銭湯の散歩道

神奈川、東京を中心とした銭湯めぐりについて、あれこれ書いていきます。

第二亀の湯(東京・武蔵関)

2025-04-12 07:35:00 | 銭湯
#第二亀の湯




西武新宿線
#武蔵関駅
▲武蔵関駅




▲改札口

▲改札口を出たら右にすすみ

▲外にでたところ

▲少し左に歩くと


▲ドラッグストアーのウエルパークがあるので、その道をまっすぐ進む

▲しばらく住宅街が続くが







▲左に第二亀の湯がみえてくる


▲二階はかつてサウナが設置されていたようだが、いまはジムに貸し出している。左の扉がジムの出入り口だ

▲すべての政党のポスターが張ってあるのはどの銭湯でも見られる光景だが、ここはちょっと異様である


▲先ほどの入り口の手前を左に進むと、亀の湯のコインランドリーがあるが、さらに隣には…

▲テレビでおなじみのアキダイ


▲この日もテレビクルーが待機していた。食品の物価高でなにかと話題になってるのでアキダイをテレビで見たことがある人は多いだろう。見た目は八百屋である


▲到着




靴をあずけて扉をあけると、足下はいきなり傾斜になっていた。緑色の滑り止めカバーが取り付けられている。
外観から変わったところと感じていたけど、入り口からしてちょっと違う。
下に降りると左側のところに受付があり、座っていたのは50代後半から60代ぐらいにかけての女性。
その受付の前をちょうど同じ年代ぐらいの経営者らしき男性が通りかかり、「いらっしゃいませ」と感じの良い挨拶をしてくれる。受付の女性に、「貸しタオルはありますか?」と尋ねると、すかさず手ぶらで来たことを悟った男性が、「シャンプーとか石鹸はこちらにありますので」と声をかけてくれた。受付の女性も「中に備え付けとかありませんので」と見事なコンビネーションで言われたので、30円の使い切り石鹸をいただくことに。貸しタオルは無料だった。
右奥は細長い休憩所になっており、奥にテレビが備え付けられてあった。
女湯は左側で、男湯は右側。


出典:東京銭湯ホームページ引用


出典:東京銭湯ホームページ引用


出典:練馬区浴場組合ホームページ引用
▲ちいさな休憩所


のれんをくぐって中に入ると、目の前にあるのは白い謎の台座。扇風機などが置かれてあった。
浴室に向き直すと、ロッカーは左右に並び、左奥に洗面台がある。面白いのはモップが2つほど立てかけてあり、客が自分たちで床を拭いていた。
浴室の入り口もまた不思議な門構えで、扉の上に三角形の屋根みたいな物が取り付けられてある。よくわからないけど、ちょっとした演出だろうか。


出典:東京銭湯ホームページ引用


出典:東京銭湯ホームページ引用
▲けれん味ある空間だ


浴室の扉をあけると、浴室は横長の空間になっていた。
カランは島カランが2つと、左右の壁にも並ぶが、左側の手前に立ちシャワーが3つ並ぶ。
通常のカランと立ちシャワーは原則的に勢いがあったが、立ちシャワーは真ん中がかなり弱い
通常のカランは、右の島カランの手前側がやたらと勢いがあった。このように一部で安定していない。


出典:東京銭湯ホームページ引用


浴槽は奥に設置されていて、左右に仕切られてある。
左側の湯船は熱湯で深浴槽。
入ってみると45℃前後と熱いが、浸かれないほど熱いわけではない。
右にある浴槽は、その中でも左側がバイブラの浅浴槽、右側が深浴槽になり座湯だった。温度は41℃前後ほど。
建物の外観がかなり目立っていたので中も奇抜なところなのかと思ったが、ギミックらしきものがほとんどなく、かなり単純な作りなので拍子抜けした。ほぼ最低限の設備だった。


いわゆる壁絵はないけれども、富士山の写真が飾られてあった。
興味をひいたのは、注意書き。
いくつも注意書きがあるのだが、その中のお願いに、「雨の日も風の日も暑い日も寒い日もお風呂でホットしてください」と書かれてある。
わざわざプラスチック板に印字されており、考えた本人は会心の思いつきだったのかもしれない。


