忘憂之物

男はいかに丸くとも、角を持たねばならぬ
             渋沢栄一

男のヒステリーは格好悪いのか

2011年03月22日 | 過去記事
職場で虐められる(泣)。丸2ヶ月が過ぎたが、もういい加減イヤになってきた。ネットなどでも「介護福祉の職場は最悪」とか書かれている。いくつか読むと、なるほど、ホンマだ、と納得することもある(笑)。

明日あたりにでも「正体」を表して、手当たり次第に職員の首の骨を折って殺し、そのまま白目をむいて首筋に噛みつき、口元から真っ赤な鮮血を滴らせて吼えたあと、ベランダから満月に向かって飛び去ってやろうかと思っていたが、まあ、仕方がないから許してやろうと思う気になった。というのも今日、利用者さんの居室でお茶を飲んでもらっているとき、泣きごと半分、私は「もうすぐ40歳なんですよね~40歳になったらどうやって生きるのがいいですかね~」と愚痴っていた。居室には他に誰もいなかった。

私は、その利用者さんに「あめま」というあだ名をつけている。もちろん、心の中でだ。いつも「あぁ~あぁ~あぁ!ぁぁあ~」としか言わないし、顔がちょっと間(はざま)だからだ。年齢は98歳。私よりもちょっと年上だ。

すると、なんと、視線が合った。まじまじと私の顔を見つめている。そして、にこっと笑って言った。かすれるような小さな声だが、はっきりと聞こえた。

「わ・ら・う」のだと。

私はびっくりして声を出して笑った。そして、笑えばいいの?と問うた。すると、また「あめま」はうんうん、と頷いた。重度の認知症のはずだが、その数秒、意思疎通は完璧だった。その後はまた、あぁ~ぁぁ!!ぁぁ~!に戻った。

それにしても、だ。もうすぐ1世紀を生き抜く先輩が「わらえ」と言っている。これが笑わずにいられるか。40歳を過ぎたら笑って暮らす、これは決定事項だ。

最近、先輩だった「ヤクザ・ヘルパー」のおっさんが職場に来なくなった(笑)。すごく怒っていた。自分の子供くらいの年齢の職員からボロクソ言われるからだ。まさに「顎で使われる」とはこのこと、中年過ぎて介護に来るオサーンなど、頭から馬鹿にしているのがわかる。私のことも「パチンコ屋をリストラされた役立たずが、勢いで飲食店をやったけど半年で潰した馬鹿」という噂が実しやかに広がりをみせている。ま、私が自分のことを言わないからだが、いずれにせよ、ほぼ当たっている(笑)。

また、いつものことだが、これが理不尽極まりない。サムソン・冬木も真っ青だ(合掌)。

先日はついに喰ってかかられた。相手は23歳の女性職員さん。その後、明確に理由を言った。「八つ当たり」だそうだ。そらそうだ。私には何ら関係のないことでやられたのだ。また、その「八つ当たりした理由」には笑った。「さっきは大変でしたね」と面白がって近寄って来た別の職員さんが言うには、私が「受け答えが柔らかい」からだそうだ。「腰が低い」からだそうだ。つまり「言いやすい」わけだ。

そして、これは絶対に言っておきたい。

こういうとき、男は絶対に怒ってはならない。何があっても我慢せよ。

福祉介護だけではなく、飲食店に勤め始めたとき、パチンコ屋で副主任になったとき、いずれも「こういうこと」はあった。あるときには男にまで舐められて、私が職場で注意した部下にからまれることもあった。深夜、疲れ切って寮で寝ていると、ドアをノックされて「今から出て来い。殺してやる」と喧嘩を売られたこともあった。パチンコ屋の2階で昼飯食っていると、椅子の背もたれに何度もぶつかられて、その勢いで味噌汁がこぼれると笑い声がしたこともあった。

飲食店でも大学生や高校生のアルバイトから馬鹿にされた。私がいるのを知って「中途採用されたオッサンは悲惨。だからオレは大学に真面目に通うんだ」と雑談しているバイトもいた。私はまだ30歳前だったが、それでも大学生のアルバイトからすれば「社会の落伍者」だとみえていた。だから、私が洗い場にいると洗い物は投げられた。残飯の浮いたシンクのお湯が顔面にかかった。挨拶をしても無視されたり、忙しくて嫌なときには八つ当たりもされた。

職場が変わったり、転勤したり、環境が変わると「そういうこと」くらいある。その度に「本性」を出していては、私はいつか人類を滅ぼしてしまう(笑)。

また、相手が「男性」ならば、ネクタイを外してから、あるいは社の制服を脱いでから、タイムカードを押してから、さらっと「素」に戻って話せばいい。今まで20年以上、それで尚、私に敵意を抱いていた男性はいない。みんな「話せばわかる」人、結局のところ「穏やかな」人らばかりだった。

