっきりとします。そもそも、バッターは失敗の方が多いのですから、思い切ってストライクゾーンで勝負したほうがまだマシです。
「臆病者の目には、常に敵が大軍に見える」
日本三大奇襲の1つ、「桶狭間の戦い」で今川さんを討ち取った織田さんらしい言葉です。つまり、自分を過小評価して弱気になるのではなく、ここが正念場と腹をくくって戦かわないと、いつまでたっても勝利は得られません。
新型コロナウイルスによってお亡くなりになった方々のご冥福をお祈りするとともに、罹患された皆様に心よりお見舞い申し上げます。また、日々新型コロナウイルスと戦っている医療関係など、私たちの命と生活を守るために働いてくださっている関係者の方々に、心からの敬意と感謝いたします。
どうか、みなさまとご家族、関係者の方がご健康であっていただければと思っております。1日でも早く流行が終息の方向に向かうことを願っております。
また、このたびの豪雨による未曾有の被害が報じられ、お亡くなりになられた方々には心からお悔やみ申し上げますとともに、被災された多くの皆様に心からお見舞い申し上げます。
どうか一日も早い復興と皆様の日常が1日にでも早く取り戻せますように、心からお祈り申し上げます。
私のブログにお越しいただいてありがとうございます。また、明日、ここで、お会いしましょう。