出典:東京銭湯ホームページ引用


ビル銭湯ということで屋根は低いものの、湯気が充満していることはなかった。浴室の扉が開くたびに寒気が吹き込んで浴室そのものは少し寒いぐらい。ところが体を拭いて脱衣場に入ると、今度は意外と寒くない。ちょうどいい案配で気温を管理していたのだろうか。


客層はやはり高齢者が中心。
開店時間は12時だが、訪れたのは14時頃だった。15時近くになると客足が増え、年齢も若い人が目立ってきた。
上階はジムに貸し出しているので、会員は銭湯にも入ることができるそうだ。なので鍛えられて人たちが大勢いるかと思いきや、太った人たちが多かった。


ここは一度リニューアルしてるらしいが、リニューアルしたとは思えないほど変哲もないところだった。
しかし客足は多く、かなりの人気があった。駅から徒歩5分の近さゆえに便利さもあるだろうが、接客や居心地の良さが人気の理由かもしれない。


【評価チェック箇所】
▼アクセス
最寄り駅 武蔵関
経路 東口からまっすぐ
周辺の環境 商店街、アキダイの隣

●空間演出
建物外観 ビル
壁画・眺望 富士山の写真
統一感 なし
置物 なし
照明 ふつう

★設備
休憩所 ロビー
脱衣所 横長
シャワーの出 ふつう
浴槽の種類 熱湯、バイブラ、座湯
サウナ なし(かつて上階にあった)
温度 41~45℃
棚 あり
男女入れ替え なし

■サービス
接客 誠実
清潔さ きれい
貸しタオル あり(0円)
備え付け なし

◆人
受付 50代の男女
客層 高齢者が中心ながら幅広い


【案内】

住所
〒177-0051
練馬区関町北1−15−7

電話番号
03-3920-3542

アクセス
西武新宿線「武蔵関」駅下車、徒歩3分

休日
月曜

営業時間
12:00-23:00

※東京銭湯ホームページ転載

竹の湯(東京・四ツ木)

2025-04-05 07:11:00 | 銭湯
#竹の湯
2025年3月31日閉店





京成押上線
#四ツ木駅
▲四ツ木駅

▲スカイツリーのある押上から三つ目。ちなみに住所はひらがなの「四つ木」であるが、駅名はカタカナの「四ツ木」。江戸時代は四ツ木で、昭和39年から四つ木表記のようだ

▲そして降りてビックリ!



▲キャプテン翼のラッピングがところ狭しと張られてある


▲階段を降りてもこんな感じ。狂気に近いフルラッピングである


▲キャプテン翼の像。ここ四つ木は原作者である高橋陽一の出身地。それに乗じてなのか駅にとどまらず街のいたるところにキャプテン翼関連がある


▲改札口

▲外にでると

▲目の前にファミマがあるが

▲こんなところにボールがめりこんでいる。もちろんキャプテン翼の世界観をあらわしている


▲改札口をでたら右に進む(左からでもいける)


▲通りにでたら左


▲線路に沿って立石方面に歩き




▲ここで左の高架下を進むのであるが


▲ちょっと奥をみると

▲キャプテン翼の古参にして主人公の相方として有名な石崎了の銅像がある

▲石崎了の実家は銭湯で、石乃湯という名前なのだが、そのモデルとなったのがこれから向かう竹の湯である

▲先ほどの高架下を抜けると


▲そのまま真っ直ぐ進む


▲ここで右折


▲奥に四つ木公園があるが(キャプテン翼と日向小次郎の像がある)


▲その手前の左の道にすすむ


▲古典的な下町の風景である






▲奥の突き当たりにくると


▲右に曲がれば


▲竹の湯の入り口に到着








開店前に到着すると、年配の女性が一人でベンチに座っていた。開店前にしてはかなり早い時間帯。
「写真撮ってるの?」と言われて「そうなんです」と返事をしたら、「各地の銭湯を写真撮ってるの?」とふたたび聞かれて「そうです」と答える。
それをきっかけに世間話をしたのだが、閉店の理由を知ってますか?と尋ねると「引き継ぐ人がいなくて借りてるらしいのよ」とのこと。借りてるというのがよく分からず、「借地なんですか?」と聞くが詳しくは知らない様子で、「人から聞いた話だからどこまで本当か分からないじゃない」という。おっしゃる通り。
下町の女性らしくざっくばらんとした話しぶりで、色々と楽しかった。
ちなみに「ここは温まるのよ」と太鼓判を押していた。わざわざ自宅から20分かけて歩いて来ているらしく、よほど竹の湯が好きだったのだろう。
再び訪問したときは16時頃だったが、おなじベンチで帰り支度をしている最中だった。「早いですね」と言うと「毎日入ってるわよ」と返事。次はどこに通っているのだろうか。


