女子マネージャー

「夏」「甲子園」「白球」「青春」「ヒーロー」「ヒロイン」とくれば、ある年代の方には「タッチ」(あだち充)を思い浮かべることでしょう。

そして「ヒロイン」といえば浅倉南。明青学園高等学校野球部の女子マネージャーです。



そして、女子マネージャーと言えば今年の夏の甲子園の開幕戦の翌日からある野球部の女子マネージャーが話題になりました。

“おにぎり作り『女神』マネ”とスポーツ紙が報じた記事が発端です。

「この女子マネージャーは野球部の選手らのために、2年間で約2万個のおにぎりを作った」

ここまででしたら、この女子マネージャーのみらず、他校でもやられていることだと思いますので、別段騒ぎにはならない話です。でも、この先に続いた

「これ(おにぎり作り?)に集中するため、最難関校受験の選抜クラスから普通クラスに転籍した」

とも言うのです。別におにぎり作りのためだけじゃないと考えますが、どうも真意が伝わりきらない捉え方が出来る報道の仕方で、おにぎり主体の話となってしまったのが、そもそもの始まりではないでしょうか。

その後、この女子マネージャーのインタビュー記事が(主催新聞社の新聞に)掲載されていました。

抜粋

―マネージャーの仕事はおにぎり作りが中心?

いえ。スコアをつけたり、アナウンスしたりとか。3年生は記録係をやります。1年生は掃除もします。おにぎり作りは分担しています。夏場は(衛生面を考えて)クーラーボックスで、ビニール袋に入れた氷の上におにぎりを置いています。(前の代のマネジャーの時まで、おにぎりの味付けはしょうゆと塩だけだったが、選手が飽きないよう、わかめ、塩こんぶ、ふりかけなど様々な具を入れるように。選手の一番人気は塩こんぶという)。

―勉強を犠牲にしてマネージャーをした、という見方もあるようですが、真相は?

それはないです。勉強を犠牲にする気はありませんでした。1年生の時は(トップクラスの)選抜クラスで、2年は(上から2番目の)特進クラスになりました。勉強が追いつかなかったわけではないです。成績が落ちたわけでもありません。今のクラスでも満足行く結果が残せると思ったし、できていると思います。部活に集中できて、甲子園に行って帰ってくることができて、自信がつきました。まったく後悔していません。

―卒業後の進路や夢を教えてください。

幼稚園の先生になることです。結構前からの夢です。小さい子が好きなので。マネージャーになることも、クラスを落とすことも、自分を曲げないで頑張ってやりとげました。この夢も曲げないで、かなえたいです。


私としては何ら問題とすべきことではなく、一人の女子高校生として「青春」と1ページとしての生き方であって、彼女の人生について云々するものではないと考えます。大体、そんなことを言える立場ではないですから。

甲子園を、高校野球を盛り上げるために選手だけではなく、サポートする側を取り上げて・・・という報道側の事情も判らないではないです。

でも、報道の仕方、取り上げる方法、内容によって、その受け取り方は千差万別です。
変な方向に一人歩き始めることだってあり、場合によっては傷つけてしまうことだってありうるでしょう。

先のインタビューではこう受け答えしています。

「周りから「気にするな」と言われて、心配してもらいました。でも、私はそんなに気にしていません。甲子園に向けて「自分のできることをやる」と思っていました」

また、他のインタビューでは、こんなことも言っています。

「これから勉強を頑張って、推薦でなく一般入試だけを考えています。たたいてきた人を見返してやらなきゃ」