野球小僧

決して許されるものではありません

どのような理由があるにしろ、決して許されることではありません。

北海道日本ハムファイターズのベテラン選手が「統一選手契約書第17条(模範行為)」違反による出場停止処分を科され、当面の間、一軍、二軍すべての試合に出場停止となることが発表されました。

これは、2021年8月4日に北海道で行われたエキシビションマッチの試合開始前に、当該選手が同僚に対して暴力行為を行ったことが判明。被害があった選手から申し出があり、事実関係を調査している間に試合が始まってしまい、事実が確認できたので1打席だけで交代させ、その場で球場からの退場と自宅謹慎を命じ、以降この件について、この日までこの選手や被害選手、周辺で見ていた選手やスタッフに調査を行い、発表するに至ったということです。

球団はこの件に関して、被害選手から大ごとにしたくないとの申告があったこと、ベテラン選手も深く反省しているものの、統一契約書第17条に違反し、野球協約第60条(1)の規定に該当するものと認定したため、処分となったものです。

野球協約第17条 (模範行為)
選手は野球選手として勤勉誠実に稼働し、最善の健康を保持し、また日本プロフェッショナル野球協約、これに附随する諸規程ならびに球団の諸規則を遵守し、かつ個人行動とフェ アプレイとスポーツマンシップとにおいて日本国民の模範たるべく努力することを誓約する。

プロ野球では、過去に暴力行為によっていろいろと処分が下されたことがあります。

■1961年6月3日 近鉄バファローズ選手
阪急ブレーブス戦の5回裏、ブレーブス側の観客席から英語でのヤジに激怒。一塁側のスタンドに上がり、ヤジの観客を見つけ出すと、突き倒し、スパイクで蹴りも入れた。退場を宣告され、その後、7日間の出場停止と5万円の罰金。これは日本で唯一となるプロ野球選手の観客への暴行事件。

■1989年9月23日 西武ライオンズ選手
千葉ロッテマリーンズ戦の4回裏、デッドボールに激怒。バットを投げつけ、マウンドに突進して、新日本プロレスの田口隆祐選手ばりのヒップアタックを食らわせた。厳重戒告、制裁金30万円、出場停止2日間。

■2002年年4月6日 広島東洋カープ選手
中日ドラゴンズ戦の8回裏ランナー二塁でセンター前にヒットを放ったものの、二塁ランナーは三塁でストップ。これに憤慨し、次のバッターのタイムリーヒットで本塁生還後、ベンチ前で二塁ランナーに「どうして本塁に走らなかったんだ」などと、両手で突き飛ばした。球団は出場選手登録を抹消、10日間の謹慎。

■2019年6月30日 広島東洋カープ監督
横浜DeNAベイスターズ戦の延長11回、カープ選手がポップフライを打ち上げ、その打球をベイスターズ選手が落球。しかし、全力疾走を怠ってあっさりアウト。この怠慢プレーに指揮官は激怒し、試合後、監督室に呼び出し、平手で複数回たたいた。球団からは厳重注意。

ほかにも、私の記憶にある中で、真夏の夜の悪夢というべき、刑事事件にまで発展したものがあります。

■1982年8月31日 阪神タイガースコーチ(2人)
横浜大洋ホエールズ戦7回表、タイガースのバッターが三塁線にフライを打ち上げ、フェアゾーンに打球が落ちた。バウンドした打球は三本塁間のファウルゾーンに転がり出た。この打球を三塁塁審はファウルボールと判定。この判定に対してタイガース三塁ベースコーチが、「打球がフェアゾーンでグラブに触れてからファウルゾーンに出たからフェアの打球だ」と主張して抗議。塁審は打球はグラブに触れていないとしてファウルボールと判定。タイガースは、さらに一塁ベースコーチ、ベンチからのコーチ、さらには選手ほぼ全員が加わり、塁審を取り囲み、2人のコーチが塁審を抑えつけ暴行を加えた。さらに止めに入ったほかの審判に対しても、同様に暴行を加え、両コーチには直ちに退場を宣告。

(写真は現場となった横浜スタジアムです)

神奈川県加賀町警察署は、試合終了後に審判員の3人から事情を聴取し、傷害事件として捜査を始め、審判員のケガは球審が全治2週間、三塁塁審が全治1週間という診断が下される。