靴をあずけて中に入ると、すぐ目の前が奥行きのある小さな休憩所で、右にフロントがある。
座るのは恰幅が良い、白髪の80代ぐらいの男性。
「こんにちは」と挨拶して「貸しタオルありますか?」と聞くと「え?」と聞き返される。こういう時にあった試しがない。
「買い取ってもらうタオルならあります」ということで、購入することに。この手のタオルには基本的に使い切りのシャンプーなどもついているが、フェイスタオルだけだった。ただ、浴室に備え付けがあるので問題なし。
女湯は左側で、男湯は右側。


出典:東京銭湯ホームページ引用


脱衣場は、昔ながらの作りであるが、やや横長で島のロッカーが2つ横に並び、手前の壁沿いにもある。
左には坪庭と縁側があるが、かなり殺風景な様子。縁側に立つと奥のマンションから丸見えである。





浴室に入ると閉店を前日に控えてなのか、かなり人で溢れていた。
浴室の全体をみると、島カランがふたつ。ただし左が一面鏡に対して、右は鏡が個別に一つひとつ付いてる。
右の島カランは後ろがなにもついていないので、そのためか。


出典:東京銭湯ホームページ引用


左右の壁にもカランが並ぶが、右壁がメインで左壁は手前にサウナがあるので数が少ない。カランの出は勢いがあり使いやすかった。
立ちシャワーは左手前に2つ。簡易的な仕切りで、こちらも良好。


出典:東京銭湯ホームページ引用


左の手前側に、今時にしては珍しく追加料金なしのサウナがある。
入り口横には座るときに使う尻敷きパッドが置いてあるが、浴室の入り横にも尻敷きパッドがあった。それらは私物なので使わないで下さいと書いてある。私物の尻敷きパッドが置いてあるところは、後にも先にもここしか見たことがない。
サウナの中はかなり小さく、6人が入ればみっちり。そのみっちり状態がずっと続いていた。そのために常に中を覗く人が続出。誰か一人抜けるとすかさず誰かがすぐに埋めていた。
温度かなり低めで、90℃あるかないかぐらい。長期戦になるので、それだけみんなしぶとく入っていたのだろう。


湯船は浴室の奥にあって、3つに分かれている。
左にあるのは水風呂で深浴槽仕様。バイブラらしきものもあり、水温は20℃ぐらいとぬるめ。
真ん中は浅浴槽で、水まくらがあったが冷たくなかった。
最後の右が深浴槽の座湯。
真ん中が43℃ぐらいで、深浴槽が44℃ぐらい。右は気持ち高め程度だ。


出典:葛飾銭湯ホームページ引用


これで終わらず露天風呂もあった。
浴室の左に扉があるのだが、外にでると目の前は外気浴のスペースになっていて、小さなイスが3つ並ぶ。
右にやや大きめの露天風呂。といっても詰めれば5人は入れるだろうが、通常なら3人ぐらいか。
温度は41℃前後とゆるめで誰もが入れる温度だった。ここも人気らしくひっきりなしに人が出入りしていた。


出典:東京銭湯ホームページ引用


出典:葛飾銭湯ホームページ引用


このようにコンパクトながら設備が充実していたので回遊性が高く、気が付けばけっこう長居していた。人が溢れていたのはそのせいもあったかもしれない。


壁絵はペンキ絵で富士山を描いていたが、ここが面白いのは下側部分にかかれてあったことだ。通常だと、上の部分ににかかれてあるので、基本的に仰ぎ見る形になるが、竹の湯に限れば湯船に入ると目の前にペンキ絵がある。
ペンキ捌きなどがじっくりと近くに見ることが出来たので、かなり珍しい。
天井は水色に塗られて、湯気抜きは高く、古典的な宮作りの風景。
客層は高齢者ばかりではなく、外国人がいたり、サウナハットを被ってる若い人がいたり、幅広い人たちから支持された銭湯のようだった。


