今年の選抜の準決勝で春夏通じて4度の優勝を誇る古豪・高松商高が出場校屈指の強力打線の秀岳館高を延長戦の末、4-2で破り、決勝進出を果たしました。
この2チームですがある意味両極端のチームカラーを持っていると、今頃ですがつくづく思いました。
試合後の監督コメントです。
高松商高長尾健司監督 「打ち合いになると苦しいと思っていた。守り切る野球をしようと心がけた」
秀岳館高鍛冶舎巧監督 「バント練習もしとかなきゃなあ」
基本的には高松商高も打撃のチームです。何とか守備を丁寧にこなし、ミスを少なくしようと心がけ、この試合エラーは2つ記録しましたが、連続して出なかったことで大きな失点には繋がりませんでした。
一方、秀岳館高も練習の大半がバッティング練習のみで、今年に入ってからはほぼバント練習はしなかっただけに、九回の犠打バント失敗が響きました。
守備もバントも高校野球では基本的なこと。
その基本的なことが出来たかどうかが勝敗を分けたと言ってもいいようなコメントです。
高松商高野球部は公立校で地元の生徒たちばかりの野球部。
実は昨年の明治神宮大会で高松商高が話題になった最大の理由は、もちろんその戦績もありますが、参加校中唯一の公立校であることの方が大きかったのです。
選抜でもベスト8で公立校で勝ち残ったのは高松商高と兵庫・明石商高だけです。なお、選抜優勝となると過去20年間で2009年の長崎・清峰高のみです。
そして、高松商高の野球部員は全員地元香川出身であり、学区越えをしていない生徒が大半を占めているそうです。
秀岳館高野球部は熊本県の高校であることは間違いありませんが、ベンチ入りメンバーに熊本出身者はゼロという状態。過去に青森・八戸学院光星高、青森山田高も県外出身者が多いですが、その2校とは大きな違いがあります。
鍛治舎監督はパナソニック野球部監督時代に大阪のボーイズリーグの名門オール枚方ボーイズの監督を兼任して、2013年に史上初の中学硬式野球5冠を達成しています。そして2年前に秀岳館高の監督就任時にその5冠メンバーを根こそぎスカウトしています。チーム丸ごと他県に移籍しています。
関西地区ではリトルシニア、ボーイズリーグといった硬式少年野球が盛んで、中学時代から硬式野球に慣れ親しむ土壌があり、チーム数も多い。選抜ベスト4、私立3校のレギュラーメンバーの内約8割が、それらの出身です。
一方、四国では関西のように中学で硬式野球に触れる環境が少なく、高校で甲子園を目指す中学生たちも大抵、軟式野球で育つ。実際に高松商高の選手の大半が軟式野球出身者です。
どう捉えるかは、人それぞれですから。
ただし、ボールの硬さは違っても、野球は野球です。その根底はやっぱり、同じものだと思います。
どっちが正しいとかはありません。
「自分たちで考えて野球をしなさい。間違ってもいいから自分で決定しなさい」 高松商高長尾健司監督
「自主、自立、自治。台形なのか逆三角形なのか、早く対応しなさい」 秀岳館高鍛冶舎巧監督
※熊本県で地震に遭われた方に、お見舞い申し上げます。
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まっくろくろすけ
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