野球小僧

長時間労働

現代社会における労働問題をめぐる大きな論点の一つが労働時間です。特に長時間労働はブラック企業のみならず、多くの企業で慢性化していると指摘されています。しかし、長時間労働が当たり前のように維持されてきたのは、企業や個人にとって何かしらのメリットがあるからです。

長時間労働の要因の一つが「仕事中毒」です。純粋に仕事が好きで本人が喜んで長時間労働を選択している状況です。アルコール中毒と同じく、健康に害があると言われていますが♪わかっちゃいるけど やめられない♪側面があります。

二つ目の要因は「金銭的インセンティブ」です。これは時間外労働を増やすことで、自分の所得を増やそうとするものです。

三つ目の要因は「出世願望」です。長時間労働は自分の時間を企業や仕事に捧げるという意味で、所属組織に対する忠誠心を示すシグナルの役割を果たすのです。

その他の要因として「人的資本の回収」と「プロフェッショナリズム」があり、前者は医師や弁護士のように資格取得や教育訓練に多大なコストを支払った場合、それに見合ったリターンを得ようとすること、後者はプロ意識から長時間労働を厭わず一定水準以上の仕事をしようとすることになります。

これらはすべて自発的な要因になります。
一方、非自発的長時間労働の要因としては、「市場の失敗」というのがあります。労働市場において使用者側の交渉力が強いと発生します。

次に「職務の不明確さと企業内コーディネーションによる負担」です。日本では欧米に比べ職務範囲が明確でないため、「自分の仕事が終わったから退社」という行動が取りにくいというものです。また慢性的な数多くの長い会議があり、情報共有や伝達など、企業内コーディネーションに要する時間が長時間労働として顕在化している面もあります。

続いて「雇用調整のバッファー確保」です。不況期に人員調整を避けるため、平常時でも長時間労働が常態化するようになってしまっています。

そして「自発的長時間労働者からの負の外部効果」です。たとえば、上司が長時間労働者の場合、部下は残業に付き合わざるをえなくなります。

日本では労働基準法で週40時間の法定労働時間を超えてはならないとされ、それ以上働かせる場合には過半数の従業員で組織する労働組合と書面を締結し、労基署に届ける必要があります。いわゆる36協定と呼ばれるものですが、長時間労働の歯止めにはなっていません。

米国では週40時間を超える労働に50%の割増賃金の適用を義務付ける間接規制を採っています。欧州では週平均で48時間を超えないといった、労働時間直接規制している国が多いです。

日本と海外では文化・習慣が違うため、一概に制度を真似すれば上手く出来ると言うものでもないでしょう。
ただ、これからは女性や高齢者の職場参加の機会が多くなっていくと考えますので、より働きやすくするためにも、転換して行かなければ、いつの日にか自滅を招きかねないかも知れません。

さて、プロ野球選手の長時間残業を試算してみました。ちなみに最低年棒が決められており、育成選手が240万円、支配下選手が440万円、一軍最低年俸が1500万円です。年俸1500万円以下の選手の場合、150日の一軍出場選手登録されれば満額1500万円になるように、満たない分が日割り計算で加算されます。

面倒ですから、年俸1500万円の選手の場合を計算してみます。

一年間の試合数 ; 143
イニング数 ; 1287 (九回までとして)
1イニングにおける給料 ; 約11,655円

つまり、延長1イニング毎に11,655円に割増1.25を乗じた14,569円となります。

実際にはこんなことはないでしょうけど。 

コメント一覧

まっくろくろすけ
eco坊主さん、こんばんは。
長時間労働=よくやっている。
定時間労働=余裕がある。

物差しを間違えているのですよね。長く時間をかけていれば、その分精神的疲労も増え、ミスも多くなります。余力があるのが良いとは言いませんが、少しくらい力を残していませんと、何も出来なくなってしまいます。

とりあえず、国会議事堂の右側の椅子を狙っています。
eco坊主
おはようございます。

タイトルできっと野球の時間だろうと推測しましたが
流石は奥が深いですね~
「職務の不明確さと企業内コーディネーションによる負担」「雇用調整のバッファー確保」「自発的長時間労働者からの負の外部効果」などが出てくるとは・・
『連合』の会長の座狙っていませんか?(笑)

昨日は今年初めてのセミナーで会場を出たのが定時過ぎ。
事務所に帰って後始末をして・・・はぃ!労働時間越えていました。
昨日の今日でこの内容・・・また、ドローンで覗いてましたかぁ~
まぁ、セミナー時はいつもこうですが、それが【オレの仕事だ!】
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