主に春に強い学校を「春将軍」「春の○○」「桜の○○」と呼ぶことがあります。愛知・東邦高(旧東邦商)、愛工大名電高(旧; 名古屋電工高→名古屋電気高)、岐阜・大垣日大高、広島・広陵高(旧広陵中)などです。
選抜大会と選手権大会両方の甲子園出場経験のある高校の中で、選抜出場のみという高校は2016年夏現在、兵庫・三田学園高、福岡・博多工高がそれぞれ4度、春の選抜大会に出場しているが夏の選手権出場なしという記録(?)を持っています。
同じく、選抜大会4回出場の東京・二松学舎大付高は選抜準優勝の経験がありながら、選手権大会は東京大会・東東京大会の決勝で10回敗れていましたが、2014年にようやく初出場。同じく東京の国士舘高は2005年に選手権大会初出場を果たすまで、選抜大会は7回出場し、選手権大会の未出場校では最多でした。
和歌山・海南高(旧海南中、選抜14回・選手権4回)や大阪・上宮高(選抜8回・選手権1回)、履正社高(選抜6回・選手権3回、選抜9勝・選手権1勝)のように、春の出場回数の方が極端に多い学校は多数存在します。他にも神奈川・東海大相模高は、2000、2011年の選抜大会で優勝しているほかに1992年に準優勝、1995年、2005年、2006年にベスト8以上の好成績を残しているものの、夏の選手権大会は1977年の次の出場が2010年(準優勝)というように選抜偏重です。
選抜大会と選手権大会の両方に出場経験はあるものの、勝利しているのは選抜大会だけという高校も存在し、香川・丸亀城西高(旧丸亀商)、兵庫・県尼崎l高は選抜大会で7勝していますが、選手権大会の勝利はありません。北海道・北照高は選抜5回出場、ベスト8を2回経験していますが、選手権大会の勝利はありません。
なお、和歌山・向陽高(旧海草中)は出場回数は選抜15回・選手権7回と倍の差がありますが、勝利数は選抜7勝・選手権14勝と逆転しています。理由は選手権大会は1929年に準優勝、1939年・1940年と連覇を達成しているが、選抜はベスト8が最高となっているからです。ちなみに、履正社高も選抜9勝・選手権1勝と選抜に強いです。
東邦高は甲子園通算70勝のうち約4分の3の51勝が春の勝利で、選抜大会優勝が4回(最多回数)、準優勝が2回あるが、夏は優勝経験はなく、準優勝が1回のみです。愛工大名電高は甲子園通算20勝のうち16勝が選抜大会の勝利で、2004年準優勝、2005年優勝と好成績を残していますが、選手権大会は1981年に3勝(ベスト4)、1988年に1勝を挙げた以降、平成に入ってから8度の出場もすべて初戦敗退です。
大垣日大高は選抜大会は2007年、2010年、2011年に出場していますが、夏の出場は2007年の次が2013年です。なお、1967年~2004年夏までの東邦高と2005年春からの大垣日大高は阪口慶三監督が率いています(浪速の春団治?)。
また、広陵高は選抜大会3回の優勝がありますが、選手権大会は準優勝3回で優勝はまだありません。なお、選手権大会は40年周期ぴったりで準優勝していますので、次にみられるのは2047年ということになります。
選抜大会で優勝した年の夏の選抜大会で優勝することを春夏連覇と言います。春夏連覇や夏春連覇をすると、優勝校には2つの優勝旗が同時期に置かれることになります。
【選抜-選手権連覇】
これまでに春夏連覇を達成したのは7校。
1962年 第34回 第44回 作新学院高(栃木)
1966年 第38回 第48回 中京商高(愛知)
1979年 第51回 第61回 箕島高(和歌山)
1987年 第59回 第69回 PL学園高(大阪)
1998年 第70回 第80回 横浜高(神奈川)
2010年 第82回 第92回 興南高(沖縄)
2012年 第84回 第94回 大阪桐蔭高(大阪)
【選抜優勝-選手権 決勝戦敗退】
選抜で優勝したものの、選手権は決勝で敗れたのは3校。
1932年 第9回 松山商(愛媛) 1-0 明石中(兵庫)
1933年 第18回 松山商(愛媛) 3-4 中京商(愛知)
1963年 第35回 下関商高(山口) 10-0 北海高(北海道)
1964年 第45回 下関商高(山口) 1-2 明星(大阪)
2004年 第76回 済美高(愛媛) 6-5 愛工大名電高(愛知)
2005年 第86回 駒大苫小牧(南北海道) 10-13 愛工大名電高(関東)
【選抜-選手権-選抜 3季連続優勝】
現在、達成した高校はなし。上記7校の翌年選抜の成績は下記のとおり。
1963年 第35回 作新学院高(栃木) 不出場
1967年 第39回 中京商高(愛知) 不出場
1980年 第52回 箕島高(和歌山) 不出場
1988年 第60回 PL学園高(大阪) 不出場
1999年 第71回 横浜高(神奈川) 一回戦敗退 vs. PL学園高(大阪) 5-6
2011年 第83回 興南高(沖縄) 不出場
2013年 第85回 大阪桐蔭高(大阪) 三回戦敗退 vs. 県岐阜商高(岐阜) 4-5
【選抜連覇】
これまでに選抜連覇を達成したのは2校。
1929年 第6回 第一神港商(兵庫)
1930年 第7回 第一神港商(兵庫)
1981年 第53回 PL学園高(大阪)
1982年 第54回 PL学園高(大阪)
【選抜優勝-翌年選抜 決勝戦敗退】
選抜で優勝、翌年の選抜決勝戦で敗れたのは6校。
1924年 第1回 高松商(四国) 2-0 早稲田実(東京)
1925年 第2回 高松商(四国) 2-3 松山商(四国)
1926年 第3回 広陵中(中国) 7-0 松本商(北信越)
1927年 第4回 広陵中(中国) 3-8 和歌山中(近畿)
1927年 第4回 和歌山中(近畿) 8-3 広陵中(中国)
1928年 第5回 和歌山中(近畿) 1-2 関西学院中(近畿)
1951年 第23回 鳴門高(四国) 3-2 鳴尾高(近畿)
1952年 第24回 鳴尾高(近畿) 0-2 静岡商高(東海)
1960年 第32回 高松商高(四国) 2-1 米子東高(中国)
1961年 第33回 高松商高(四国) 0-4 法政二高(関東)
1971年 第43回 日大三高(関東) 2-0 大鉄高(近畿)
1972年 第44回 日大三高(関東) 0-5 日大櫻丘(関東)