【♪ 今、私の出来うる全てを】
子猫の「みい」が
わたしたちのところにやってきたのは
ひと昔前の東日本大震災の年
一目惚れの美猫はツンデレ
呼んでも来るワケもなく
抱っこもキライである
体がしんどいときだけは
わたしの近くに来て
背を見せて目をつぶる
肝腎が悪くなって
薬を飲み続けて五年
年に一、二度は
病院通いを繰り返してきた
先週末も足を引きずるようになり
レントゲンを撮ると
心臓がぱんぱんに肥大化している
お世話になってきた院長は
「毎日来てください」
今度こそ
諦めねばならないか
とざわざわしていたが
またも元の元気を
取り戻しつつある
驚くべき回復力、生命力
背中をなでていて
いきなり噛まれた
それも二度にわたって
ヒトの気持ちが
分かるようになっている
不思議の国のみいは
今、わたしのそばで
背を向けて
まどろんでいる