無論、当たり前だが「私に落ち度はない」という自負心は必要であるも、イザとなればそこは「男同士」である。「雄の本能」があるなら「危険は避ける」のが普通だ。「勝てるかどうか」など話にならん。「気に入らない」というだけで身体生命を賭ける馬鹿はいない。大事なのは「我慢したかどうか」であり、すなわち、相手を許したかどうか、相手を受け入れたかどうか、且つ、自分はどうだったか、自分の振る舞いは無礼、非礼ではなかったか、などの自戒の念を込めてよくよく考えることが肝要だ。

そして、これは「防御」ではなく「攻撃」である。

くだらぬことで怒らない理由とは、例えば「こんなのいつでも殺せる」という攻撃力の表れだ。私が店長の時、店の駐車場で日本刀を見せた馬鹿がいた。当時の主任は真っ青になって腰が抜けていた。無理もない。そいつは事務所で「ピストルを出す」と言ってからバッグを探したり、椅子を振り上げて私を威嚇した。しかし、あまりにも私が動じないから諦めて帰った。私がこの馬鹿を見抜いていたのは「金欲しさ」が見えたからだ。それも強盗するほどの覚悟もなく、適当に脅せば札束が出てくると思った程度の意地汚い馬鹿だ。

今思えば恐ろしいが、ヤクザの事務所に独りで行ったこともあった。念の為に時間を指定して「携帯を鳴らして出なかったら警察に通報してくれ」と託けてから行った。相手のチンピラが「不正の片棒を担げ」という時点で私の勝ちだった。私はそのとき「私の大好きな妻は石ころでも、私が懸命に探したモノなら一生の宝物にするでしょう。私が教えた部下も、目先の金より遣り甲斐を選ぶでしょう」と告げたら、兄貴分が「この手のタイプは無理」だと諦めた。私にとっては最高の褒め言葉となった。

単純な発想の転換だ。男性諸君らにここで問うてみたい。

1:強盗になる
2:強盗と戦う

さて、どっちが怖くない?

しかも、相手が女子供、あるいは「ヒステリックなオカマ野郎」だったとすれば、だ。どれほど正当性があろうとも「怒ったほうが馬鹿」であることに違いはない。女子供には怒るのではなく、叱ることが必要だ。そして、叱り方は怒鳴るばかりでもあるまい。「話してわかる相手」になら話せばいいが、世の中、往々にして「そうではない」タイプも多かろう。そういうときは「気付かせる」のだ。そして相手が気付かないなら「放っておけばいい」ことになっている。異論は認めない(笑)。

大切なのは「志」だ。自分自身の考えだ。


介護職員などもボロクソに言われるが、東北を襲った大地震による津波がそこまで迫っている状況で、利用者と思しき高齢者の腕を持って「歩いて逃げる」エプロン姿の女性がいた。これはテレビ中継で流れたらしい。

この女性が助かったかどうかはわからない。無論、高齢者を見捨てて走って逃げたとしても、それで助かったかどうかは不明であろう。それに、そうだからといって誰も責めない。腕を引かれる高齢者も「放って逃げてくれ」と言ったかもしれない。しかし、ここに見捨てなかった女性がいたことも事実。人間ならば、この「事実」こそを見なければならない。

たしかに、介護の職場にも世間知らずの馬鹿はいる。他業種を知らず、一般企業では考えられぬ低レベルが繰り広げられてもいる。先日も「21時までかかる」と脅されていた入力業務などをして、初めてやった私が18時半には完全に終了した。昼過ぎには「なんかヒマだなぁ」という声が漏れた。限定的だが、職場には穏やかな空気が流れた。仕事とは段取り8分、その日は私が段取りを任されていた。それだけだった。

その「事実」に対しても、どうせ仕事が少なかったし、という人もいれば、それでも探して文句を言う人もいる。しかし、そんな中にも、私とは比べ物にならぬキャリアがありながら、その日の帰りには「いろいろと教えてください」と頭を下げに来たベテランもいた。この人は「現状を憂いている」わけだ。なにかわからんが、何かが違うのだと、直感的に気付いている。こういう人もいるのだ。

いつまでも同じモノなど少ないものだ。いつまでも変わらぬことなども少ない。2015年には団塊の世代が全て65歳を超える。いわゆる「15年問題」だ。その後もずんずん進んで2050年には全国民の3人に1人が高齢者となる。すると、当然ながら介護福祉の業界も忙しくなる。忙しくなるなら、そこには市場の介入がある。市場競争に巻き込まれるならば、そこには当然、勝者と敗者が出現する。世間知らずの馬鹿が淘汰される時代がそこまで来ている。

これは介護福祉だけではない。例えば、政治の世界もそうだ。

「求められる時代」になると厳選される。吟味される。今までのようなイメージ戦略など鼻で笑うかのようなリアルがある。世間知らずの馬鹿が「大義」だなんだと偉そうにしても、ちゃんとした「志」を見抜けぬ「事実」を有権者は見抜いてしまう。風が吹かぬと焦ることから「志」を軽視し、社会経験や人間性という基礎すら見抜けず、格好ばかりの見栄で褒められる時代はとっくに終わっている。

