以前、毎日新聞に「甲子園先攻・後攻考」とした面白い記事がありました。
高校野球だけではありませんが、ほとんどのアマチュア野球はプレーボールの前のじゃんけんで先攻・後攻を選ぶところから試合が始まります。
2009年の春の選抜決勝戦。優勝した清峰高(長崎)の監督は「この決勝戦ではできれば先攻を取りたい」と言っていた。
(2009年選抜準決勝戦での清峰高・今村選手(現;広島東洋カープ))
その理由は「好投手の菊池君が相手。先に点を取られたら、追いかけるのが大変だという思いがあった。たぶん(今村と対戦する)相手も同じだったと思う」というものです。
結果的に7回に1点を挙げ、狙い通りの試合展開となり、25年ぶりの1-0というスコアで初優勝した。
一方、2008年夏の優勝中京大中京高(愛知)の監督は後攻を取らせるといいます。
「伝統的に守備から(試合に)入るチームだから」と言うのが理由。さらに「2008年の夏の決勝みたいなこともある」とも言っています。
あの夏の決勝戦(対 日本文理高(新潟))は6点のリードで9回表の守りについたのですが、2アウトから優勝を意識した投手陣が集中打を浴びて、1点差まで詰め寄られました。
でも、後攻の中京大中京高は、もし逆転を許したとしても裏の攻撃を残していました。
「サヨナラはない」「まだ裏がある」と考えていたそうです。
終盤戦に精神的な逃げ場を得られることが、後攻の最大の優位点なのですよね。
だから、後攻が有利だというように考えられるのです。