今年も全国高校野球選手権大会、「夏の甲子園」の季節がやって来ました。組み合わせ抽選も終わり、大会が始まれば、あまり野球に関心がなくても、毎日TVや新聞などで甲子園のニュースが大きく取り上げられます。真夏の国民行事が始まります。
■第1日 8月6日(木) 一回戦
第一試合 鹿児島実高(鹿児島) / 学校創立100周年 vs. 北海高(南北海道) / 36度目出場は全国最多
第二試合 岐阜城北高(岐阜) / 機動力が武器 vs. 中京大中京高(愛知) / ライバル倒し5年ぶり
第三試合 宮崎日大高(宮崎) / 元プロOBの榊原聡一郎監督就任1年目 vs. 上田西高(長野) / 延長戦制し2度目の聖地
■第2日 8月7日(金) 一回戦
第一試合 花巻東高(岩手) / エース高橋はプロ注目vs.専大松戸高(千葉) / 悲願の初出場
第二試合 霞ケ浦高(茨城) / エース綾部はプロ注目 vs. 広島新庄高(広島) / 三度目の正直で夏初出場
第三試合 九州国際大付高(福岡) / 元プロ楠城監督 vs. 鳴門高(徳島) / 4連覇
第四試合 東海大甲府高(山梨) / 成長2年生エース vs. 静岡高(静岡) / 前評判通りの強さで3季連続
■第3日 8月8日(土) 一回戦
第一試合 早稲田実高(西東京) / 清宮フィーバー、甲子園へ vs. 今治西高(愛媛) / 春夏連続出場
第二試合 敦賀気比高(福井) / 春夏連覇目指す vs. 明徳義塾高(高知) / 九回再逆転で6連覇
第三試合 大阪偕星高(大阪) / 大阪桐蔭倒し初出場 vs. 比叡山高(滋賀) / ノーシードから甲子園
第四試合 下関商高(山口) / 20年ぶり古豪復活 vs. 白樺学園高(北北海道) / 逆境乗り越え4年ぶり
■第4日 8月9日(日) 一回戦
第一試合 津商高(三重) / 九回大逆転で初甲子園 vs. 智弁和歌山高(和歌山) / 3バントスクイズ決めて優勝
第二試合 天理高(奈良) / 船曳外野手はプロ注目 vs. 創成館高(長崎) / 初勝利目指す
第三試合 滝川二高(兵庫) / OBにサッカー日本代表岡崎慎司 vs. 中越高(新潟) / 日本文理倒し12年ぶり
第四試合 明豊高(大分) / 校歌は南こうせつ作曲 vs. 仙台育英高(宮城) / エース佐藤が復活気配
■第5日 8月10日(月) 一回戦
第一試合 健大高崎高(群馬) / 柘植捕手はプロ注目vs. 藤井学園寒川高(香川) / 決勝戦で20得点
第二試合 岡山学芸館高(岡山) / 劇的な逆転勝ちで夏初出場 vs. 鳥羽高(京都) / 前進の京都二中は第1回大会優勝校
二回戦
第三試合 龍谷高(佐賀) / 延長戦制し20年ぶり vs. 秋田商高(秋田) / 左腕エース成田は169cmのドクターK
■第6日 8月11日(火) 二回戦
第一試合 鳥取城北高(鳥取) / 平常心が合言葉 vs. 鶴岡東高(山形) / エース福谷はフラミンゴ投法
第二試合 関東一高(東東京) / オコエに注目 vs. 高岡商高(富山) / ここぞで好守
第三試合 石見智翠館高(島根) / OBに中日谷繁兼任監督 vs. 興南高(沖縄) / 2010年春夏連覇以来
第四試合 三沢商高(青森) / 決勝劇的サヨナラ vs. 花咲徳栄高(埼玉) / 昨夏の初戦敗退から復活
■第7日 8月12日(水) 二回戦
第一試合 東海大相模高(神奈川) / 横浜に快勝し2年連続 vs. 聖光学院高(福島) / 戦後最長の9連覇
第二試合 遊学館高(石川) / 高本捕手は強肩強打 vs. 九州学院高(熊本) / 一年生村上は打率4割超
第三試合 作新学院高(栃木) / 5連覇達成 vs. 第1日勝者から抽選で決定
1998年の夏。この年は後にプロ野球で活躍することになる選手が多く、松坂大輔選手(現・福岡ソフトバンクホークス)を中心にした「松坂世代」と呼ばれるようになる年代でした。ライバルは皆、松坂選手を、横浜高を倒そうと全力でぶつかりました。
この大会での松坂選手は準々決勝までの三試合を1失点、二試合連続完封で勝ち上がって来ました。準々決勝では大阪・PL学園高と延長十七回の激戦を繰り広げ、250球の熱投の末、PL学園高を振り切って準決勝へと進みました。当時の試合後インタビューでは「明日は投げません」と答えていました。
その言葉どおりに、準決勝の試合開始時のマウンドには松坂選手の姿はありませんでした。四番レフトでの出場でした。
試合は高知・明徳義塾高に一方的な試合展開で八回表を終わって0-6と横浜高は苦しい状況でした。八回裏に横浜高が反撃し、松坂選手自身のタイムリーヒットなどで、2点差に追い上げます。
自らホームにも還ってベンチに戻った松坂選手。ブルペンで右腕を保護していたテープに手をかける姿がTVに映しだされます。
「アッ!松坂がテープを剥がします。行くんでしょうか? 昨日250球を投げた松坂大輔がキャッチボールを始めました。甲子園がどよめきます」
当時、NHKで実況を担当していたアナウンサーは、この時のことをこう表現しています。
「松坂の一挙手一投足の実況を始める。こんなことは初めてだ。サナギが成虫になるような、ハヤタ隊員がウルトラマンに変身する瞬間のような、放送席まで聞こえるはずのない、テープをはがすバリバリという音が確かに聞こえた。闘志が沸くと言うか、力がみなぎると言うか、奇妙な感動を覚えゾクゾクし、気づいたら涙が頬を伝っていた」
甲子園に「マツザカコール」が沸き起こり、九回のマウンドへ松坂選手が向かいます。
甲子園を味方に付けた松坂選手。横浜高は九回裏に3点を挙げて逆転サヨナラ勝ちしました試合でした。
「平成の怪物」と呼ばれた松坂大輔選手。30歳という一番脂が乗っていく時期に、右ヒジを故障しました。
この1998年の甲子園で成し遂げた春夏連覇、延長十七回、準決勝の登板、決勝でのノーヒットノーラン。
当時の松坂選手を含めて、すべての高校球児にとって、やっぱり甲子園は特別なものだと思います。
そこへの切符を手にすることが出来たからには、ここで高校野球で野球人生を終わりにしてもいいと思っている選手もいると思います。近年、ピッチャーの投げ過ぎ問題などが取り沙汰されますが、一生に一度のチャンスかもしれない選手にとって、“今”しかないのも事実だと思います。
初出場校や失礼ながらあまり注目度の高くない高校が,甲子園常連の強豪校に勝ったりします。
もうダメかなと思えるような、諦めてしまいそうな点差でも信じられないような追い上げや逆転劇が生まれることもあります。
2桁台の背番号の大きい選手が一球にして、ヒーローにとなることがあります。
まだまだ、数えきれない物語があります。
今年は、どんな筋書きのない“今”を日本列島を感動させるのでしょうか。
(上記の横浜高戦の放送終了後、隣に座っていた解説の方に「『おのちゃん、今日は涙流して、鼻水たらして、机を叩いてたよ!』」と優しくからかわれた)そうです)
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