忘憂之物

男はいかに丸くとも、角を持たねばならぬ
             渋沢栄一

ガチコメ的「朝青龍に学ぶうつ病治療」

2008年10月14日 | 過去記事
■2008/09/30 (火) ガチコメ的「朝青龍に学ぶうつ病治療」1

現在の会社を設立する際、就業規則などを見直すことになった。代表取締役社長と社労士、そして私の3名で数回の打ち合わせを行って作成した。私は先ず、

「全従業者の代表としてこの席にいますので、」

と断りを入れた。私は「付け焼刃モロバレの労働基準法」の知識ながらも、絶対に「労働者に不利益」となる「変更をするぞ!」と息巻く社長マンと、その御仁とホルモン焼き屋にて「兄弟!!先輩!!」と呼び合う社労士を信用していなかったのだ。

決して「勉強になるし」というような謙虚な気持ちは持ち合わせていなかった。当然、社長マンも社労士も「現場を良く知る上級管理職の立会い」をセットすることで、嫌々ながらも行政官庁に届け出ねばならない「みんなが納得する就業規則」というものを作成し、労働基準法を遵守していますよということにせねばならない。しかし――――

蓋を開ければ、実にお粗末なものだった。

およそ「従業者の同意を得られた場合」とされる項目は、すべからく「カットの対象」であり、その理由も不明瞭、且つ、身勝手なものであった。しかし、当然の如く、私が異を唱えると、社長マンは社労士に確認するのだ。

「これは、経営者が決めることができるやんな?」

「はい、そうです。」

この繰り返し。実に不愉快でありながらも、将来を悲観するに十分足るやり取りであった。彼らは、私を「取り込む」ことにより「全従業者の総意」を得たとするつもりであったわけだ。「あとはどうにでもなる」といわんばかりの「やり口」に、もう、私は「ある種の絶望」を感じながらも、それらの「ちんけな理屈」を尽く、詳細な労働基準法を持ち出して覆した。無様にうろたえる社長マンを横目に、社労士は「私の言い分」を全て認めた。

「2」へ

■2008/09/30 (火) ガチコメ的「朝青龍に学ぶうつ病治療」2

単純な話だ。

じゃんけんだ。相手には「ぐー」しかないと言っておく。そして「ぱーで勝てるところ」は全て勝とうとする魂胆である。私は勉強して「ちょき」があることを知っていたが、悟られないように全て「ぐー」を出し続け「あいこ」状態で様子を見ていたわけだ。

未だに思い出すと、その卑劣さに反吐が出る。

阿呆のように「ぱー」を出し続け、それが私の「ちょき」に負け続ける。「兄弟と先輩」は、何度も目を合わせる。

「おいおい・・・そうなのか・・・・?」

と不安げな社長マン。そして、

「なぜ、こいつ“ちょき”を知ってるんだ??」

とでも言いたげな顔をしている社労士。

だがもう、社労士のほうは気付いている。私には『後出し』すら通じないと。

「理」で通じないと知った社長マンは、「利」を守ろうと足掻きながら醜態を曝す。

「学歴が違う!それは大学出とるやろ!」
「立ってるだけの仕事やから・・・」
「身の丈を知るということを教えんとな?」
「検査?タダメシ喰いに来る社員もおるけど、」
「うちのやり方に文句があるならしゃーない。職業選択の自由や。」

さりげなくメモる私に気付く社労士。そうそう、わかるな?

で、社長マンは「そういうときだけ」己を卑下してみせる。

「大手とは違う。」

私は声を大きくして突っ込んだ。

『大手だから、雇用問題のリスクを知っているだけです。』

「3」へ

■2008/09/30 (火) ガチコメ的「朝青龍に学ぶうつ病治療」3

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http://sankei.jp.msn.com/sports/martialarts/080929/mrt0809291124002-n1.htm
<元若ノ鵬が八百長関与を示唆>

いかに「リスクマネジメント」の概念が欠落していたのかがわかる事例である。それにしても、今更「ええ!大相撲って八百長だったのかぁ!!」という人は少ないだろう。プロレスに「セメント」と呼ばれる表現があるが、「本気でやる」ということが稀有である証左である。プロレスは「スポーツショー」であるが、大相撲は「伝統芸能」なのである。

単純に成績を競い合う「スポーツ」と混同している人もいるが、「柔能く剛を制す」といわれる柔道ですら体重別であるのだ。それに、あんなに不健康なスポーツとはもう、その根拠が瓦解していると思うのだが、どうだろう。

