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囲碁漂流の記

週末にリアル対局を愉しむアマ有段者が、さまざまな話題を提供します。初二段・上級向け即効上達法あり、懐古趣味の諸事雑観あり

不親切な囲碁テキスト

2022年03月15日 | 雑観の森/芸術・スポーツ

 

【〝上から目線の役立たず〟が まだ多い

囲碁本を買う時は、慎重に選びましょう

 

アマ碁打ちのために

と、おびただしい数の囲碁教本が

いにしえより世に出回ってきました

 

多くはプロ目線であるがために

アマのヘボ碁打ちには理解不能であり

大量の積読・死蔵本となったり

まっさらのまま古書店に直行したり

読まれることはほぼなかった

ように思います

 

ま、売れたらいいワケです

買った本を読まねばならぬ

という法律はありません

この国、自由であり、民主的です

 

この十年ほどに出版されたモノは

ずいぶんと良くなってきました

活字や局面図が大きくなったり

レイアウトがすっきりしたり

読者目線になってきましたが

まだ十分とは言えません

 

プロは自分には当たり前で

省略することがあっても

アマはチンプンカンプンであり

「そこが知りたい」

というポイントがあります

 

     ◇

 

たとえば

あなたは、新聞碁の総譜で

棋譜並べができますか?

 

1㌫の強者なら可能かもしれませんが

99㌫のアマ碁打ちはできないでしょう

 

碁は将棋より手数が2倍ぐらい多く

平均で230手ほどになります

総譜は数字がギッシリで目がチカチカ

1時間、2時間で並べろ、

といわれても、わたしはムリです

 

新聞掲載棋譜は比較的親切です

20~30手ごとに「譜分け」されています。

でも最後の数十手を必ず省略して

「以後、総譜に譲る」などとあり

翌日の新聞には「273手で黒1目半勝ち」

という〝幾何学模様〟ようの総譜

堂々と掲載されています

 

なぜ、

終局に至るまで譜分けして

小ヨセを掲載しないのでしょうか?

 

最後のヨセが、アマは弱い

だから勉強したい

でも、プロには当たり前

だから省略する――

となれば、これは一体

誰に読ませるつもりなのか?

と、首を傾げてしまいます

 

アマの碁は最後の最後でも

大逆転するのですよ

 

つまり、トッププロが関与したような

囲碁本の多くは、プロの自己満足であり

アマ目線で親切に説明しようという気持ちが

決定的に欠けている、と言わざるを得ません

 

全部が全部そうとはいえませんが

書店の棚にズラリ並ぶ囲碁本の多くが

装丁がそれなりでも、中身はといえば

「役に立たないガラクタ」(失敬!)

であるといえましょう

 

さて、そんななかで

千円図書カードを握りしめて

書店に行くあなたに申し上げたい

 

背表紙や表紙に印刷されている

「やさしい」とか「分かりやすい」とか

の「甘い言葉」に惑わされてはなりません

出来ないのは、あなたが悪いのではありません

やさしくも、分かりやすくも、ないのです

 

購入する際は、まずは立ち読み!

中身を最低5分は凝視、問題を解き

「購入後、1週間とか1カ月は

ラクラクで楽しくお勉強できそうか

自問自答することをオススメします

 

それでも、やっぱり、ガラクタをつかまされる

その時は、しばらく自宅本棚に飾っておきましょう

本棚の本が多ければ、それなりに賢くも見えます

 

やがて――

悔しくなって、もう一度、手に取る可能性も

ゼロではないでしょうから

もしかして、その悔しさが発奮に変わることも

やはりゼロではないでしょうから

 

検討と健闘を切に祈ります

 

 

 

 



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