「運動部活動は学校教育活動の一環として、スポーツに興味と関心を持つ同好の生徒が、教師(顧問)の指導の下に、主に放課後などにおいて自発的・自主的に運動やスポーツを行うものであり、全国の中学校・高等学校等で多様に展開されている」
これは文部科学省の「中学生・高校生のスポーツ活動に関する調査書」(平成8年度)では冒頭に記しています。
そして、この調査の中で、「運動部活動に対する満足度等」ということで、「運動部の活動は楽しいか」について中学校の運動部員の83.4%、高等学校の運動部員の83.8%が、運動部活動は「楽しい」と答えています。
そう、本来楽しいものであるのが普通の姿なのですよね。
次に「運動部活動の在り方はどうあるべきだと思うか」については、中学生で56.5%、高校生で62.6%が「ある程度勝つことを中心にしながら楽しむことがよい」と答えており、中学生で21.2%、高校生で18.8%が「みんなで楽しむことを中心とし、できれば勝つという形がよい」と答えています。
「厳しく徹底して勝つことを目指すべきである」との答えは中学生で11.8%、高校生で12.1%という数字でした。
一方、「所属している運動部は何を目指して活動していると思うか」に対しては、中学生で55.9%、高校生で51.5%が「どちらかといえば勝つことを目指している」であり、中学生で22.8%、高校生で26.4%が「厳しく徹底して勝つことを目指している」です。
「絶対的に勝ちたい」という意識は本人よりもその運動部を実質上運営している組織側の方が倍近く高い数字を示しています。
現在の運動部に所属した理由については中学生では、「そのスポーツを楽しみたかったから」(49.8%)、「そのスポーツをうまくなりたかったから」(42.3%)、「体を鍛えたかったから」(23.4%)であり、高校生では、「そのスポーツを楽しみたかったから」(48.7%)、「そのスポーツをうまくなりたかったから」(30.1%)、「充実して過ごせると思ったから」(21.4%)、「体を鍛えたかったから」(18.5%)との答えです。
「選手として活躍したかったから」は中学生では16.0%で第4位、高校生では17.5%で第5位という数字です。
また、保護者に対して「運動部活動をすることによって子供に何を最も期待するか」については中学校、高等学校ともに「人間的な成長」が一番多く、中学校48.4%、高等学校50.6%と高い数字です。
以下、中学校は「体力の向上」(20.2%)、「充実した生活」(19.9%)、高等学校では「充実した生活」(25.4%)と続き、「選手として活躍すること」を挙げた者は、中学校、高等学校とも約5%と低い数字なのです。
そして、一番肝心な運動部顧問の「運動部を指導するに当たっての目標は特に何か」については中学校、高等学校とも、「協調性や社会性を身につけさせる」が中学校44.0%、高等学校42.0%で一番多いのです。
「競技力を向上し大会で少しでも良い成績をおさめる」というのは中学校20.7%で第6位、高等学校33.2%で第2位ですが、高等学校の場合、「将来にわたってスポーツに親しむ態度を育てる」31.7%、「精神力や責任感を育てる」30.5%とその差はわずかです。
こういう調査を見るとわずかながら、中学よりも高校の方が指導者の勝ちにこだわる意識の差が強いような気がします。
でも、本来の運動部の存在意義としては、
・自身が好きなスポーツに仲間とともに取り組めること
・勉学とは離れたところで自分の良さが認められる
・子どもたちがお互いに認め合い、励まし合い、協力し合うことができる
・自分の存在や責任を見つめる
・努力や忍耐、スポーツマンシップ、思いやり、集団生活のルール等を身に付ける
これらによって、学生生活に張り合いを与えて、喜びと生きがいをもたらすものなのでしょうね。
コメント一覧
![](https://blogimg.goo.ne.jp/image/upload/f_auto,q_auto,t_profile_square_m/v1/noimage/user_photo/gb25_noimage.png)
まっくろくろすけ
![](https://blogimg.goo.ne.jp/image/upload/f_auto,q_auto,t_profile_square_m/v1/noimage/user_photo/gb25_noimage.png)
eco坊主
最新の画像もっと見る
最近の「スポーツ」カテゴリーもっと見る
最近の記事
カテゴリー
バックナンバー
人気記事