【筋書きのないドラマ、しかし序章 の巻】
わざわいてんじてふくとなす
転禍為福(てんかいふく)を訓読みしたもの。
自分に降りかかった災いをうまく利用し
逆手を取って自分の有利になるように工夫すること。
中国・戦国時代の後半、秦が統一する半世紀前、
秦以外の六つの国が、蘇秦の唱えた合従策で結ばれていた。
ところが同級生の張儀によって六つの国の仲間割れが起きる。
そこで、なじられた蘇秦が屁理屈を並べ立てて言い逃れするが
その時のセリフのひとつが「転禍為福」である。
蘇秦は、縦横に学を修め、
眠気覚ましに股にキリを当てて書を読んだ才人。
しかし人格にはとかくの非難があった。
あるとき齊の宣王に説いていわく
「臣聞く古の善く事を制する者は、
禍を転じて福と為す、
敗によって功を為す」と、
これから発したことばである。
× × ×
失言妄言の問題よりもむしろ
論議過程をあくまで秘密主義で通そうとするような
組織委員会の思いあがった体質こそが問題であろう。
事務総長以下の旧態依然とした石頭連中を代えない限り
首をすげかえたとしても本人が苦しむだけ。
よほど腹の座った人物でないと務まらないのではあるまいか。
とはいえ、組織を制圧し、国民的支持を得られる可能性が
まったくないというわけでもない。
ピンチをチャンスに変えてほしい、と切に願う。