ところで興味深いのは、これだけ街ぐるみでキャプテン翼の人気にあやかっているのに、キャプテン翼のモデルとなった竹の湯には、そのような関連したものがまったく見られなかった。
ふつうは興味がなくても集客に利用しようとするものであるが、そこには頼りたくない矜持があったのか。
勝手な推測だけど、本来の仕事をきちんとしていれば客はちゃんと来るという信念があったのかも。
事実、かなりの客が集まり、多くの人たちから支持された銭湯だった。
これだけ人気がありながら閉店となってしまうのは残念であるが、経営者の高齢化と後継者不足の問題はどの銭湯も抱える問題である。これからは今まで以上に多くの銭湯の閉店を見届けることになるだろう。


【評価チェック箇所】
▼アクセス
最寄り駅 四ツ木
経路 四つ木公園の裏手まで行く
周辺の環境 四つ木公園、住宅

●空間演出
建物外観 昔ながらの作り
壁画・眺望 富士山のペンキ絵
統一感 あり
置物 なし
照明 ふつう

★設備
休憩所 きれい
脱衣所 広め
シャワーの出 勢いがある
浴槽の種類 水風呂、バイブラ、座湯、露天風呂
サウナ あり
温度 41~43℃
棚 なし
男女入れ替え なし

■サービス
接客 ふつう
清潔さ ふつう
貸しタオル なし(購入120円)
備え付け あり(入り口手前にまとめて置かれてあった)

◆人
受付 80代男性
客層 高齢者がメインながら若い人も


【案内】

住所
〒124-0011
葛飾区四つ木1−16−10

電話番号
03-3697-5317

アクセス京成押上線「四ツ木」駅下車、徒歩3分

休日
水曜

営業時間
15:15~23:30

※東京銭湯ホームページ転載

高輪ゲートウェイシティのまちびらき

2025-04-04 06:42:00 | 日記





2025年3月27日。品川駅の隣にある高輪ゲートウェイシティでまちびらきがおこなわれた。
オフィスビルなのにまちびらき?と疑問に思うが、シティを名乗ってるので街を作ってるのだろう。