9月1日、セントラル・リーグは、世論の硬化と日本野球機構(NPB)コミッショナーの勧告もあって両コーチに無期限出場停止と制裁金10万円の処分。

9月2日に同警察署は両コーチに任意で出頭を求めて取り調べを行う。これを受けてタイガースは2人に10日間活動禁止なる処分を発表。

9月29日に横浜地方検察庁は両コーチを略式起訴し、横浜簡易裁判所は2人に罰金5万円の略式命令を出す。

その後、両コーチが事件について反省の意を示したことや、セ・リーグの意向もあり、1983年3月24日に2人に対する処分が解除され、タイガースはあらためて2人とコーチ契約を行った。

プロ野球ともなれば、世間の注目度も高く、野球をする子どもたちのヒーローでもあります。突発的なことが原因だとしても、決して許されるものではありません。本当にいい大人が、やっていいことと悪い事の区別もつかないのか。また、どうして繰り返されるのか。簡単に復帰できるという体質的なことも要因なのでしょうか。

ちなみに、大相撲においては、暴力行為を行った力士は、その後は引退・廃業などで角界から去って行っています。

今日も、私のブログにお越しいただいてありがとうございます。

今日がみなさんにとって、穏やかで優しい一日になりますように。そして、今日みなさんが、ふと笑顔になる瞬間、笑顔で過ごせるときがありますように。

どうぞ、お元気お過ごしください。また、明日、ここで、お会いしましょう。

コメント一覧

まっくろくろすけ
southandnorthfaceさん、こんばんは。

コメントありがとうございます。

一部でいわれていること(悪ふざけから発展)ならば、もう、何ともいえないですね。

星野さんのドラゴンズ監督時代はいろいろとありますが、本気で相手のことを思って、受けた相手もそのことがわかっていたからでしょうね。

私の中高時代にもいろいろ経験ありますが、自分が悪いと思ったときにはある意味納得性はありました。

野球の技術が上手くなっても、心の技術も向上していきませんといけませんよね。
まっくろくろすけ
eco坊主さん、こんばんは。

コメントありがとうございます。

私はあまり詳しく調べなかったのですが、この4元号勝利は、多くのチームがあったのですね。

さて、当該の選手。限度や成績のこともあり、難しい立場になっているようですね。

球団は案外ドライなところがあるので、なおさらだと思えちゃいます。
southandnorthface
おっしゃる通りです。
暴力はほんとダメだと思います。
そうした暴力に訴えることは相手をひどく傷つけるだけでなく、自らの選手生命を絶つ行為といわざるをえません。
一方で暴力が絶対的な悪なのかどうか判断がむずかしいところもあります。

野球の名将として知られる星野仙一さんは数々の武勇伝を残していて、山本昌さんは50歳までプロ野球選手をつとめられた投手ですが、星野さんから一度に18発も殴られた記録をもつ人でもあります(笑)
そうして鉄拳に鍛えられたからこそ山本さんは50になっても投手を続けられたのではないかと個人的には思っています。
毎日のように選手を殴り、パイプ椅子を壁に突き刺すような暴れる闘将でしたが、そんな星野さんを悪く言う人はいません。そこには熱い思いや愛情のある暴力があったからではないかと感じています。
かなり昔にスクールウォーズというドラマがありましたが、「今からお前たちを殴る!」と言って、ボロ負けした生徒たちを一人ひとり殴るシーンがありましたが、これも名シーンとして語り継がれています。
サッカーでは練習中にボンバーヘッドこと中澤佑二さんが三浦知良さんから髪の毛を掴まれて振り回されたこともあります。
日本代表ラグビーでは南アフリカ戦で勝利したときの最後にトライを決めたヘスケス選手は練習中に熱くなってチームメイトを殴ることもありました。

たしかに暴力を目的とする暴力は悪ですが、真剣になって熱い気持ちになったときに人とぶつかることは当然ではないかと思うこともあります。
eco坊主
言い忘れてました😅🙇

長野県勢の4元号勝利おめでとうございます。
☆;:*:;☆;:*:;☆“Congratulations!”☆;:*:;☆;:*:;☆
( *^_^)∠※☆PON!( o^∇^)/"○┼<~♪~パフ!パフ!パフ!!
eco坊主
おはようございます。

ニュースで名前出ていますね。
風貌がだんだんK氏に似てきていると思うのは私だけでしょうか?
金メダルを取った後ですので野球人気復活に水を差すようなことにならなければいいのですが。

(某市長のような口先だけの反省・謝罪文ではなく)心から猛省して復帰して欲しいものです。
また、被害者選手(多分若手選手?)のケアもお願いしたいものです。


自分にできる事をしっかりやります!
笑顔の生活は戻って来ると信じて!!
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