忘憂之物

男はいかに丸くとも、角を持たねばならぬ
             渋沢栄一

2011.7.16

2011年07月16日 | 過去記事
松本前復興相は「軽度のそう状態」…九大病院(読売新聞) - goo ニュース
<九州大病院(福岡市東区)は14日、記者会見し、復興相を辞任後、入院している松本龍・衆院議員(60)(福岡1区)の病状について、「震災対策で心身が疲労し、気分障害による軽度のそう状態だった」と話した。
通常と違う言動を取る傾向があり、東日本大震災の被災地での一連の発言も病気が影響した可能性があるとしている。
主治医らによると、松本氏は6月初めから不眠や疲労感があり、催眠薬を服用していた。7月11日午後、検査と療養のために入院。その後の病状は安定している。後日、精密検査を行い正式な診断結果を出す。退院時期は未定だが、主治医は「気分障害は投薬治療などで元の状態に戻る」としている>


今更だが、私が今も気になるのは「過剰なマスメディア対策」として入院したB型ドラゴンではなく、このドラゴン松本に「ちゃんとやれ」とテレビカメラの前で叱咤された宮城県の村井知事だ。例の映像がテレビで流される度に胃のあたりが冷たくなったのではないかと察する。というのも、村井知事はドラゴン松本の目を見て、ちゃんと「はい、はい・・」と真摯な態度で聴いてしまっていたからだ。そしてご存じの通り、叱咤の最後はオフレコ発言があって「書いたところは終わりだから」とドラゴンは威張って言ったが、直後からその映像が流されてしまい、メディアからハチの巣にされて「終わって」しまったのだった。結果、ドラゴン大臣は復興の仕事こそ出来なかったが、断末魔の菅内閣の支持率を更に急降下させるという国益に適った仕事となった。

しかしその後、村井知事は記者会見でドラゴン松本の「言葉遣い」がどうの、と問題視してから「次からは松本大臣だけは出迎える」などと皮肉を言った。当然だが世論の評価は「ドラゴン松本は被災者に非礼だ」と憤った。そしてこれは憶測だが、この知事、メディアが騒がなければ黙っていた可能性はないか。私はやはり、そこに一抹の不安を覚える。

もちろん、長幼の序を大切にする元自衛官であるから、目上(年上)の国務大臣を前にして言い返せ、とは言わない。しかし、ドラゴン松本が「B型の九州人」らしく、あるいは「軽度の躁状態」らしく、この主治医の言うような「病気が影響した可能性」のある態度を取るなら、そこはそれ相応の「受け答えの仕方」があったと思われる。首を傾げるとか、半笑いを浮かべるとか、不機嫌な表情をつくるとか、サッカーボールはどこにあるか聞くとか、だ。「その場」は背筋を伸ばして膝に拳をおき、真摯な表情で叱られておいて、次の日、マスコミも国民も怒っているらしい、となれば皮肉を垂れるなど解せんのである。

その証拠に、意地の悪いコメンテーターは「アレが石原知事や橋下知事でも、あんな口の利き方したでしょうかね」と言った。テレビを見ていた視聴者は、その通り、ドラゴンは偉そうに言えなかったし、言ったとしても言い返されていただろう、という憶測もできた。私もそう思う。大阪府知事なら一気に不機嫌な表情となり、その場、カメラの前で「ところで、なんでタメ口なんです?」くらいはやっただろう。狼狽したのはドラゴン大臣だったはずだ。石原知事なら怒鳴って追い返していたかもしれない。

ドラゴン大臣のほうは結局、やっぱりメディアや国民から「なんだその態度は」と詰められて大臣辞任の結果に変わりはないが、最後の「今のはオフレコ」という発言も、その意味が変わっていた可能性もある。ま、もっとも、相手が村井知事でなければ、ドラゴン大臣も力の限り丁寧に接していたと思われるが、いずれにしても、村井知事は「あの映像」を何度か見て、嗚呼、ちくしょうと腹の底が痙攣していると思う。大いに自分に腹を立て、そのエネルギーで復興を果たしてもらいたいと思う。

程度の低い馬鹿の傲慢や恫喝の前で大人しくしても仕方がない。どころか、いずれ「ハラワタが腐る」ことになる。すなわち「周囲の目」を気にし過ぎてリーダーシップが失われる。己がどう考えたか、どう感じたか、よりも周囲の評価を優先させる。これは既に「リード(引率)」することが崩壊している。知らぬ間に事なかれ主義が蔓延し、臭いモノにフタする癖がつく。蠅がたかる瓦礫は撤去するしかない。耐え難い腐臭には敏感でありたい。私憤ではなく「義憤(公憤)」は忘れないようにしたい。







http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110715-00000003-jij-pol
<セシウム汚染餌の牛、42頭出荷=仙台、千葉、東京、横浜で食肉処理―福島県>