▲高輪ゲートウェイ駅。電車が来るためび仰々しいファンファーレが鳴って、JRの気合いの入れようを感じる

山手線の主要駅と比べると閑散しているものの、それでも4年前に比べたら、だいぶ増えた。前に訪れたときは本当になにもないところだった


2020年9月頃を振り返ると…


▲基礎工場中で

▲見通しが良く




▲地上には、なぞのテントが点在しているだけだった


▲2020年8月の写真。ほとんど人がいなかった。1日の乗降客は1万人にも満たない。横浜線でも最下位に近い水準




▲寂しい記憶しか残ってなかった


2025年3月30日に戻る


▲無駄にデカい(維持費がかかる)駅。乗降客が少ないのに立派な駅を先に作る方針は今も昔も変わらない

▲改札口をでると

▲開放感ある空間が広がる


▲見上げれば、いつの間にか巨大なビルが建っていたという感覚



▲箱物はスゴいけど、なんだか寂しい雰囲気も…

▲それもそのはずで、まちびらきと言っても、玄関口を開いただけ。開業したお店はカフェばかり。気軽に食べられるお店は皆無だ

▲さっそく奇抜な物が置かれてあった



▲現代美術なんだろうか。なにを意図してるのかよく分からない

▲ここはいい未来への玄関口。山手線で初めてゲートウェイという横文字が使われたのも、未来志向の再開発を見込んでのことだったのだろう





▲奥に進めば階段があるが


▲真ん中は大きな段差になっていて、木材部分が座れるようになっている

▲随所に創意工夫が感じられる

▲お店がほとんどないので、かり出されたキッチンカーに人が群がっていた

▲おしゃれなカフェテラス

▲開業したコーヒー屋さんを覗いてみると…

▲ブルーボトルコーヒーだった


▲スタバと双璧をなす、おしゃれイメージを発信してるところである


▲テレビが取材中だった

▲まだ開発途中で、本格的に開業するのは2026年春という話だが、現地では2025年秋ともアナウンス。たぶん順次オープンしていく算段なのだろう


▲外壁越しで撮った写真

▲未来予想図。アニメやゲームにでてきそうなデザインだ。架空や空想の世界を現実世界に落とし込むのが未来都市への指標になってる気もする

▲こんな乗り物もあった

iinoという自動走行モビリティ。最高時速は人が歩くよりも遅いので、自分の性格だとイライラして降りちゃうかも


今回の高輪ゲートウェイシティによるまちびらきは、プレゼンス(存在感)を発信するための予告編であり、幕が開いてもいない。
とはいえ、期待感を込めてなのか大勢の人でにぎわっていた。
当面は、キッチンカーの食べ物や各地域の特産品を買うぐらいしか出来ないけれども、ようやく高輪ゲートウェイに行く目的が出来始めてきた。
東京はこんなに商業施設を作る意味があるのか? とぶっちゃけ疑問に感じなくもないが、選択肢が広がることは素直に嬉しいし、未来の先取りを標榜する場所がどんな姿を見せてくれるのかこれから楽しみでもある。
ついでにいえば、未来の銭湯も作ってくれれば最高だ。

電気湯(東京・京成曳舟)

2025-03-29 08:06:00 | 銭湯
#電気湯




京成本線
#京成曳舟駅
▲京成曳舟駅

▲スカイツリーがある押上の隣にある


▲東改札口を降りて

▲改札口をでたらすぐ右の出口にむかう(右に見えてるのが東改札口)

▲降りると目の前にOK曳舟店がある

▲左にむかう

▲そのまま真っ直ぐだが

▲道がかなり曲がりくねっている

▲不自然な曲がりぐあい

▲かつて川だったところだろうか




▲奥に八広中央通りがみえてくるので

八広中央通りの横断歩道を渡ると

▲ひだりに電気湯がみえてくる



▲開店前のシャッター。ひよこの絵柄がかわいい




▲開店5分前になると常連客たちがゾロゾロと集まってくる

時間になると客たちが力をあわせて勝手にシャッターを開けていた



▲到着

▲電池を回収するボックス


▲中の入り口


我先へとなだれ込む客たち。それを後ろで眺めながら落ちついた頃を見計らうと、中に入った。
下駄箱を正面にしてひだりが入り口。
奥に休憩所の畳敷きがあり、将棋盤が置かれていた。電気湯だけに交流がある場所なのだろう。
入り口からみて左に券売機がある。
券売機に千円札を投入すると、すぐに戻ってきた。お札の表裏を入れ替えて入れ直そうとすると、後ろから「新札は入らないんです」との声。
振り返ると受付に座るのは、10代後半ぐらいのかなり若い女性が座っていた。ボーイッシュな髪型で、ぱっと見男の子にも見えなくはない。今時の流行とは無縁の髪型だ。
「それでは、崩してください」と新札を出してお願いすると、旧札の千円札を渡された。
入浴料は550円で、貸しタオル(フェイスタオル)は100円。
受付にチケットを出すと、「タオルは返却する時に、券売機の横にあるカゴに入れてください」と言われる。
明らかに一見さんとわかるので「ここは下駄箱の鍵とロッカーの鍵を交換してます」と教えてくれた。下駄箱の鍵を渡してロッカーの鍵を受け取る。
「ごゆっくりです」(たしかこんな言い方だと思ったが、記憶があいまい)と案内される。
男湯は左側で、女湯は右側。


のれんをくぐると、脱衣場はほぼ真四角で広々としている。真ん中には畳のテーブルがあり、洗面所は右端。手前の場所にととのい用の椅子が並ぶ。
トイレは左奥にあるが、扉をあけると奥にも通路があって、こちらはボイラー室につながる道のようだ。トイレは左の扉をあけてくださいと案内されていた。やはり和式トイレだった。
脱衣場は音楽が流れ、入った直後は中島みゆきの地上の星が響いていた。


