まだ見ぬ世界を先取りできるのが
なおざりの過去を学ぶことができるのが
“書き物”のよいところ。
アドラー心理学の創始者、アルフレット・アドラーの
生誕150年にあたる今年2月に出版された。
出版時に著者は72歳。
35歳でアドラー心理学に出合い、
講演、研修、カウンセリングを続けてきたそうだ。
まずは、ぐっと引き込まれた一文。
第1章 「老いの呪い」なんか解いてしまおう
現状維持は「終わった人」の特徴 ~ より
◇
不健全な自己肯定感
これからお話しする「変化を嫌う人」とは、何につけても現状維持が一番だといって他の方法に目を向けようとしない人のことです。
例えば身近な例でいえば、家族割引が使えるのでスマホをすすめてもガラケーに固執し続ける人や、「俺はこれでいいのだ」と口ぐせのように言っている人はいませんか?
とくに、かつて高い役職に就いていた人ほど現状維持を望む傾向があります。
面倒なことは部下が片付けてきたし、それなりにうまくいっていることなら、あえて変えない方が安全だ、という経験もしてきたからでしょう。
こんな人がいました。大企業の総務部長で定年を迎え、そのまま中小企業の経理担当になろうとしたもののまったくうまくいかない……。中小企業では複式簿記ができないとその役はつとまりません。しかしそれがわからないのです。それどころか、コピーの取り方もしらない。エクセルも使えない。パワポもできない。スマホの画面の拡大もできないので、孫にもバカにされてしまいます。
これは、大会社でそれなりの立場に就いていた頭の固い人の典型例です。
不健全な自己肯定感という考えがあります。これは「現状のままの自分でいいんだ」という誤った自己満足のことです。このような人は「俺はこれでいいんだ」「これでやってきたんだ、なんの問題があるんだ」と考えがちです。
この思考には、変化を嫌うことも関係しています。
◇
いますね。ごろごろと。
あの人も、この人も。
おっと、うっかり。
我が身にも……。
* * *
「おうち生活」中心の世の中になり
ネット碁にハマッておられる碁打ちがおられる。
これはこれで、やむ負えないことだが、わたしはやらない。
数年前、PC・スマホで1000局余り打って、やめた。
リアル碁にある人間観察が、そこにはないからである。
勝ち負けのゲームだったり、黒白のパズルだったり。
しかしこれは、わたしの好きな碁ではない、
と思えるからである。
アタマが固いのかしらん?