凡事徹底 (ぼんじてってい)
なんでもないような当たり前のことを徹底的に行うこと、または、当たり前のことを極めて他人の追随を許さないことなどを意味する。
当たり前のことを極めるということは、他の人には真似できないほど一生懸命やるということでもあるのですよね。
さて、先日の練習試合後の話。
この夏の甲子園に初出場、初勝利をした群馬県の前橋育英高の荒井監督について、書かれていた記事がありましたので、それを引用させていただきました。
その前に、前橋育英高の荒井監督は日大藤沢高校三年時、神奈川県大会で前人未到の二試合連続ノーヒットノーランという大記録を持っています。神奈川県の高校野球の歴史には他にこの記録はありません。
ただし、エースナンバーではなかったそうです。
当時のエースナンバーは一学年下の現中日ドラゴンズ山本昌であって、荒井監督はチームの初戦やシード校との対戦では登板機会がなかったまま、高校野球生活が終わったそうです。
卒業後は社会人のいすゞ自動車へと進んだものの、三年で野手へコンバート。実際は「これで結果が出なかったらクビ」と宣告されていたそうです。
足が速いわけでもなく、肩が強い訳でもない。平凡な自分が競争の中で打ち勝っていくためには、反復練習しかないと信じ、ただひたすら素振りに明け暮れたとのことです。
さて、そんな荒井監督ですが、母校の日大藤沢高校監督、前橋育英高校コーチを経て、監督に就任したのが12年前の2001年。全国的有名なサッカー部に続いて、野球部の強化も本格化した頃で、当時は関西や関東から越境入学してくる選手もいたそうですが、「地元に愛されるチームになる」ことに重きを置き、群馬県内の選手だけでも勝てるチームづくりをしたそうです。
そして座右の銘である「凡事徹底」をスローガンに掲げ、大きな決まりごとを3つ徹底したそうです。
① ボールがバットに当たったら、打った瞬間に「間に合わない」と思うようなゴロでも、簡単に捕球されそうなフライでも、必ず全力疾走すること。
② キャッチボールを丁寧に、1球1球を何となく投げるのではなく、心を込めて、どこに、どうやって投げるかを重視すること。
③ ミスをしたらそれで終わりではなく、ミスをした後に何ができるかを探して判断し、ミスをただのミスで終わらせないこと。
これって、基本的なことなんですよね。実際に強くなるためには、こんな綺麗ごとではなく、技術的にももっといい決め事があってもいいはずです。
実際に良いチームだと言われながらも甲子園出場ができないまま、時が過ぎ、「こんなやり方でいいのか」と叱責されることもあったそうです。
勝っている時には評価される「当たり前」のことがおろそかになり、勝てないと「もっと特別なことをすべきではないか」と非難されるのは世の常なんですが。
それでも、「すぐに結果が出ないと当たり前のことすらやめてしまおうとするけれど、少しずつの成果でもいいから、続けること。それが一番大事なことだと思って、ここまでずっとやってきました」と言います。
このことは、自分自身の経験からきているそうです。
地味でも当たり前のことを当たり前に・・・です。