出典:東京銭湯ホームページ引用
▲こちらは昔の写真だろう。今と若干雰囲気が異なる


浴室の扉は2つあり、その真ん中に棚が置かれてある。
中に入ると、浴室自体は昔ながらの典型的な作り。真ん中に島カランと、左右の壁にカランが並ぶ。
右手前には立ちシャワーが2つある。簡素な仕切り板で作られ、シャワーはハンドシャワーだが、珍しくホースが金属製だった。なので使っていると壁のタイルにぶつかって金属音が鳴る。
左の手前には、サウナ。この時は利用しなかったのだが、中を覗くと6人前後ぐらいの広さだった。別料金は400円と少し値段が高いと感じた。
サウナの横に、ほぼ真四角の水風呂がある。角が丸くなっていて群青色のタイルが張られてあった。
詰めれば4人が入れるだろうが、たぶん密着することになるので実質2人ぐらい。水温は20℃ぐらいとふつうの温度だった。


出典:東京銭湯ホームページ引用
▲カランの勢いはふつう。立ちシャワーは使いやすかった


湯船は浴室の奥にあり、おおざっぱにみると左右に分かれている。
左から見ていくと、最初は浅浴槽で左端に湧出口がある。すこし大きめでここに体をピッタリ寄せて浴びている人がいた。真ん中はバイブラ。
真ん中部分には座湯が2つある。
左の浅浴槽と繋がっており、温度は43℃ぐらいか。低温の湯船と表記されていたが、決して低くはない。
右が深浴槽で、こちらは熱湯と表記されてなかったものの、動物の絵柄を使って(なんの動物か不明)、あつい湯なので水をうめないでね、という趣旨が書かれてあった。
温度は44℃ぐらいとそんなに熱くはなく、全部が似たような温度だ。


客層は入った直後だと高齢者ばかりだったのだが、途中から二十代か三十代ぐらいの人がちらほら入ってきた。
客同志はそんなに活発に会話をしてる感じはなかったが、一部の人たちが盛り上がっていた。


壁絵は赤富士のペンキ絵。
と思いきや、中島盛夫さんが描いた赤富士なのだが、平成26年に制作した赤富士の絵をプリントしたもの。ペンキ絵にしてはずいぶんと状態が良いなと違和感があったが、近づいて見てなるほどと思った。
注目すべきは、休憩所から脱衣場、浴室にいたるまで満遍なく写真が張られてあったことだ。写真家の作品を紹介したもので、全国津々浦々の日常に溶け込んだ面白いものを撮影している。
なぜ飾ってあるのかわからないが、文化的なイベントを取り入れるのは最近の銭湯にみられる傾向である。
地ビールを用意してあるのも若い店主の銭湯あるあるである。ここも例に漏れず一般に売られてない缶ビールの広告があった。700円と表記され、入浴料より値段が高い。


建物自体はかなり古く、昭和の遺構みたいなところである。ちなみに名前が電気湯なのは、創業当時(大正11年創業)に新しいエネルギーである電気を使って沸かしていたことから由来するらしい。今となっては電気で湯船を沸かすところなんてないけれども(たぶんコスト面で相当高くなると思う)。
このように歴史をたどることができてレトロ感が満載である。とくに浴室内のデザインがいかにも昭和後期に見られる感性にあふれている。
天井はくすみ気味な水色、黄色、緑色がストライプ模様で描かれ、壁タイルも白地に青いストライプが全体を覆っている。
一方で、古いからといって老朽化した雰囲気を感じさせないのがすごい。きれいに磨かれ、メンテナンスを怠っていないのが一目瞭然だった。
多くの人たちでにぎわっていたけれども、受付の良さだったり清掃をきちんとするなど、基本を怠らない大切さを再認識させてくれる銭湯だった。


【評価チェック箇所】
▼アクセス
最寄り駅 京成曳舟
経路 まがりくねった道をそのまま
周辺の環境 住宅

●空間演出
建物外観 古いビル型
壁画・眺望 赤富士の絵のプリント
統一感 あり
置物 なし
照明 ふつう

★設備
休憩所 畳敷き
脱衣所 広い
シャワーの出 ふつう
浴槽の種類 バイブラ、座湯
サウナ あり
温度 43~45℃
棚 あり
男女入れ替え なし

■サービス
接客 丁寧
清潔さ きれい
貸しタオル あり(100円)
備え付け あり

◆人
受付 10代後半の女性
客層 高齢者がメイン


【案内】

住所
〒131-0046
墨田区京島3−10−10

電話番号
03-3610-8998

アクセス
京成押上線「京成曳舟」駅下車、徒歩5分

休日
土曜

営業時間15:00−24:00(最終受付23:30)
日曜は8:00−12:00も営業

※東京銭湯ホームページ転載

ゆ家和ごころ 吉の湯(東京・永福町)

