野球小僧

汚れた英雄

「汚れた英雄」とは小説家・大藪春彦さんが1966年から1969年にかけて発表した長編小説です。角川映画(現:KADOKAWA)によって映画化され、1982年12月18日に公開されました。

映画の主役・北野晶夫役には真田幸昌・草刈雅夫さん。主題歌の「汚れた英雄(「Riding High」)」(唄; ローズマリー・バトラー)をバックに、北野晶夫のレースシーンスタントを担当した当時の現役若手ライダーの平忠彦さんはかっこよく、憧れでした。

おまけを書きますと、平さんは当時国際A級500ccクラスにステップアップしたばかりでした。その後、全日本選手権500ccクラス3連覇を達成、世界GPフル参戦も果たし、資生堂の男性化粧品「TECH21」のイメージキャラクターを務め、私もTECH21の化粧品を購入し、原付にTECH21のステッカーを貼って、ど田舎の田んぼ道をオニヤンマと「どっちが速いか」と競争したものでした。

映画版は原作小説とはまったく異なるものであって、「物語」ではなく、「生きざま」を描こうとしたといい、「北野晶夫ライブ」という表現を用いたものでした。



2017年3月1日。東京・両国国技館で行われた世界ボクシング評議会(WBC)バンタム級タイトル戦のルイス・ネリ(メキシコ) vs. 山中慎介選手戦。
ネリは前日の計量で体重超過し、「前王者」としてリングに立ちました。計量時の超過分は2.3kgと1階級上のスーパーバンタム級でもアウト。再計量でも1.3kg超過はひどかった。試合は、減量苦から逃避したネリと山中選手との体格差が歴然。ネリが4度ダウンを奪い2回TKO勝ちした。山中選手は引退表明。階級制で行うボクシングの根底を覆しておきながらネリは大喜びでした。ネリは部屋で陣営とKOシーンを何度も見返し「俺たちは勝った」と大声で繰り返していたそうです。会見では「失った王座は、勝って取り戻せばいい」と体重超過に反省の弁はなく、言い訳だけを並べ、「山中選手に対してどういう思いか?」との質問には、「山中選手に申し訳ない。日本のメディアの皆さん、すみません」と、その場をやり過ごしただけでした。

WBCは試合翌日の日本時間2日、興行主からネリに支払われるファイトマネーの大半を凍結させ、同3日にネリの無期限資格停止を発表。日本ボクシングコミッションも9日、ネリの日本での活動を永久停止すると発表しました。

そもそも、今回の事件は昨年の対戦にまでさかのぼらなければなりません。

2017年8月15日に京都で行われた山中選手対ネリの初戦は、山中選手側のセコンドが4回途中で棄権を意味するタオルを投入し、同時にリングに飛び込んで試合が終わりました。ところが、その数日後、リングの外で問題が発生します。試合前の7月下旬にVADA(ボランティア・アンチ・ドーピング協会)がメキシコのティファナで行った抜き打ちのドーピング検査で陽性反応を示したことが明らかになったのです。

陽性反応を示した薬物は家畜の成長を促進させるために投与されることがあるといわれ、特にメキシコでは広く使用されていると伝えられています。陽性反応が出たことに関してネリは「汚染された肉を食べたからだと思う」と弁明しました。

現在、意図的に禁止薬物を使用したことが証明されるか、違反が繰り返された場合、WBA、WBC、IBF、WBOの4団体は王座剥奪や一定期限の出場停止処分、罰金を選手および関係者に科す厳しい対応をとっています。違反が意図したものか意図しなかったものかにかかわらず、悪質だった場合は試合結果を「無効試合」に変更し、違反者が王者だった場合はその選手から王座を剥奪するケースが多いのですが、最終的判断は団体によって異なります。前王者に王座が返還される場合もあれば、王座を空位にして新たに決定戦が指示されることもあるのです。

そして、違反発覚を受けたWBCが調査に乗り出しましたが、新たな事実は見つからず、疑わしき者を罰せずに、ネリに対しWBCはランキング1位に据え置いた山中選手との再戦を命じたものです。

まさしく、「身体の改ざん、疑惑ショー」とでもいいましょうか。

興行やTV放送枠の問題もあると思うが、薬物接種や特に体重超過によって両者の体重差が開き過ぎた場合、超過していない方の選手に危険が及ぶと判断すれば、各団体の権限で試合を中止するケースがあってもいいと思います。今回のネリを処分するだけでは、問題の根本的な解決にはならないでしょう。

最初に山中選手を倒した時には、強い選手が出てきたものだと思いました。地元メキシコでも英雄扱いだったと思います。
しかし、その後に出てきた様々な疑惑と問題。

まさに「汚れた英雄」。

コメント一覧

まっくろくろすけ
eco坊主さん、こんばんは。
最近の「何かとならんかーい」の4本立てでした。

確かに、ネリ(珍しく、ずっと呼び捨て)はね。でも、WBCの曖昧なルールが良くないです。ルールもへったくれもあったものじゃないですよね。

昔はハードボイルド系の小説をよく読み漁ったものです。ある小説家の方の出版した本は、ほぼ完読しました。最近、原作がリメイク映画化されたそうで、出来はともかく、久しぶりに表舞台に名前が出たのがうれしかったです。

eco坊主
おはようございます(*Ü*)ノ"☀

一時大藪春彦作品に嵌りました。独身時代でしたが。
「蘇える金狼」「野獣死すべし」の松田優作氏に憧れていました。家には『蘇える松田優作』なる書籍も持っています。
「非情の女豹」「狼は暁を駆ける」「戦士の挽歌」「凶銃ワルサーP38」なども。

さて『汚れた英雄』ですね。音楽は覚えていますし映画も観たはずなのですがストーリーが思い出せません。草刈正雄さんだったからかしら?もう当時は松田優作さんOnlyでしたから(笑)

ネリ選手については言うに及ばずです。
軽量の時の山中選手の「ふざけんなよ( `o´ )」で!!
汚れた”英雄”と呼ぶのも憚れます。
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