野球小僧

永遠の謎となった試合

夏の甲子園で秋田県勢103年ぶりに決勝進出し、準優勝となった秋田・金足農高と北大阪・大阪桐蔭高との決勝戦の秋田地区の視聴率が計測されていないそうです。

決勝はNHKと秋田朝日放送の2局が中継しましたが、その視聴率は永遠に謎のままとなりました。

 秋田朝日放送によると、秋田地区の視聴率調査は「その月の第1月曜から2週間」という期間で行われているそうです。つまり、8月は6日~19日の間だけ計測され、20日に金足農高が西東京・日大三高を下した準決勝(NHK総合)、21日の決勝戦はそもそも調査されていなかったそうです。

 秋田県内では18日の準々決勝でのサヨナラ2ランスクイズの滋賀・近江高戦(NHK総合)の平均視聴率はなんと53.8%、瞬間最高は66.0%という、年末の紅白歌合戦並みの数字だっただけに、決勝ではさらなる高い数字が予想されながらのまさかの展開となりました。

 特に秋田朝日放送は決勝を中継するのは初めてだっただけに、担当者は「めちゃくちゃ残念です」と落胆しており、「局内でも『100年に1回の出来事』と沸いていたので、数字という形で残しておきたかった」と無念さだけが残ったようです。

 しかし、金足農高の頑張りで局内は活気にあふれたそうです。同局のTwitter担当が快進撃に「アアアアアア」などと取り乱したツイートは日本中に拡散しました。「つぶやいた本人もビックリしていましたが、こんなにバズる(注目される)と誰も思っていなかったので、改めてすごいことが起こっているんだと感じさせられました」と同局担当者は言っています。ちなみに同局Twitterはこの日午前「すったげ(とても)甲子園ロスだけど仕事します…!」と秋田弁を交えツイートしていました。金足農の軌跡をたどる特番などの制作の可能性については「いま検討しております」とのことです。

 深紅の優勝旗の白河の関越えは東北の悲願。白河関がある福島県の放送局・KFB福島放送がツイッターで「白河の関を全開放しておきます!東北の夢託します!」と期待を寄せたことも話題になりました。その福島県では決勝戦のNHK中継が平均34.6%(最高瞬間40.9%)、仙台地区でも平均27.8%(最高瞬間32.5%)を記録し、東北の夢を示す数字となりました。

 なお、8月21日の決勝のNHK関東地区の平均視聴率は20.3%(瞬間最高24.0%)で、平日の午後にもかかわらず20%を超えました。また、過去10年の夏の甲子園中継でトップの数字です。

2000年以降の決勝では、西東京・早稲田実高・斎藤佑樹選手(北海道日本ハムファイターズ)と南北海道・駒大苫小牧・田中将大選手(ニューヨーク・ヤンキース)が対戦した2006年(延長15回引き分け:29.1%、翌日の再試合が23.8%)などに次ぐ数字となりました。

関西地区は15.9%(ABCテレビは13.1%)、仙台地区は27.8%でした。ちなみに昨年の決勝の埼玉・花咲徳栄高 vs. 広島・広陵高は17.1%(関東地区)でした。

 ちなみに、今までの高視聴率ベスト5は次のとおりです。

1978年8月20日 第60回決勝 大阪・PL学園高 vs. 高知・高知商高
 12:55 - 15:25 関東地区48.0% NHK(14:20~15:25の後半に限定すると平均50.8%)

1975年8月24日 第57回決勝 千葉・習志野高 vs. 愛媛・新居浜商高
 13:00 - 16:15 関東地区45.3% NHK

1983年8月21日 第65回決勝 大阪・PL学園高 vs. 神奈川・横浜商
 13:00 - 15:20 関東地区44.4% NHK

1980年8月22日 第62回決勝 神奈川・横浜 vs. 西東京・早稲田実業高
 12:00 - 15:40 関東地区39.9% NHK

1976年8月21日 第58回決勝 西東京・桜美林高 vs. 大阪・PL学園高
 12:55 - 16:13 関東地区39.3% NHK

しかし、実は瞬間視聴率(だと思う)が80%というとてつもない数字をたたき出した試合がありました。

選抜高等学校野球大会決勝の神奈川・明訓高 vs. 高知・土佐丸高です。

この試合は明訓高のエース里中が右ヒジが限界で思いどおりの投球が出来ず、山田は土佐丸高の秘密兵器・犬神のトリッキーな投球に完全に抑え込まれ、4-3のまま9回裏の明訓高の攻撃の山田の打席の時になんと、瞬間視聴率80%を記録するのです。

なお、この試合は土佐丸高に追い詰められた中で9回裏に同点に追いつき、12回裏のサヨナラ勝ちまでのプレーの間に山田、里中、岩鬼、殿馬の回想シーンが描かれている回です。

岩鬼正美、育ての親との別れ
山田太郎、少年時代の大事故
里中智、投手はあきらめろと言われた中学時代
殿馬一人、出られなかったコンクール

それはともかく、甲子園ではありませんけど、広い範囲でもありませんけど、現実的に視聴率80%を記録した試合があるのです。

1978年7月28日 第60回全国高等学校野球選手権記念大会 和歌山大会決勝 箕島高 vs. 吉備高
 有田市域80%、吉備町域67.5%

1978年の第60回大会は、1県1代表制に移行した初年の大会です。和歌山県は奈良県の代表と戦う紀和大会が終わり、県内各校は強豪・箕島高を倒して、甲子園に出場しようと燃えていました。なかでも箕島高と同じ有田地方の吉備高(現;有田中央高)は、「打倒箕島」の強い思いを抱いて、猛練習に励んでいました。しかし、箕島高の壁は厚く、何度もはねかえされました。1976年は準決勝で、1977年は初戦で。

そして、箕島高とともに、選抜大会に出場した1978年の第60回大会では、和歌山大会の決勝で相まみえましたが、0-5で敗れてしまいました。


コメント一覧

まっくろくろすけ
eco坊主さん、こんばんは。
8月のラジオでの高校野球聴取率は首都圏で5%くらいだったそうです。これがすごいのかどうかは、まったくわかりませんが。

うーん、明訓の高視聴率は弁慶高戦だと思っていたのですが、違いましたね(あの試合は甲子園球場6万人)。

ちなみに、プロ野球では1994年10月8日 中日ドラゴンズ vs. 読売ジャイアンツ(10.8決戦)で、関東地区48.8%、関西地区40.3%、名古屋地区54.0%です。

今では、この2チームは何をやってるのですかね。

eco坊主
おはようございます。

遂に視聴率までリサーチされましたか・・
それも明訓vs土佐丸まで!!(笑)

正直言って私は視聴率という数字を懐疑的に捉えている輩ですので朝ドラ・大河・紅白・月9・新番組で報じられる数字は「まっ、いいじゃん」と思ってしまうのですよね~(笑)

私のように(仕事移動中に)ラジヲを聴いていた聴取率はいかほどだったのでしょうかねー!?
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