野球小僧

インフィールドフライ

4日のマツダスタジアムで行われた広島東洋カープ対読売ジャイアンツ戦で、インフィールドフライによる珍プレーがありました。
既にスポーツニュースなどで取り上げられていて、ご存じの方も多いと思います。

2-2の同点の九回裏1アウト満塁の場面。
カープの代打の切り札・小窪選手の打球はホームベース周辺のフライ。
この場面で二塁塁審と三塁塁審はインフィールドフライを宣告。ここで、バッターが自動的にアウトになって2アウト。
しかし、ジャイアンツのファースト・フランシスコ選手、サード・村田選手が打球をお見合いし、ボールを直接捕球出来ず。

相手野手が捕球しなかったのを見た三塁ランナー代走・野間選手は「主審が何も言っていなかったので、落ちたから走った」と、インフィールドフライではなく通常の打球と判断。
ハーフウェーからホームへ向かいました。
グラウンドに落ちたボールをフランシスコ選手が拾い、そのままホームベースを踏んだ後、野間選手がホームベースを踏みました。

この野間選手のホームインによりカープがサヨナラ勝ちという結果でした。

要するに、インフィールドフライでアウトになったのはバッターランナーの小窪選手。
ここで、他のランナーは封殺とはならず(次の塁へ進まなくてもいい)、三塁ランナーの野間選手をアウトにするにはタッチプレーが必要だった場面なのです。

遡ること24年前の1991年6月5日の横浜大洋ホエールズ(現; 横浜DeNAベイスターズ)対広島東洋カープ戦で同じ場面がありました。
2-2の同点で迎えた九回裏1アウト満塁の場面。ホエールズのバッター清水選手がホームベース付近のフライを打ち上げ、球審が「インフィールドフライ(ベースライン付近の場合には「イフ・フェア」を付けます(もしもフェアならインフィールドフライ、という意味))」を宣告。
カープのキャッチャー・達川選手は、このフライを直接捕球せず、ワンバウンドしたボールをフェアグラウンド上で捕球して、ホームベースを踏んでファーストに送球。
この間に三塁ランナーのホエールズ・山崎選手がホームベースを踏むと、球審は両手を横に広げ、セーフのジェスチャー。そして、右手を上げて、試合終了を宣告。

そもそも、インフィールドフライとは「ノーアウトまたは1アウト」で「ランナー一・二塁または満塁」のときにバッターが打ち上げたフェアのフライ。
この打球に対して審判が「内野手(内野に位置する野手)が普通の守備行為を行えば捕球できる」と判断したものを、インフィールドフライと言います。インフィールドフライと判断した審判員は上空を指差し「インフィールドフライ・イフ・フェア」とコールを行い、続いてアウトのジェスチャーとともに「バッターアウト」とコールします。このインフィールドフライのコールはどの審判が行ってもよく、この時点でバッターランナーはアウトとなり、塁上のランナーは進塁義務がなくなるのです。

早い話が「インフィールドフライ=バッターランナーはアウト」というルールです。
これは守備側が簡単にダブルプレーを取れる可能性を防ぐのが目的です。
ただし、実際に確定するのは打球が捕球されるかフェアボールと確定した時になります。

ただし、ボールがファウルゾーンで野手が触れて落球した場合、野手に触れずにファウルゾーンに直接落下した、内野に落ちたあとファウルゾーンに転がった場合など、ファウルボールになれば「インフィールドフライ」は取り消しになります。
もちろん、審判がインフィールドフライだと判断しなかった場合にはインフィールドフライにはならず、一人でも宣告すればインフィールドフライになります。

インフィールドフライが捕球された場合は、通常のプレー続行と同じですので、プレーヤーも審判も何も気にすることはありません。
インフィールドフライが捕球されなかった場合(意図的であっても、なくても)、バッターランナーはアウトになっており、すべてのランナーは進塁義務はなくなり、フライが捕らえられていないので、進塁する場合にもリタッチの義務はありません。ただし、離塁している時に、ボールを持った野手にタッチされるとアウトになってしまいます。

MLBでの判りやすい動画があったので、紹介しておきます。



さて2012年7月に行われた第94回全国高校野球選手権神奈川県大会一回戦 日大藤沢高対武相高での出来事は、上記2つのプロ野球でのインフィールドフライとは違う結末でした。

2-2の同点で迎えた九回裏1アウト満塁。日大藤沢高のバッターがショートフライを打ち上げ、インフィールドフライが宣言されます。
この時点でバッターランナーはアウト。
そして武相高のショートが捕球。ここでショートがボールを持ちながらマウンドへ歩き、ピッチャーにボールを渡します。
この間に日大藤沢高の三塁ランナーが三塁ベースにリタッチしホームベースを踏んで、日大藤沢高がサヨナラ勝ちとなりました(記録は三塁ランナーのホームスチール)。

ここで問題となったのは、上でも触れた「インフィールドフライが捕球された場合は、通常のプレー続行と同じですので、プレーヤーも審判も何も気にすることはありません」ということ。

守備側の武相高はボールインプレーではなく、自動的に(?)タイムがかかったと勘違いしていた感じだったことです。
あくまでも、「通常のプレーの続行」なのですよね。

この三試合に共通して言える教訓があります。
「2-2の同点で、1アウト満塁でのインフィールドフライには気を付けること」 

コメント一覧

まっくろくろすけ
eco坊主さん、こんばんは。
ある意味、審判泣かせのインフィールドフライ。
プレーヤーが捕球すればいいのですが、取れなかった時には審判は混乱しちゃいます。

特に学童野球の場合ですが、プロも同じですね。

ランナーもボーンヘッドと好走塁の紙一重。
判っているのか、いないのかは不明ですが、なんとなく・・・
eco坊主
おはようございます。
ご無沙汰してしまいました。

さてこのインフィールドフライ(以下IFF)はややこしいですよね。
草野球当時は主審だけがコールできると思っていました・・・
審判ならだれでもできたのですね!?

鯉vs兎の場合は村田かフランシスコが落とさなければ何も無かったのですからそれが一番よくなかったです。
でも今回は主審(野間・村田・フランシスコが見える)は宣告していないしアウトコールまでしていますから審判の問題もありますよね。主審がコールしていたら・・・これが4連敗のハシリですからorz

majorの動画のランナーはタッチプレーというのは知っていたのでしょうけど、主審がIFFをコールしているのに何故落球時にあの位置にいたのでしょうかね~
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