平成最後の選抜は平成最初に優勝した、愛知・東邦高が30年ぶり5度目の選抜優勝となり、1989年の平成元年にも優勝しており、平成の最初と最後で頂点に立つというドラマチックな結末となりました。
東邦高は大黒柱のプロ注目右腕・石川昂弥選手が初回に2ランホームランなどで幸先良く3点を先制します。5回裏には、石川選手がこの日2本目となるホームランを放ち、リードを広げます。投げては、先発・石川選手が9回3安打無失点で完封し、安定感たっぷりの戦いを続けました。千葉・習志野高は、選抜初優勝と千葉県勢初優勝とはなりませんでした。
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東邦高は平成最初の1989年の選抜には、山田喜久夫さん(元;中日ドラゴンズ)を擁し、平成最初の大会に出場しました。
山田さんは初戦の大分・別府羽室台高を3安打完封(6-0)。二回戦でも兵庫・報徳学園高を2安打に封じ(3-0)、2試合連続完封。準々決勝は大阪・近大付高に延長10回サヨナラ勝ち(3x-2)。準決勝も京都・京都西高に4-2で勝利。山田さんが一人で投げ続け、僅差の展開で勝ち上がってきました。
決勝の相手は、スター軍団で優勝候補の呼び声が高かった大阪・上宮高。超高校級スラッガーであり、アイドル的な人気を集めた元木大介さん(現;読売ジャイアンツコーチ)を筆頭に、種田仁さん(元;中日ドラゴンズ)、小野寺在二郎さん(元;ロッテオリオンズ)、宮田正直さん(元;福岡ダイエーホークス)など、後にプロ入りする選手がずらりと並んでいます。
決勝戦は両先発ピッチャーが譲らず、1-1のまま延長戦に突入します。
10回表に上宮高が1点を勝ち越し、その裏の東邦高は2アウトランナーなしと追い込まれます。しかし、ここから驚異の粘りで、ランナー一・二塁。三番バッターのタイムリーヒットで同点に追いつくと、上宮高守備陣は二塁をオーバーランした一塁ランナーを挟もうと挟殺プレーに持ち込みますが、サードの二塁への送球が乱れ、カバーに入っていたライトも処理できず、ボールが外野を転々としている間に一塁ランナーが生還し、劇的なサヨナラ勝ちとなりました。
あれから30年。平成の選抜史の最初のページと最後のページに名前を書き記した東邦高でした。そして、令和の時代の最初のページにはどの高校名が書き記されるのでしょう。
なお、大会本部は応援団の最優秀賞に21世紀枠で初出場した徳島・富岡西高が選ばれました。また、優秀賞には千葉・習志野高、神奈川・桐蔭学園高、愛知・東邦高、大阪・履正社高、鳥取・米子東高が選ばれました。