先日、とある元キャビンアテンダント(CA=客室乗務員)の方のコラムを目にしました。
(ここから先は、中島みゆき「糸」を植村花菜のカバーでBGMにしてお読みください)
その一文を引用・紹介いたしますと、
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東京から沖縄に向かう機内で高校生数人が、「おりがみの鶴」を折っていました。
同級生が手術をすることになり、学校を代表してお見舞いに行くことになったものの、「千羽鶴が間に合わなかった」というのです。
到着までに、一羽でも多く鶴を折ろうとする彼らに心を打たれ、彼女(CA)は「私たちも時間があったら手伝いますね」と声をかけました。
機内では情報はクルー全員で対処するため、周知させるというのが機内のルールになっているそうです。
つまり、すべての情報を共有して、クルー全員で一つのフライトを作り上げる。そのチームワークの良し悪しが、フライトに大きく影響します。
(確かにそうですね。私もたまたま通りかかった、他のことで忙しそうなCAに頼んだことであっても、キチンと他のCAが対応してくれたりしますから。)
「千羽鶴」のことを知ったチーフパーサー(客室のCAを統率するリーダー)は、客室にアナウンスをかけて「高校生が、手術に向かうクラスメイトのために千羽鶴を折っている」ことを説明し、「どなたか、お手伝いいただける方はいらっしゃいますでしょうか?」とお客様に呼びかけました。
すると、嬉しいことに、ほとんどのお客様が手を挙げてくれたそうです。
目的地に着く頃には、たくさんの人の思いが込められた「千羽鶴」ができ上がったそうです。
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いいな、いいな、人間っていいな・・・と思います。
災害時などでもそうですが、基本人間って優しい生き物だと考えます。
「誰かを助けたい」、「誰かのために何かをしてあげたい」
という気持ちがあるのですよね。
小さなことであっても、知らない人同士であっても、気持ちが一つになれば大きなことができるのです。
東京と沖縄のフライトって約二時間。いろいろ考えていると、あっという間に目的地に到着してしまいます。
検討している時間はありません。
私はこの機に乗り合わせた乗客も素晴らしいと考えますが、この機を運航したクルーのチームワークと決断と行動。
なんて素晴らしいことでしょうか。
乗客の方もそうですが、クルーも気持ちのいいフライトだったに違いありません。
そして、何よりも同級生をお見舞いするために向かっていた高校生にとっては、かけがえのない人生経験が出来たものだと考えます。
きっと同級生の子も回復して、元気にしているのではないでしょうか。