「孤独のグルメ」は以前、「週刊SPA!」(扶桑社)で不定期に連載されていた人気マンガです。原作;久住昌之さん、作画;谷口ジローさんで、ストーリーは毎回、1人で黙々と食事をする主人公の井之頭五郎の食に対する心理を描いています。テレビ東京系で松重豊さん主演でドラマ化もされており、2019年10月からはseason8が放映されることが決定しています。
その「孤独のグルメ2」の中に、鳥取市役所の食堂の「スラーメン」というものが登場します。個人輸入雑貨商を営む井之頭が鳥取市に出張した際、知人に薦められて食べるのが市役所食堂のスラーメンです。
スラーメンとは1952年(昭和27年)ころに、鳥取市内の飲食店が、製麺屋が持参した中華麺にあうスープを考えていたところ、うどんのだしにたどりつき、開発されたもので、鳥取市など鳥取県東部のソウルフードとして親しまれてきたものだそうです。「巣ラーメン」とも表記されるそうです。
市役所食堂は市役所2階の一角にあり、現在の庁舎ができた1964年(昭和39年)に、鳥取市の富士割烹が運営しています。市民や観光客も利用でき、約4分の1が一般客だそうです。
メニューは天ぷらうどんやカレーライスなど約30種類。1番人気は、もちろんスラーメンだそうです。多い時は1日に50食出ることもあるという。値段は税込みで250円という驚きの価格です。
市役所食堂のスラーメンは、昆布やカツオでとった和風だしに中華麺を入れ、具はモヤシ、ネギ、かまぼこ。「天かすとコショウを入れることでラーメンに近い味になる」そうです。
そのスラーメンですが、鳥取市役所の庁舎が10月以降、JR鳥取駅近くに移転することに伴い、食堂業者が変更されることによって今秋でメニューからなくなってしまうことになりました。閉店が近づき、現在、スラーメンは以前の2倍近く売れる日もあるそうです。
富士割烹はスラーメンを他で提供する予定はなく、今の味は味わえなくなりそうです。また、新庁舎の食堂でスラーメンを提供するかは、新しい業者が検討中だそうです。
現在、市役所食堂の営業時間は平日午前10時半~午後3時。具体的な閉店日は未定です(2019年9月1日時点)。
長年、市民に愛されてきた味がなくなるのは残念なことです。一度、食べてみたかったです。
ちなみに、井之頭五郎は、1品ではもの足りず、「鳥取カレー」も追加注文しています。