以前買ってあって、ほとんど読んでいませんでしたが、ようやく要点だけを読みました。
このタイトルに魅かれて(同じく魅かれたことがあるのは「野球には流れはない」工藤公康です)買ったのですが、何しろ数字には弱いものでしたので・・・
セイバーメトリクスとは野球を数値データから客観的に分析し、統計学観点から評価や戦略を研究手法です。
日本ではあまり普及はしていませんが、メジャーでは広く取り入れられています。
本題の「1点差の9回裏ノーアウト1塁でバントをすべきか?」の話です。
野球のセオリーとしてはアウトカウントを増やしてでも、送りバントで一塁ランナーを得点圏(二塁)に進めたいと考えます。
ところが、統計学的観点からは次のようになるそうです。
■後攻チームが九回裏に1点差で負けていて、ノーアウトランナー一塁
32.1% → 28.4%
つまり、送りバントを成功させた場合には、結果的に勝利確率は4%低くなるのです。
これが誤差の範囲と考えたとしても、バントをしてもしなくても同じ結果だと考えられますが、やっぱり4%という数字は野球の中では大きいと考えます(打率で考えればよく判ります)。
でも、ここには数字だけでは評価できないもの、打順とかの要素もあると思いますので、一概には言えません。
そもそも、ランナーを得点圏内に送るのと、送らないのとでは相手に与えるプレシャーも違うでしょうし。
そもそも、送りバントも強攻策(ヒッティング)も、ランナーを送れないリスクと最悪の場合にはタブルプレーの可能性はあります。となると、よりランナーを確実に送れる可能性がるバントでアウトカウントが増えてもランナーを二塁に進めたいと考えるのが通常の思考でしょう。
ちなみに、送りバントをしてランナーを絶対に進めた方が、勝利確率が高くなるパターンもあるそうです。
■同点時の九回裏ノーアウトランナー二塁
78.3% → 79.1%
なお、ノーアウトランナー一塁の得点確率は41.2%。2アウトランナーなしでは6.5%。1アウトランナー二塁では40.5%。
つまり、数字上では送りバントは勝利には直結しないという話です。
あくまでも、この本の中での結論ですから。
また、バッターと次のバッターの力量や相手ピッチャーのこともありますし、データーがそうなっていたとしても、監督の立場では難しいでしょうね。
でも、こうやって考えたり、データー分析してみると必ずしもセオリーが絶対と言うこともありません。
思い込みだってありますので、データ分析することで、何かを変えられることだってあると考えます。