<福島県は14日、南相馬市の農家が出荷した肉牛から食品衛生法の暫定規制値(1キロ当たり500ベクレル)の放射性セシウムが検出された問題で、新たに浅川町の農家が規制値を大幅に超える高濃度の放射性セシウムに汚染された稲わらを餌として肉牛に与えていたと発表した。この農家からは今年4月以降、42頭が出荷され、東京都や千葉県、仙台、横浜両市のと畜場で食肉処理された。肉は岩手、山形両県にも出荷されており、既に一部は消費された可能性がある。福島県は県内すべての食肉用牛農家約4000戸に対し、14日から5日間程度、肉牛の出荷と移動を自粛するよう要請した。
 
県によると、県内の食肉用牛農家に対する立ち入り調査を実施したところ、浅川町の農家が保管していた稲わらから、1キロ当たり最高9万7000ベクレルという高濃度のセシウムが検出された。これは乾燥する前の水分を含んだ状態に換算すると、規制値の73倍に相当する。
 
42頭は、4月20日までに横浜市(14頭)、5月11日までに千葉県(5頭)、6月16日までに東京都(13頭)、7月6日までに仙台市(10頭)に、それぞれ出荷され、食肉処理されたという。福島県はこれらの牛肉の流通先について、厚生労働省などを通じて調査を急いでいる。
 
仙台市によると、同市のと畜場で処理された肉のうち、1頭分420キロは7月7日に東京都港区の卸業者に出荷された。7月11日には岩手県花巻市の業者が8キロ、山形県酒田市の業者が360キロをそれぞれ購入したという>


「だから早く殺せっていったのに」と言ったのは民主党の赤松元大臣だった。この民主党一味というのは日本が困ると嬉しくて仕方がないから、赤松も無意識からか満面の笑顔だった。結果、あのときは宮崎県で29万頭の牛や豚が殺された。食べても「直ちに人体に影響はない」どころか「人体に影響はない」という口蹄疫だったが、赤松元農水相がメキシコ、キューバ、コロンビアと外遊を強行して戻ってみれば、とんでもなく増えてしまっていた。3月下旬、感染が疑われる家畜は数頭だった。もちろん、赤松には報告も上がる。しかし、赤松が洗浄用の炭酸ソーダを県内のJAに配布し始めたのは4月半ばだった。「消毒液の全額国費負担」を決めたのは、なんとも4月23日だ。その頃にはもう、殺処分する家畜は千頭を越え、鹿児島や熊本も警戒態勢に入る。自民党の浜田靖一議員が赤松に対し口蹄疫対策を優先させるべき、として「外遊中止」を申し入れたのは当然だった。

民主党というところは、ずっとこうなのである。自民党が「全頭処分」と「緊急的な防疫体制の強化」を国に要求したのは5月6日(2010年)である。宮崎県知事が「非常事態宣言」を出す前だ。国は可及的速やかに状況を把握し、ワクチンや人員を確保し、担当大臣が処置に踏み切る必要があった。そのとき赤松は外遊で「社会主義の先輩(自民党・小野寺議員)」である念願のカストロと会い、帰国しても選挙応援を優先させ、休養までして宮崎入りしたのは、なんと10日である。しかも、13日の国会では自民党の野村議員が「早急な対策」を必死に訴えたのを、ニヤニヤしながら「川南町・かわみなみちょう」を「かわなん?」と呼び間違えていた。こいつらは選挙しか頭にないから、元官房長官の平野も事務方に2度確認していた。民主党というのは、これからもこうである。

民主党のいう「本当の危機」とは選挙に負けることをいう。それ以外はどうでもいいのである。宮崎県に対する対応策が遅れに遅れたのも、選挙以外のことがわからないからである。慌てて「金を出す」ことだけを決めるのも、国の責任を認めずに偉そうにしていられるのも、農水大臣の赤松(当時)がこの期に及んでも「細菌とウィルス」の区別がつかん不勉強も、選挙のことだけしか興味が無いからである。だからこの政党は自民党を倒した時点で終わってよかった。それ以外はやることがないから、である。

