「出来心(できごころ)」とは、
ついふらふらと起こった好ましくない、心の揺らぎ
のことです。
古典落語の演目の一つであり、別名「花色木綿」とも呼ばれ、泥棒ばなしの一席に数えられます。原話は1808年に刊行された十返舎一九さんの「江戸前噺鰻」に収録されている「ぬす人」です。
「広い庭のある家に侵入しろ」といったら公園に忍び込み、「電話でもひいてあってこぢんまりしたところを狙え」と言われたら交番に盗みに行ってしまう間抜けな泥棒が主人公です。
兄貴分にも見放され、「泥棒を廃業しろ」と宣告された泥棒は、何とか自分の力を見せようととある貧乏長屋に忍び込む。ところが、忍び込んだ部屋には空き家だと勘違いしそうなぐらい何もなく、おまけに物色している最中に家人が帰ってきてしまう。
あわてた泥棒は縁の下に隠れる。入れ違えで入ってきた家人は、荒らされた室内を見ると部屋を飛び出し、家主を連れてくる。
実はこの家人、家賃を払えずに困っていたが、たまたま泥棒が入ったのを口実にして、「泥棒に入られ金を持っていかれたから」と家賃支払いを免除してもらおうと考えていたのだ。
家人から話を聞いた家主は、「被害届を出すから」と何を盗られたのかと質問。あせった家人は、家主が聞いてきた泥棒が盗んでいきそうな品物を端から盗られたと言う。
家主が、「布団(裏地が花色木綿で出来ていた)は?」と聞くと、家人は、「それも盗られた」と言う。ところが、それ以後に家主が「洋傘」「紋付」、果ては「タンス」などの特徴を聞くと、家人はそれらすべてについて、「裏が花色木綿」と答えてしまう。そして話はどんどんおかしくなっていく。
ついには縁の下で家人のインチキ話に腹を立てた泥棒が飛び出してきたため、家人のウソは見破られてしまう。
そして、見つかってしまった泥棒は家主に、「泥棒に入ったのはどうしてなのか?」と理由を訊かれ、以前兄貴分に教わったとおり「出来心で・・・」と答えて許してもらう。
次に家人がウソをついた理由は何かと訊かれると、家人は、
「つい、出来心で・・・」
・・・と、まあ、ちょっとした欲にかられたとき、ふとした出来心でよくないことをしてしまうことがあります。あとで考えると、どうしてそんなことをしたのか自分でもよくわからないこともあります。また、よくないことを隠そうとして、さらに悪魔が心の中でささやきき、ウソで壁を塗り重ねていってしまう。
でも、政治的、思想的、宗教的な信念に基づいて、自らの行為を正しいと思って行動することは、確信なのですよね。
本日も私のブログを読んでいただき、ありがとうございます。
今日はどのような一日になるのでしょうか。または、どのような一日を過ごされたのでしょうか。
その一日でほんの少しでも楽しいことがあれば、それを記憶にとどめるように努力しませんか。そして、それをあとで想いだすと、その日が明るくなる、それが元気の源になってくれるでしょう。
それを見つけるために、楽しいこと探しをしてみてください。昨日よりも、ほんの少しでも、いい一日でありますようにと、お祈りいたしております。
また、明日、ここで、お会いしましょう。