週刊少年ジャンプ 2013年3月25日号 No.15 価格:¥ 240(税込) 発売日:2013 |
週刊少年ジャンプを買うのは久しぶりです。というか基本買いません。
というのも読むのは今では「こち亀」くらいですし、単行本派でもありますので。
今回、なぜ買ったかといのは、今週号のストーリーが2ちゃんねるで有名なコピペの「パクり」だというのが話題になったからなのです。まさかと思いますが、単行本に収録されることがなかった場合に備えて、読んでおこうということです(そんなことはないでしょうけど)。
ネタバレになりますので、以下はネタバレでもいい方だけお読みください。
勘吉の”また従妹”の檸檬(れもん)が二歳のころ、幼稚園受験のために学習塾に通っていました(二歳で学習塾というのは凄いことです)。
成績一位が美咲鈴(みさきりん)で二位が檸檬だった。
ある日の試験中に檸檬がバケツの水を鈴の頭からかけてしまう事件が発生した。
そのため、水をかけた檸檬は学習塾を辞めさせられることになる。
檸檬は水をかけた理由を先生や親には言わなかった。
その後、鈴は先生に事情を先生に打ち明けた。
それは、あの日は満点を取らなくてはいけないというプレッシャーのため、緊張のあまり、お漏らしをしてしまっていた。
これを見た檸檬はバケツの水をかけて、鈴を水浸しにしてお漏らしを隠してあげた。
という話です。
これと似たような話が2ちゃんねるに掲載されていたというのです。
でも、実は、このコピペ自体にも元ネタがあるという話だそうです。
それは江戸時代の第14代将軍徳川家茂さんについて、明治時代に書かれた戸川残花の「幕末小史」という書物に書かれています。
家茂さんはたった20年の生涯でしたが、勝海舟さんから「若さゆえに時代に翻弄されたが、もう少し長く生きていれば、英邁な君主として名を残したかもしれない。武勇にも優れていた人物であった」と評価されているという将軍です。
書の達人として知られた戸川安清さんという幕臣がいた。
70歳を過ぎた老人でしたが、家茂さんの習字の先生を務めていた。
ある日、家茂さんに教えていたとき、突然、家茂さんが墨を摺るための水を安清さんの頭の上からかけ、手を打って笑い、「あとは明日にしよう」と言ってその場を出て行ってしまった。
その場にいた側近らは「悪戯が過ぎる」とたしなめたが、水をかけられた当の安清さんは泣いていた。
側近らが家茂さんの振る舞いを情けなく思ってのことかと尋ねると、老齢のため、ふとしたはずみで失禁してしまったのだと言う。
当時、将軍の前で粗相があれば、当然厳罰ものである。
それを察した家茂さんは水をかけ、その失敗を隠し、「明日にしよう」とした不問にしたのである。
安清さんは、その配慮に感激して泣いているのだと答えたという。
なお、この戸川残花さんは戸川安清さんの親戚だという。
元ネタがどうこうということよりも、自分が同じような場面に遭遇した時に、こういう機転の利いた行動が実際できるか。
そして、その境遇となった相手を守ってあげられるか。
自分の子どもが同じようなことをした(された)時、もし、事情を知らずにいたならば、どういう態度になるのか。
どういうことをするのか。
実際にいろいろ考えさせられる一話であります。