2025-03-22 06:54:00 | 銭湯
#ゆ家和ごころ 吉の湯




京王井の頭線
#永福町
▲永福町駅

▲改札口

 
▲この駅は屋上に公園がある

▲新宿方面を眺める

▲降りるのは北口

▲大勝軒がある方面にすすみ

▲奥の隣にミニストップがあるが

▲そのミニストップのひだりにある道をひたすら進む


▲道のりが長いので途中は割愛。駅周辺はおしゃれな飲食店が多い

▲住宅街が続く

▲一度十字路を直進し(この道を右に進んでもいい)

▲その先の右にファミマがあり

▲ファミマに沿って右に進む

▲その先に横断歩道があるので

▲左の横断歩道をわたる

▲すると大宮八幡宮の案内がみえる

▲そのまま直進すると

▲左に大宮八幡宮がある。これを通り過ぎて

▲川を渡り、和田堀公園を過ぎて(和田堀公園の画像も省略)

▲和田堀公園を過ぎたら坂道を上る

▲松の木中学校を横切り

▲再びファミマが出現する

▲ファミマに沿って左折する

▲住宅街を歩き

▲最初の十字路かあったら右に進む

▲ちょっと歩けば

▲右側に吉の湯がみえてくる

▲歩いて30分もかかった。健脚以外、バスで来ることをお勧めする




▲到着


扉をあけて中に入ると、真ん中には消毒液があった。いまでもコロナ対策が続いているようだ。
奥へと進むと、左側に券売機が設置されている。入浴料は550円で、サウナ込みだと1000円!だった。
サウナの追加料金は当然にしても、合計で1000円は強気に感じた。使い切りのシャンプーとボディソープは無料で配ってると書いてある。
自販機の右隣は受付で、やはりシートで覆われていた。やりとりのするところだけ空いている。
座るのは20代ぐらいの男性。
「貸しタオルありますか?」と尋ねると、「自販機でお願いします」と言われる。フェイスタオルの100円を購入。チケットを渡そうとすると、すでにバスタオルが用意されていた。受付の男性はフェイスタオルのチケットを見るなり、「フェイスタオルか」と残念そうにひとりごちていた。フェイスタオルは持ち帰られるようにビニールに入っていた。
受付では下駄箱の鍵を出すように言われて、ロッカーの鍵と交換する。
受付の右対面のところが休憩所になっており、すべての椅子が正面に並べられてあった。これも感染対策だろうか。まるで講演会の会場のようだ。
壁沿いに自販機があり、アイスや飲み物を買うことができる。
右側が男湯で、左側が女湯だった。


出典:東京銭湯ホームページ引用
▲玄関の入り口


出典:東京銭湯ホームページ引用
▲休憩所は写真とだいぶ異なる


のれんをくぐると脱衣場はすこし複雑な形をしていて、ロッカーが壁に沿いに設置され、左側に洗面台がある。
トイレは多目的トイレだったり、外気浴のスペースが設置されてあったり、設備がかなりしっかりしている。おのずと浴室への期待感が高まる。


出典:東京銭湯ホームページ引用


浴室の扉をあけると、最初の印象は普通の銭湯かな?という感じ。
壁全体に沿ってカランが並び、立ちシャワーは手前の左側に2つと奥の右側にも2つ。ハンドシャワーと固定シャワーに分かれていた。
通常のカランは、やや古いタイプのカランで、一部ボタボタのシャワーになっていた。湯量は多くていいが、ボタボタだとやはり使いにくい。


