第101回全国高等学校野球選手権の大会第8日目は二回戦4試合が行われました。
■第1試合
履正社高は2回裏、2アウト一・二塁から清水選手のタイムリーヒットで先制に成功。続く3回には、野口選手、野上選手、桃谷選手にタイムリーヒットが飛び出し、リードを広げた。投げては、先発・清水選手が9回3失点完投。敗れた津田学園高は、チャンスであと1本が出ず、春夏つうじて初の三回戦進出はなりませんでした。
津田学園000011010|3
履正社 01500100x|7
■第2試合
星稜高は2回表、東海林選手のタイムリーヒットで先制。2-0とリードを広げ迎えた6回表には、福本選手と岡田選手の連続タイムリーヒットでさらにリードを広げた。投げては、今大会初登板の先発・荻原選手が5回無失点の好投もあり、星稜高が三回戦進出を決めました。敗れた立命館宇治高は、6回裏に3連打で3点を返すも及びませんでした。
星稜 010103010|6
立命館宇治000003000|3
■第3試合
智弁和歌山高は0-1とリードされた7回表、細川選手、根来選手、東妻選手に1イニング3本のホームランなど7点を挙げ、逆転。投げては、先発・矢田選手が5回1失点。その後は、池田選手が4回無失点の好救援を見せ、智弁和歌山高が逆転勝利しました。敗れた明徳義塾高は、打線が4安打1得点と振るわず、三回戦進出はなりませんでした。
智弁和歌山000000700|7
明徳義塾 000010000|1
■第4試合
敦賀気比高は1回表、木下選手と野道選手のタイムリーヒットで3点を先制。続く2回表に杉田選手と木下選手の連続タイムリーヒットで3点を加えると、その後も攻撃の手を緩めず、終わってみれば22安打で19得点を挙げました。この試合で、杉田選手は大会史上6人目のサイクルヒットを達成しています。敗れた国学院久我山高は、投打ともに振るいませんでした。
敦賀気比 332020405|19
国学院久我山200000001|3
立命館宇治高。一回戦の勝利は夏は3回目の出場で甲子園での初勝利でした。
硬式野球部の里井祥吾監督はパン作りが家業。「パン作りは発酵や焼く作業など時間がかかる。育てて『待つ』という部分が、教えたことをできるまで『待つ』という野球の指導と似ている」という信念で教え子を導いてきました。
また、初戦の試合前日だった8月6日。練習場から選手らを乗せたバスが宿舎に帰る途中、里井監督の実家に立ち寄り、差し入れでタマゴサンドとウインナーパンが差し入れられたそうです。実は、選手は今まで「食べてみたい」と言い出せず、今回が初めてだったとのことです。
さて、一回戦ではコンクール参加のため吹奏楽部の応援は出来ませんでした。しかし、二回戦から応援団に加わりました。
同校の吹奏楽部は今回の甲子園出場前に、地元・京都府宇治市のアニメ制作会社「京都アニメーション」が、同市を舞台に高校の吹奏楽部の青春を描いた「響け!ユーフォニアム」の主題歌「DREAM SOLISTER」を応援曲に採用することにしていました。
これは、京都アニメーションでの事件の悲しみが癒えない中、7月28日に立命館宇治高が京都国際高に勝ち、37年ぶり3回目となる夏の甲子園行きを決めると、地元住民から「甲子園の応援で京アニの曲を演奏して、ファンや関係者らを励ましてあげてほしい」と学校へ提案があったものです。
吹奏楽部は「響け!ユーフォニアム」の他の曲を演奏したことがあり、部員も賛同したことから、コンクール前ではあるものの1時間早く集まり、練習を行ってきました。顧問の深江雅彦先生は「京都府代表ならではの恩返しだと思った。応援という形で京アニの曲を聴いてほしい」と話していましす。
また、この主題歌を歌うTRUE(唐沢美帆)さんは「言葉にならないくらい嬉しいです。立命館宇治高校野球部の皆さん、応援しています。頑張って下さい…!!!」と応援のメッセージを送っていました。
立命館宇治高は、6回裏に星稜高エースの奥川選手からもタイムリーヒットを放つなど反撃しましたが、星稜高の前に惜しくも敗退。
しかし、系列の立命館宇治中学も含めた吹奏楽部員約80人が陣取り、満を持して主題歌を同社やファンの傷ついた心を応援する思いを込めて演奏していたと思います。この一戦は、選手だけでなく、グラウンド内外、多くの人を元気づける一戦だったでしょう。