日本政府は2021年5月31日が期限の東京都や大阪府など9都道府県への「緊急事態宣言」について、6月20日までの延長を決定しました。また、「まん延防止等重点措置」についても、神奈川県、千葉県、埼玉県などの5県について、6月20日まで延長しました。
「また延長か」と思う気持ちもありますが、やはり、ここでしっかりとこの新型コロナウイルス感染症について、しっかりと抑え込まなければならないと改めて思います。
以下、NHK Webの特集記事を参考にしています。
4月1日
和代さん(仮名)は80代の旦那さんと近所に住む70代のお兄さんと3人で、お兄さんの車で出かけ、喫茶店で食事を終えた後、兵庫県内の墓地に向かいます。
お墓参りのあと、その日はたまたま旦那さんの誕生日で身内だけの少人数ということもあり、最近は新型コロナウイルス感染を避けるため、なるべく外食は控えていましたが、お祝いも兼ねて3人でステーキハウスで食事をとりました。
4月2日
お兄さん:高熱が出ている
この連絡で事態は一変します。その後、お兄さんの陽性が判明し、保健所から濃厚接触者になったと連絡が来ます。
和代さんと旦那さんも38度の熱が出ます。しかし、病院が見つからず、なかなか検査が受けられません。市販の解熱剤を飲みながら自宅療養を続けていましたが、薬の効果は数日でなくなります。
4月6日
ようやく検査を受けられます。
4月7日
2人とも陽性が判明します。
4月8日
和代さんの症状はどんどん悪化して、立つこともできなくなり、保健所に連絡。
旦那さん:俺は大丈夫だから、母ちゃん、先行け
旦那さんは自宅に残って、療養を続けることを選び、和代さんは救急車で東大阪市の医療機関に搬送され、そのまま入院します。
4月10日
旦那さんに食事を届けに来た友人が、居間で倒れている姿を見つけます。
連絡を受けた和代さんは、入院調整を行う大阪府に、自分と同じ医療機関への入院を求めますが、順番があるのでできないと断られ、別の医療機関に入院します。
心配になった和代さんは、その夜、旦那さんに電話をかけます。旦那さんは自分が入院することになっても、和代さんのことを気遣っていました。
旦那さん:母ちゃん、どうなんや?
和代さん:大丈夫やで、父ちゃん。一緒に帰れるわ
もっと長く話していたかったのですが、すぐに電話を切りました。その後、和代さんは何度も電話しましたが、再びつながることはありませんでした。
4月12日
娘さんからLINEで連絡が来ます。
娘さん:病院から電話あり。午前中に挿管しました。鎮静剤が切れると不快感があるので、ずっと眠った状態です
旦那さんは入院から2日後、4月12日に容体が悪化し、人工呼吸器が必要な状態でした。
このころ、大阪府では規模の大きい病院に対して、軽症や中等症の患者が重症化しても、転院させずに治療を続けるよう求めていました。旦那さんの入院先も要請の対象になっていました。
4月12日
娘さん:転院の要請出しましたが、望みは薄いです
4月18日
和代さん:父ちゃんのことが気になっています
娘さん:父ね 頑張っていると思う
4月19日
和代さん:父ちゃんのことが知りたいな、何か食べれてるかなぁ
娘さん:何もたべれないです 父はずっと寝ています。口から呼吸器入ってるから意識があると苦しいから眠ってるそうです
4月20日
娘さん:父は変わらない状態ですが、肺がほとんど機能していない状態です。このまま週末まで様子みます。高齢のためもう回復はないかもとの事です
そして、先に入院していたお兄さんが4月16日に亡くなったと連絡があります。
4月25日午後2時すぎ
旦那さんは意識が回復することなく、入院先の病院で亡くなります。
和代さんはその知らせをベッドの上で聞き、翌日、火葬が行われましたが、立ち会うこともできませんでした。
4月27日
和代さんが退院。
和代さん:今でも信じられない。だから寝てても「父ちゃん」って呼んでんねん。それで目が覚めて「そういえばいてへんわ」って思って。骨一つでも拾えたらよかったけど、自分では何も見ていない。お骨だけ家に来てるけど、ほんまは「この人ちゃうかもしれへん」って思う。父ちゃんが「ただいま」って帰ってくるんちゃうんかって
1ヶ月後
和代さんの入院生活で落ちた体力は徐々に回復し、休みながらですが、日課だった散歩もできるようになります。しかし、家で出迎えてくれていた旦那さんはもういません。ふと我に返ったとき、墓参りに誘った自分の行動を責めてしまうといいます。
和代さん:自分が「お墓行こ」いうたんで、私が父ちゃん殺したんや。あんだけ楽しんでる人の人生を奪ってしまって、まだ生きたかったやろうし、楽しんではったからね、人生をね。私の一言がなかったら、その日に行かんかったら・・・。「帰ってきて」っていいたい。夫も自分が死んだと思ってへんやろと思うねん。「ごめんな」としか言えん
大阪府内の静かな住宅街にある一軒家の室内には真新しい大型の冷蔵庫や、テレビ、ソファが並んでいるそうです。子どもたちはすでに独立し、「2人の老後を楽しいものにしよう」と家具や家電は買いそろえたばかりだったそうです。
しかし、今、この家で暮らしているのは和代さんだけになりました。
新型コロナウイルス感染症が終息して、以前の生活環境が戻ってくることを願っている方は多いと思いますが、以前の生活は命を失ってしまえば、二度と戻っては来ないです。
今日も、私のブログにお越しいただいてありがとうございます。
みなさんにとって、今日一日が健康であって、普段と変わらない日になりますように。そして、笑顔で過ごせる日でありますように。
また、明日、ここで、お会いしましょう。