【昭和40年発行「囲碁百科辞典」を紐解けば。 の巻】
■鍋の中に入れる 相手の石をすっかり包囲する。殺さずとも、がっちり勝勢に持ち込む。ただし「鍋の中に入れていたのに」と悔しがる時にも使う。
■肉付き 打ったとき、まだ手が離れていない間は、はがしても〝待った〟にならない。
■二丁三味線(にちょうじゃみせん) 三味線が二丁で糸は六本になる。つまりムスジの意味で、筋違いの石、手筋ではない石を言う。同意語に「君の名は。」があり、すれ違い=筋違いのこと。
■練羊羹(ねりようかん) 相手がウンザリするほど、よく練り上げる長い碁のわりに、案外アマチョロイ碁をカラかって使う。
■のらせる 負け碁で、自分あるいは相手に乗ることを認めること。
■のる 第三者が対局者の一方に賭けること。
◇
「なべのなかにいれる」は分かるなあ。
封鎖されると、二部屋作らねばならない。
いつでも生きる手が残っていればいいが、
必死に生きなければならないのは辛い。
読みのチカラが試される。
「にくづき」は笑い話のようだが、一応の取り決めであり、
こんなことをするひとはほとんどいないだろう。
下品(げぼん)の所作の極みで、プロの対局ではみたことがない。
石を持って考えると、
「待った」の禁をつい犯す危険性がある。
やめましょう。
石を碁笥や机にコンコンぶつけたり
碁笥の中をかき回したり
なんて風景が、これはよくみられる。
長いこと碁をやってきた〝有段者〟が多い。
みっともないが、なかなか直らないもの。
本人が直そうとしない限り、直らないのだが、
人の振り見て我が振り直せ、でいきましょう。
まとめ。
カッコ悪いことは、およしなさいな。
嫁威谷(よめおどしだに)の伝説「肉付きの面」 越前国吉崎御坊(現在の福井県あわら市)に近い嫁威谷に伝わる。意地の悪い姑がつけた鬼女のお面が、顔からはずれなくなってしまったという昔話