来春に行われる第91回選抜高等学校野球大会の21世紀枠推薦校の全46校が出揃いました。
推薦校は各都道府県連盟から1校ずつ選ばれ、2018年12月14日に東北、関東･東京、東海、北信越、近畿、中国、四国、九州の各地区で1校に絞られ、北海道と合わせた9校が最終的な候補校として発表されます。その後、2019年1月25日に行われる出場校選考委員会で、この中から3校が21世紀枠として選出されます。
今秋季の秋田県大会を制した秋田修英高や同宮城県大会で準優勝した県古川高、奈良県大会準優勝の県立橿原高、鳥取県大会準優勝の米子東高などが推薦校に入っています。21世紀枠は原則として、秋季都道府県大会ベスト16(加盟校129校以上の場合はベスト32)以上の高校が対象になります。少数部員や困難な環境の克服、学業との両立などを基準に選ばれます。
成績は秋季都府県大会のものです。
北海道 ―
青森 県立八戸工業高 ベスト4
岩手 県立千厩高 ベスト8
秋田 秋田修英高 優勝
山形 県立酒田東高 ベスト16
宮城 県古川高 準優勝
福島 県立磐城高 ベスト8
茨城 県立石岡第一高 ベスト4
栃木 県立今市工業高 ベスト8
群馬 県立伊勢崎清明高 ベスト8
埼玉 県立松山高 ベスト16
山梨 県立甲府城西高 ベスト4
千葉 県立佐倉高 ベスト16
東京 東亜学園高 ベスト4
神奈川 市立横浜商業高 ベスト8
長野 県飯山高 ベスト8
新潟 県立新潟南高 準優勝
富山 県立富山東高 ベスト4
石川 県立小松商業高 ベスト4
福井 県立金津高 準優勝
静岡 市立清水桜が丘高 準優勝
愛知 県立西尾東高 ベスト4
岐阜 県立岐阜高 ベスト8
三重 県立木本高 ベスト8
滋賀 県立高島高 ベスト8
京都 府立京都すばる高 ベスト8
奈良 県立橿原高 準優勝
和歌山 県立南部高 ベスト4
大阪 府立八尾高 ベスト16
兵庫 市立六甲アイランド高 ベスト8
岡山 県立勝山高 ベスト16
鳥取 県立米子東高 準優勝
広島 県立大竹高 ベスト16
島根 県立平田高 準優勝
山口 県立萩商工高 ベスト8
香川 県立志度高 準優勝
愛媛 県立新居浜西高 ベスト16
徳島 県立富岡西高 ベスト4
高知 県立高知工業高 ベスト8
福岡 県立鞍手高 ベスト16
佐賀 県立鹿島高 ベスト8
長崎 鎮西学院高 ベスト8
熊本 県立熊本西高 準優勝
大分 県立津久見高 ベスト4
宮崎 県立都城西高 ベスト8
鹿児島 県立川内高 ベスト8
沖縄 県立普天間高 ベスト8
注目されているのは、長嶋茂雄さん(読売ジャイアンツ終身名誉監督)の母校として知られている、千葉県立佐倉高です。千葉県内屈指の進学校であり、今秋の千葉県大会はベスト16に入っています。ちなみに、甲子園には春夏通じて出場したことはありません。
ちなみに、長嶋さんは県内トップの進学校で甲子園出場経験もある千葉県立千葉高への入学も考えたそうですが、地元の佐倉高に進学しました。二年生から四番を担い、高校時代はほぼ無名でした。公式戦でのホームランは高校最後の南関東大会に千葉代表校として出場を果たした、一回戦、熊谷高(埼玉県)との試合でした。バックスクリーン下の芝生への鋭いライナー性のホームランでした。この特大ホームランにより長嶋さんは注目を集めることとなりました。
その中には社会人野球からの誘いがあったそうですが、長嶋さんのお父さんは進学を希望し、立教大への進学することに決めました。ただ、長嶋さんのお父さんは、読売ジャイアンツからのプロ入りのオファーも長嶋に知らせない上で、進学を理由に勝手に断っていました。プロ野球入り志望の長嶋さんは激怒したそうです。
長嶋さんのお父さんは、役場に勤めているかたわらで農業も営むなど多忙で、長嶋さんの試合を見る機会はなかったそうです。ですが、南関東大会の熊谷高戦にはかけつけていました。長嶋さんには何も告げず、たった1人でライト外野席で観戦していました。
そのお父さんは翌年、長嶋さんが立教大一年の時に亡くなりました。長嶋さんが大学時代に放った六大学新記録となる8本のホームラン、プロ野球での444本のホームランを1本も見ていません。
お父さんが見た唯一のホームランが、長嶋さんの高校時代の公式戦で打った唯一のホームランだったのでした。
