第64回全国高等学校軟式野球選手権大会は8月30日、決勝が兵庫県明石市の明石トーカロ球場で行われました。
決勝の顔合わせは、大会3連覇10度目の制覇に王手をかけた中京学院大中京高(東海・岐阜)と、初優勝を狙う崇徳高(西中国・広島)の対戦となりました。両校のこの大会での対戦は、延長50回、4日間にわたる激闘となった第59回大会の準決勝以来の5年ぶりの対戦でした(中京学院大中京高の当時の校名は中京)。
中京学院大中京高は6回表、連続フォアボールを足掛かりに1アウト一・三塁から、相手のフィルダースチョイスで先制。さらに相手エラーや早川選手のタイムリーヒットなどで一挙4点を挙げた。7回表にも相手のフィルダースチョイスなどで1点を加え、突き放しました。
崇徳高は7回裏に朧谷選手のタイムリーヒットで2点を返し、中京学院大中京高の先発のエース水(みず)選手の岐阜大会からの無失点記録を途絶えさせましたが、以降、反撃をかわされ、中京学院大中京高が逃げ切りました。
中京学院大中京000004100|5
崇徳 000000200|2
(中日新聞プラスTwitterより)
中京学院大中京高は、3年連続10度目の優勝。3年連続優勝は第4~6回大会の京都・平安高(現;龍谷大平安高)以来史上2校目。また、優勝回数10度は、9度で並んでいた栃木・作新学院高を上回り単独最多です。
平中亮太監督は優勝直後のインタビューで「終わった当初は冷静でしたが、スタンドにたくさんのOBや支えてくれた方がいるのを見てこらえられなかった。全員で日々をどう過ごすかを考えて、総合力を高めた結果」とナインを称え、感極まり号泣でした。中京学院大中京高の平中亮太監督は2011年の初優勝から9年間で6度目の日本一となります。
ちなみに、当初予定されていた8月30日の決勝は、1回裏2アウトで降雨ノーゲームとなり、試合は8月31日に順延されたのですが、大会規定では、「雨天順延などによる最大順延は2日間」となっています。今年の大会はすでに8月28日の準決勝が雨で翌日に順延されていていました。このため8月31日の決勝が雨天で中止になった場合や、引き分けになった場合には「優勝預かり両校準優勝」になる可能性がありました。
つまり、中京学院大中京高が負けずして3連覇を逃す可能性もあったのです。
中京学院大中京高にとって3連覇への挑戦は今回で3度目になります。過去2度は予選で敗れしまい、全国大会にたどりつけませんでしたが、今回は予選から無失点で3連覇に向けて順調に勝ち進んできたのです。
なお、過去に優勝預かりは1回だけあります。1968年の第13回大会。この年は、硬式野球の夏の甲子園の会期が長く、軟式の全国大会の開会が例年よりも遅くなり、天候不順も重なってしまいました。よって、9月1日の日曜日に準決勝と決勝を行うことになり、山口・下関商業高と静岡・静岡商業高の決勝は延長18回でも0-0で決着がつかずに引き分け。翌日から二学期が始まることもあり、優勝預かりとなったのです。
当時の日本高校野球連盟の佐伯達夫大会会長は「明日から二学期。高校生の君たちは学業を大切にしなければならない。それでこの決定をした」と両校の選手に説明したそうです。
さて、来年は中京学院大中京高が史上初の4連覇を果たすかどうか。予選から注目です。