以前読んだ本に「監督ミーティング」という本があります。最近、またこれを読み返しています。
いわゆる「野村本」と言われる野村克也元監督に関する本です。
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野村の授業 人生を変える「監督ミーティング」 (日文新書 59) 価格:¥ 780(税込) 発売日:2010-11-27 |
野村元監督のミーティングは基本的に「野球人」としてでなく「人生観」がベースになっています。
「考え続けること」を説き続けた監督ミーティングであったという。
野球選手がどう生きていくかを野球の戦術に留まらず、生き方までもアドバイスする、講義だったそうです。
本書で印象に残ったことは2つあります。
「変化すること」
人はやり慣れた方法を続けるのはどうしても楽です。だから、よっぽどのことがない限り保守的になります。
でも、同じことをやっていれば、同じ結果しか出ない可能性は高いですよね。弱いままで何も変えていくことをしなければ、結局弱いまま。だから、進歩するためには変化することが重要であるという指摘は当たり前のことです。
人にしても、企業にしても世の中に対応して変化しなければ生き残っていけないのですから。
「組織はリーダーの力以上には伸びない」
ある意味組織のリーダーはメンバーの到達点でもあります(反面教師もいますが)。
特にスポーツでの現場リーダーはプレーヤーでもあります。技術的なもの以外にも人間力などの要素も必要です。そんな中で、レベルが低いようでは全員が同じようなレベルで満足してしまいます。だから、そんな低いレベルのリーダーがいる組織は伸びないのです。
野村元監督の野球はID野球とも言われ、データを重視しています。この本の中では
「データを元にした根拠があるから、それが例えマイナスに働いた場合でもそれはミスでは無い」
と言っています。プラスになるだけが結果ではありません。仕事にも応用できる考え方です。
失敗したから責める、怒るそんな場面が多すぎる。
その前にその行動をとる確固たる根拠が無いと人は育ちません。
この本の中で橋上元ヘッドコーチが野村元監督に「理想的な参謀は誰でしたか?」と聞いています。
その回答は「しいて言えば尾花」だったそうです。
尾花さんという答えの意味として「名参謀とは各種データを処理していることは勿論のこと、それを基に自分の意見を的確に上司にぶつけることが出来る男」のことらしいです。
なるほど。
全体的にもうなずける内容のことがいろいろとある本です。
個人的には、こうやってすぐ近くで野村野球を観ていた、跡継ぎとも考えられる橋上元ヘッドコーチが、今どこにも所属していないことは残念だと思っています。