2020年3月25日。
東京都で41人の新型コロナウイルスへの感染が確認されました。東京都の感染者は3月24日時点で計171人で、北海道を抜いて都道府県で全国最多になり、さらに3月25日に41人の感染が確認され、都内で1日に確認された感染者数では、これまで最多の17人（3月24日）の2倍以上、合計も200人を超える見とおしとなってしまいました。
たまたまですが、前日の3月24日に必要火急（不要の反対語は必要、不急の反対語は火急）の用事があり東京都内へと行ってきましたが、その道中の中央高速道路で神奈川県と東京都の境にある小仏トンネルで事故があり、相模湖IC～八王子JCTが通行止め。よって、上野原ICで降りて、陣馬街道（山梨県道・神奈川県道・東京都道521号上野原八王子線）という山道をとおって都内へと入りました。
復路は下り車線の通行止めは解除されており高速道で帰れたのですが、上り車線はまだ通行止めとなっており、真っ暗な状態であり、上り車線の相模湖IC～上野原ICの路上と出口は大渋滞。
まるで、「首都封鎖（ロックダウン）」のシミュレーションが行われたような感覚でした。
さて、東京都の小池百合子知事は3月25日の夜、緊急記者会見を開き、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、今週末の不要不急の外出自粛を要請しました。
一般的に言われていることからは、この「41人の感染」は約2週間前の3月11日前後に感染した可能性があるということです。つまり、今日私たちが見ているこの数字は、感染から発病に要する潜伏期間と発病から診断され報告までに要する期間も含めて、その約2週間前の新規感染の状況ということになります。
すなわち、どこかで感染に気付かない人たちによる感染集団（クラスター）が断続的に発生し、その大規模化や連鎖から感染爆発（オーバーシュート）が始まっていたとしても、その兆候はわかりませんので、気付いたときには制御できなくなってしまうということになってしまうのです。
約2週間前はまだ都内でも自粛状態であり、人影は少なかったのですが、この3連休（3月20日～22日）はいつもの状況に近い様子だったように見受けられました。つまり、最悪の場合、今後約2週間で500人以上感染者が増加する試算（昭和大学医学部・二木芳人特任教授）もあるというのが、現実的になる可能性もあると考えられるのです。
米国・ニューヨーク州の人口は約1950万人。感染者約1万5000人、亡くなった方114人（3月22日時点）。この数日で感染者数は毎日2000人、3000人規模で増加の一途となり、3月22日午後8時（日本時間23日午前9時）から外出制限が始まっています。基本的に全従業員の出勤を禁じて在宅勤務を要請し、また全住民に不要不急の外出をしないよう自宅待機を要請する行政命令です。
ニューヨーク州だけでなく、フランスのパリも外出禁止。フランスは「公衆衛生非常事態法」により、外出規則の罰金を引き上げ、外出許可を持っていない人の罰金は135ユーロ（約1万6000円）、15日以内に同じ違反をした者には1500ユーロ（約18万円）の罰金となります。また、外出規制の取り締まりは、警察官のみならず、パリ市の職員も行うことができ、パリ市の上空にはヘリコプターやドローンが飛んで、パトロールを行っているそうです。まるで戒厳令さながらです。
ただ、日本では恐らく海外の国・都市までのように踏み込んだ対策を取る政治家はいなさそうです。安倍晋三首相は以前、「新型インフルエンザ特別措置法改正」に際し、「常に最悪の事態を想定し、あらかじめ備えることが重要だ」と述べていましたが、後手後手感は否めません。もちろん、日本政府、東京都をはじめ各自治体は感染拡大防止に必死に取り組んでいることだと思いますが。
日本政府は「緊急事態宣言」を出すかどうか議論するための対策本部を3月28日に設置する方向で調整しているとのことです。
「緊急事態宣言」が先か、「首都封鎖（ロックダウン）」が先か。それとも同時に発令されてしまうのか、すでにカウントダウンは始まっていると思いますが、最悪の事態にはなって欲しくないと願うばかりです。