農水省は「稲藁」からセシウムが検出されると「盲点だった」とした。水については何度も調査していたのに、だ。牛は植物ではないし、ナメック星人でもないから「水だけ」では育たないと農水省の人間なら知っていなければ困る。「牛が稲藁を喰う」などは緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)がなくともわかる。

また、今回は口蹄疫と違い「万が一、食べてしまっても問題ない」とは誰も言えない。問題があるか、ないか、であれば、コレは確実に「ある」となることは子供でもわかる。年間200日、500グラム以上食べなければ大丈夫、も根拠不明である。少なくとも、だ。程度の差はともかく、食べれば完全に「内部被ばく」する。「直ちに影響」があるかないかは知ったことではないが、消費者を不安のどん底に陥るのは間違いない。

セシウムはウィルスではないから、70度以上で1分以上加熱してもなくならない。排泄される、とはいっても全部ではない。しかしながら、セシウムというアルカリ金属は、たしかに人体に残留しても「直ちに」影響はない。その代わり、かなりの高確率で不妊化させる。IAEAが「セシウム137」を使用した放射能兵器を「汚い爆弾(ダーティー・ボム)」と呼ぶ所以だが、外国では当たり前に「害虫駆除」に用いられている。不妊虫放飼がそれだ。被災地では小学生の尿からセシウムが検出されている。

アメリカは大東亜戦争で原爆を2発も落とし、更に生き残った日本人の女に放射線を浴びせて不妊化させ、この忌々しい日本民族を根絶やしにしてやろうと思ったがやらなかった。いま、民主党政権がそれを引き継いだ。






やらせメール、文例6パターン用意し投稿依頼(読売新聞) - goo ニュース

<九州電力が14日公表した「やらせメール」の調査報告書は、賛成投稿の文例が作成されていたことなど、巧妙な裏工作の実態を明らかにした。
 問題の発端となった上層部の謀議も「あうん」の呼吸で決まっており、原子力発電所を巡る世論操作の常態化がうかがえる。
 原子力担当の 段上 (だんがみ)守・副社長、諸岡雅俊・原子力発電本部長、大坪 潔晴 (きよはる)・佐賀支店長(いずれも当時)が顔をそろえたのは、県民説明会が開かれる5日前の6月21日。段上、諸岡両氏は退任のあいさつ回りのため、佐賀市を訪れ、大坪氏と合流した。
 段上氏によると、説明会が話題になったのは、市内のそば店で昼食をともにした時だった。
 「近々(説明会が)あるんですよ」
 大坪氏がこう切り出すと、段上氏らは「(説明会があることを)知らせる必要があるね」「じゃあ、お願いね」と話した。
 佐賀支店長経験者によると、支店にとって玄海原発の安定運用は最重要課題で、支店長の業務の8割は原発関係だという。福島第一原発の事故で原発への不安感が高まっている状況から、3人の幹部には焦りがあったとみられる。
 指示を受けた大坪氏は翌22日、支店の総務部長ら3人の部長に、具体的な方法の検討を指示した。総務部長らは、賛成投票をより確実に実行させるため、電気が止まると困る取引先をピックアップ。用意した6パターンの文例を持参するなどし、自動車関連会社の取引先や大口顧客など計31社に投稿を依頼した>



「夏はスタミナつけて乗り切ろう」ということで、テレビでは「スタミナのつくたべもの」のランキングをしていた。エントリーされたのは「うなぎ」「はも」「牛肉」「豚キムチ」「にんにく」「山芋とおくら」だ。さっそく違和感がある。「豚キムチ」以外は「食材」であるからだ。普通、我々は「大根とカレー」を比べたりしない。

施設でそれを見ていた私はすぐ「豚キムチが優勝」と予言した。すると、それが的中したから周囲の職員も「すごい!なんでわかったの?」と羨望の目を向けてきた。私が先ほどの「違和感」を言うと、少し考えてから、あ、本当だ、となった。単純な世論操作だ。

最近、もっとレベルの低いのがあった。菅直人に対する不信任案決議だ。直前まで「賛成票を投じる」と意気込んでいた民主党議員もいたが、せっかくの好機、日本の瓦礫を取り除くはずだった不信任案決議は否決された。菅直人の発する言葉の最後には「なんちゃって」をつけて解釈すべきであることは常識だが、民主党議員は非常識な輩の集いであるから、これをマトモに受け取った。あるいは「辞めてくれるなら、わざわざ意思表示するなど危険は避けるべき」と脆弱、軟弱に過ぎる判断したのか、結果的に「宣言通りに賛成」としたのは2名だった。小沢は見越して来なかった。

