ゴールデンウイーク(GW)後半ともなり、少しは世間並みのことをしてみました2。
湖とは、湖沼のうち比較的大きなものであり、一般的には水深 5~10mより深いものを言います。日本において古くは「水海」(みずうみ)あるいは「淡海」(あわうみ)と呼ばれていて、淡水からなる水域を表していました。
湖はその深さと静謐さのため様々な伝説が語り継がれています。世界中の多くの湖には怪物や神聖な生き物が住むという伝説もあり(ネス湖のネッシーなんかが有名です)、離れた場所にある湖が地下でつながっているという伝説も見られたりします。
さて、青木湖は長野県の北西部の大町市にある湖です。このエリアには中綱湖と木崎湖もあり、3つ合わせて、仁科三湖(にしなさんこ)と呼ばれていて、その中で一番北に位置しているのが青木湖です。ちなみに、仁科三湖は農具川という川でつながっていて、地下ではつながっていません。また、青木湖周辺は市街地から外れており、観光開発についてはあまり着手されていないため、ありのままの美しい自然を楽しむことが出来ます。
面積は1.7km2で、長野県内では御神渡りで有名な諏訪湖、ナウマンゾウの化石で有名な野尻湖についで3番目、全国では59番目の広さ、標高822m、周囲長6.5km、雪が多く、冬寒い地域にありますが、全面結氷はしません。水深が58mと長野県内で最も深くありながら、貧栄養湖で透明度9.8mと透明度の高い湖水は美しく深い青色をたたえています。
また、農具川の上流に位置する青木湖は流入している河川がないにも関わらず、水位が維持されていることもあり、湖底より大量の湧水が噴出していると考えられています。
そんな青木湖の今だけの景色です。
青い空、
白い雪の後立山連峰、
碧い水、
新緑に芽吹く草、
そして、桜
青木湖は糸魚川静岡構造線による地溝上にできた断層性構造湖で、約3万年前に発生した西側の山の大規模な斜面崩落による谷(かつての姫川)の堰止めにより形成されたと考えられています。
その所為か、湖のほとりに目を閉じて寝そべっていますと、まるで時間が止まったかのような感覚に陥るかのようでした。
なお、同行人たちは、「はあ~いい景色だ」とただただ、この景色に感動しているだけでした。
そんな青木湖の伝説です。
『青木湖の主は牛である事』
青木湖(平村)は周圍ニ里半もある凄い湖である。
昔は宮本神明宮(社村)の領地で西山勘平が頂つてゐたと云はれ、
神明宮の祭の時にはたけ一尺もある赤魚を百五十尾漁り、
大町九日町の鍛冶屋で火を入れ二本のつとにさし、
其處から勘平は二本帶刀を許されて宮いたり献上したものである。
青木湖の西岸に青木という小さな部落がある。
昔其處の或る百姓の家で赤い牛を飼ってゐた所が美しい子牛を生んだ。
湖の東岸の加藏の百姓が所望して貰つていつた。
子牛は親に別れた悲しさに毎夜湖岸で泣いた。青木の親牛はそれを聞きつけて、
或る月夜湖中に泳ぎだした。
然し力及ばず遂に湖中に沈んでしまつた。
それから青木湖の主は赤牛だと云はれてゐる。
一説には、信玄が西山勘平の案内で湖上舟遊した時、常に愛してゐた牛二頭が、
舟を逐つて湖中に入り一頭は遂に行衞分からずなつたといふ、
その折信玄は何か唱へごとを云ひながら湖の主となれと云つたともいい傅へられてゐる。
信濃教育会 北安部会編
なお、1976年公開の角川映画「犬神家の一族」の、「湖面から逆さに突き出す両足」は青木湖で撮影されたものです。
GWの後半は、ゆっくりと終わりました。
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