出典:東京銭湯ホームページ引用


真ん中の奥にある湯船は、先端がカマボコのように丸くなっていて、奥は長方形である。
湯船に入ってみると左壁のところに電気風呂があった。威力はふつう。
奥にはジェット関連が並び、左がショルダージェット、真ん中がボディジェット、右がミドルジェットだった。
ショルダージェットはその名の通り上半身を湯船に傾けると、微妙ではあるがギリギリ肩にぶつかる。
真ん中のボディジェットはそのまんまだが、勢いがそこそこあった。最後の右にあるミドルジェットは、やはり中程度の威力。腰あたりに当たるようになっている。些細ではあるけど、いくつもの仕掛けがあった。
温度は41℃ほどと長湯するにはもってこいの温度だ。


右奥に目を向けると、露天風呂への入り口がある。
二重扉になっていて、最初に目に飛び込んでくるのは、つぼ湯だ。一般の銭湯でつぼ湯があるのはかなり珍しい。
2つ並び、温度は42℃ぐらい。最初は少し熱いと感じた。
露天風呂の眺めは住宅街の中にあるのにかなり開けている。
天井は格子になっていて、湯船のある部分だけすだれがかかっていた。
つぼ湯の奥にはサウナがある。今回は迷ったあげくにパスしたが、中を覗けば10人ぐらいは入れそうな広さだった。たしかに高い料金を取るだけはある。ちなみに2時間の制限が設けられていた。


出典:東京銭湯ホームページ引用
▲写真でみると高級感があるが、実際はかなり古くてくすんだ印象


露天風呂の手前側には水風呂。
水風呂も広くて、4~5人ぐらいは入れそうな広さだ。水温はさほど冷たくなくて、せいぜい18℃ぐらいだろうか。
一年で一番寒い時期に来たのにこれだと、夏はかなりぬるいかも。あるいは冬だからあえてチラーを使ってなかったか(チラーがあるかどうか知らないけど…)。


最後の左側のところに高濃度炭酸泉がある。温度は39℃ほどと冬場からするとやや足りない感じもするが、入っていて寒くはなかった。
炭酸の濃度はスーパー銭湯と比べて微妙だが、まずまず。4人前後が入れる広さだった。
全体の広さは一般の銭湯と比べてけっこう広めで、休憩用の椅子が横と奥に合計で6つほどあった。
残念だったのは、水はけが悪いので椅子の足下に水たまりができていたことだ。衛生的に問題がある。


出典:東京銭湯ホームページ引用


出典:東京銭湯ホームページ引用


客層は、幅広く年代が偏ってる感じはしなかった。平日に訪れたせいか分からないが混雑しておらず、ゆったりと過ごすことができた。
壁絵などは一切なく、最初から最後まで完全にミニスーパー銭湯だった。
銭湯料金だけで考えるとかなりコストパフォーマンスが高いところである。
設備自体は古さがあり、いまのデザイナーズ銭湯と比べると前時代的なところがあるが、大半の人が満足できるのではないだろうか。
悔やまれるのはどこからアクセスしても遠く、歩くと30分。バスを使っても18分。待ち時間などを考えると徒歩とあまり変わらない。
サウナ込みで1000円を払うとなると、これなら近場のスーパー銭湯が選択肢として考えられるし、なんとも微妙な心証が残る銭湯だった。


【評価チェック箇所】
▼アクセス
最寄り駅 永福町
経路 北へ進む
周辺の環境 住宅

●空間演出
建物外観 自宅兼銭湯
壁画・眺望 なし
統一感 あり
置物 なし
照明 明るい

★設備
休憩所 ロビー
脱衣所 ちょっと複雑
シャワーの出 勢いがある
浴槽の種類 電気風呂、ジェット関連、坪湯、炭酸泉、水風呂
サウナ あり
温度 38~42℃
棚 あり
男女入れ替え なし

■サービス
接客 ふつう
清潔さ ふつう
貸しタオル あり(フェイスタオルは100円)
備え付け 使い切りをもらえる

◆人
受付 20代の男性
客層 幅広い年齢層


【案内】

住所
〒166-0015
杉並区成田東1−14−7

電話番号
03-3315-1766

アクセス
京王井の頭線「永福町」駅よりバス。「松ノ木住宅」下車、徒歩5分

休日
月曜

営業時間
13:30−22:00(最終入場21:30)
土曜・日曜は8:00~11:00も営業

※東京銭湯ホームページ転載