九州電力の社員や関連会社の人間も電気を使う。いわば「お客様」となる。世界最大手のハンバーガー屋のように「新製品に行列を作らせた」わけでもないのに、いま、かなり叩かれている。「非常識」の誹りを覚悟で言うと、私にはコレの何が悪いのか、まったくわからない。原発推進の投稿をしたところで金はもらえていない。あまりよろしくない動機であっても、自分の帰属先を有利にしたい、と考えて投稿するのは、豚キムチが優勝、プルコギピザがNO1、キムチ鍋が大人気とする動機と比して変わらぬ類ではないか。

私も先日、ガソリンスタンドで「札幌のMKタクシーを守ってください」という署名を頼まれたが、給油中、しっかり内容を吟味してからサインさせてもらった。それは単なる「がんばれMK」ではなく、今給油されているレギュラーガソリンが値引きされるわけでもなく、ちゃんと読んでみれば既得損益に群がる連中の専横で、タクシー利用客が高い乗車賃を取られるのが不条理だと感じたからだ。そういう意味では「がんばれMK」ではあるも、とくに「MKタクシー」という会社が潤い、発展することなど望んではいない。

また、この署名だが、明らかに「MKタクシーの乗務員」も行っているはずだ。なぜというに、それは我々と同じく「タクシーを利用する客としての立場」があるからだ。いわば、コレは当然の「権利」でもある。九州電力とその関連会社の社員は「客としての立場」として「原発推進」したのかもしれない。いや、少なくとも、そう強弁することは出来る。

依頼されても「脱原発」とか「反原発」としたい社員は投稿する必要もない。どころか「反対」として投稿した者もいるかもしれない。事実、九電の社員全員が賛成票を投じたわけでもない。つまり、拒否すること、反対することは許されている。これは党内力学の観点から「賛成しろ」とか「反対しろよ」と言われてボタンを押すだけの国会議員、あるいは多くの有権者の代弁者である国会議員が「採決を棄権する」などという本末転倒よりはマトモなのだ。

また、国会議員の投じる一票とは違い、原発推進の賛成票が100%でも玄海原発は再起動すると決まるわけでもない。「九州電力は原発利権が欲しいだけ、推進論者は利権を守りたいだけ」とするのも結構だが、再生エネルギー買い取り法案なども同じ構造、いや、利権が一企業に集中する恐れを勘案すれば、もっと具合の悪い状況も考えられる。しかも、安定した電力が供給できないというおまけつきだ。

誰かが言ったが「体に良い食品は存在しない。あるのは体に良い食べ方があるだけだ」と同じく、喰いモノでもエネルギーでもイデオロギーでも、要するにバランスだということだ。日本の電力供給における原子力発電を「ユッケ」や「生レバー」のように扱い、火を通せば喰えるという大原則を忘れ、環境に優しいだろうとベジタリアンが騒ぐ今の状況は異常だ。火力でも水力でも風力でも弊害というものはある。メリットがあれば、ちゃんとデメリットもある。九電の社員と関連会社はメリットを声高に叫ぶ。必要性も説く。これも当然なのだ。もっとエゲツナイ「やらせ」は、その裏にあろう。

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (久代千代太郎)
2011-07-21 00:06:43
>苺大福さん

ですね、難しいところです。

やったらやったで吊るされていたかもですな。それはそれで悔しいですしね。

>理想を言えば村井知事をバージョンアップさせた千代太郎様にドラゴンのような輩を退治していただきたいですが


ww


私はダメですw育ちが悪いですからw



ま、退治するのはなんとか・・・w

どくをもってどくをなんちゃら。

返信する
Unknown (苺大福)
2011-07-20 09:55:38
>程度の低い馬鹿の傲慢や恫喝の前で大人しく>しても仕方がない。どころか、いずれ「ハラ>ワタが腐る」ことになる

かも知れませんが、程度の低い馬鹿を公衆の面前で馬鹿にするようなことを言ったら、低能馬鹿から逆恨みさて、どんな馬鹿なことをしでかすかわからないので難しい対応ですね。

村井知事の毅然とした大人の対応と、その後のエスプリのきいたジョークが素敵です。

各都道府県市町村にも村井知事のような方がいてくれたらな~と思います。理想を言えば村井知事をバージョンアップさせた千代太郎様にドラゴンのような輩を退治していただきたいですが。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。