まあ、それにしても、お粗末なのは相撲協会である。

<元若ノ鵬は会見で「現在の相撲協会は汚い。幕内に上がったらアンフェアな取り組みを強いられお金を渡された。それを断ると、かわいがりをするといわれた。親方も黙認していた」と述べ、自身も八百長にかかわっていたことを示唆。そのうえで週刊現代側の証人として法廷で詳しい証言をするとした。>

落とした財布から大麻が見つかり、泣いて謝って「相撲がしたい」と言った元若の鵬。それが成らんと知るや「八百長の証言をする!」と息巻くどすこい・・・とマスメディアは報道するだろう、そして日本人はそういう『無様なこと』が嫌いである。

露鵬と白露山、そして若の鵬。このロシア人力士は、大いに叩かれることになろう。

「4」へ

■2008/09/30 (火) ガチコメ的「朝青龍に学ぶうつ病治療」4

世間は、

「ロシア人力士は麻薬をやって、相撲で金を稼いで、それがバレると、認めないどころか開き直るのか。もう、今度のロシア人力士の四股名は“暴露”とかどうだ!」

と騒ぐのかもしれない。だが、ちょっとマッテほしい。

<また大麻の使用についても「他に使用してる親方や力士がいるのに処分されていない。その他の協会の悪事についても証言していく」と付け加えた。>

これ、相撲協会は「自爆スイッチ」を押したのではないか?

「週刊新潮」の9月25日号。

「ロシア人力士は相撲協会のスケープゴートか」というショッキング(笑)な見出しである。非常に興味深い内容だ。いやぁ、たまには出張も行くもんだ。持参した本を全て読んでしまったから、思わず久しぶりに買ったのだった。無人駅だらけの「えちぜん鉄道」の激しい揺れの中、乗り物酔いしそうになりながら読んだ。もふ。

記事では、

「千代白鵬→検査なし」「若麒麟→陽性反応」

と名指しで書いている。残念ながら「テレビでどこまで報道したのか」を私は知らないのだが、「寝坊して検査を受けていない力士がいる」そして「他にも陽性反応が出た力士がいる」ということは、当初、報道されていたはずだ。とくに「検査云々」ではなく、「寝坊した」という力士に対しては、「すぐに呼び出して受けさせればいいだけ」ということは、塩谷弁護士もずっと言われていた。それに明確な反論もせず、マスコミは塩谷弁護士に対する集中砲火を繰り返していた。アホ臭いタレントに個人攻撃をさせていたのだ。

「5」へ

■2008/09/30 (火) ガチコメ的「朝青龍に学ぶうつ病治療」5

「スッキリ」や「サンデージャポン」のことはここにも書いたが、どちらも午前中の番組だから、本当に気分が悪かった。現在のテレビは有害であると再認識させられた。

それはまあ、さておき、面白いのは若の鵬のコメント(産経新聞)で、

<他に使用してる親方や力士がいるのに処分されていない。>

という部分である。明確に「親方もいる」と言っている。

日本人力士ならば「できなかったこと」だが、彼らにはできる。帰るところがあるのだ。しかも、八百長については<幕内に上がったらアンフェアな取り組みを強いられお金を渡された。それを断ると、かわいがりをするといわれた。>という、実にリアリティのあるコメントをしている。もう「解雇処分を取り消す」と言っても土俵に上がることはないだろう。それは互いに知っていると思われる。そして、「落としどころ」もない。暴露本を出す前日に死んでしまった「とある親方」のような「不幸な事故」も、今回はないんじゃないかと思う。国際問題になる。あれ?また、無言電話が・・

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若の鵬は「キレた」のであろう。それは「自分のこと」だけではなく、その直後に続いた同胞への仕打ちに対する怒りもあったかもしれん。それほど「相撲協会」とは杜撰なところなんだろう。内部分裂が頻繁に生じて機能不全に陥っているのだろう。

埃をかぶって聳える利権構造があろう。もう、小さな亀裂を修理することすら、大掛かりな工事を要する。もはや、「その場しのぎ」な修繕は意味を成さない。次々に軋み、ぐらつき、ポロポロと瓦礫が落ちる。ならばいっそのことと、それを解体しようとするとき、それはその周囲をも巻き込んでの大崩壊となろう。

「近くにある者」は、きっと無事ではいられない。粉塵を巻き上げ、巨大な瓦礫が降り注ぐ。アンバランスでナンセンスな価値感で積み上げられてきた「利権の虚像」は土石の塊となる。もちろん、日本の伝統芸能をも巻き添えにして。

さて、

私も朝青龍を見習うか。

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