耳に優しい連中ばかりが周囲にいるなら気をつけたほうがいい。居心地の良い環境に気付いたら慌てたほうがいい。わからぬのは、ちゃんと社会で犬のように扱われたことが無いからだ。弱いのは、社会から犬のようにぞんざいに扱われたことが無いからだ。

教師にも少なくないが、介護の仕事でも精神を病んで休養する人が多いらしい。利用者の世話をするのは苦にならんが、施設内での人間関係で精神が疲弊するらしい。実にバカバカしい。

他人から見下されたり、顎で使われたり、馬鹿にされたり、喰ってかかられたりすればするほど、人間というモノは強くなる。私ならば、私の精神が病むくらいなら、先に相手の精神を崩壊させる。ただ、それは可哀そうだからやらないだけだ(笑)。

愚痴なら妻が聞いてくれるしな。ま、その数倍は聞かされるがね(泣)。

9 コメント

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先日はごちそうさまでした (とんぐう)
2011-03-23 20:07:07
初めてコメントします。
先日はありがとうございました

私も不本意ながら事情により「人を使う」立場に立たされ日々自分の小さな器と戦っています

何かの書籍かで見た言葉
「与えられた場所に意味を見つけない人には
真の満足や感謝はあり得ない」
と言う言葉を信じて毎日探しています。

私も貴殿と同じく腰が低いので
ナメられ上手ですw
我慢ならない時は「男の修行」
を心で読んで背中で泣いてますww

私の業界も私も含めてレベルが低く
クチ将軍、駄々っ子オヤジ、中年中学生、
運ばない運び屋ヒステリックモンスター、と
あいた口が塞がらないばかりか
アゴが外れそうな人間がいます。

「やってみて、言ってきかせて~~」など解る筈もなくヘコたれそうになる時もありますが
毎日が勉強と恩返しと罪滅ぼしと思い
何とかやってます。

また大阪に来るときはメール下さい
安酒で良かったらと言う条件付きですけど
今度は私がオゴります!w

陛下の素晴らしさを話しなが
らおいしいお酒をヤりましょう



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わらう ()
2011-03-24 13:27:44
笑う門には福来るですね。

今後、ママ友関係とかで悩むことなんかなくなりそうですww
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つまりは、、。 (ナミ)
2011-03-25 15:00:02
新しく介護の仕事を始めた人はみんなそう言う。「何故だ?」自分たちが出来る事はもっとあるはず。何故それをさせないのだと。
そしてこちらは聞く。「一人に出来る事を全部に出来るのか?」と、、。
全員に出来なくてもせめて一人、そう。一人から始めて。
違うんだよ。血吐くほど、そう願っても、、。
つまりは、そういうことなんだ。
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Unknown (久代千代太郎)
2011-03-28 11:51:36
>とんぐう さん

大変そうですねww

そういえば4月になるし、さらっと桜の木の下で飲りますか?夜桜もよろしいですな。肴は貴殿の手作りパスタが喰いたいです。




>し様


大変だったに~(泣


でも、メタルキング数十匹分の経験値が得られたのではないかとw

また、おかしゃんとも遊んであげてね~




>ナミさん

いらっしゃいませ。

コメントありがとうございます。

ええと、がんばりますね
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ごめんなさい (ナミ)
2011-03-29 14:38:39
何が言いたいのかさっぱり分からないコメントになってしまいましたねw
私は看護士として長い間老人福祉施設に勤めています。
沢山の人が、仕事として入っては辞めて行きます。汚いとかケガをさせられたとか夜勤が辛いとか沢山の理由があります。その中で私が悲しいのは「したいと思っても出来ない。あんたが、そうすれば皆しなければならない。責任とれるのか」答えがないのです。
「いいからやっちまえ」とは言えないんです。
どうぞご自愛下さい。腰。腰が大事ですよ。
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Unknown (久代千代太郎)
2011-03-29 17:31:41
>ナミさん

なるほど。あれもこれもとやってあげたいけど、それが全職員で共有できない、ということでしょうか。なるほど。それで「一人から」なんですね。

あくまでも私の見解ですが、当施設ではおそろしいほどの非効率が罷り通ってます。ですから、業務改善すれば「かなりの労働力」が余ってきます。これでソフト面をカバー。少しは良くなると思いません?ww少しだけですがね。


何事もやり始めれば小さなことから、になりますが、私が悩んでいるのはまさに「やるか・やらないか」のとこですw

「やる」と決めたら徹底的にやります。しかも、完全に実現させます。「やる」ならねww






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業務改善のこと (ナミ)
2011-03-31 15:16:06
このブログを拝見し、想像しただけでも酷いですね。私は今勤めている施設しか知りませんし、。けれど色んな話は耳にします。あなたがおっしゃるような事は沢山耳にします。何て哀しい。業務改善、それだけで済むことが出来るなら何としてもと思います。ただ、心の持ち様が底まで堕ちているならば、そういう人は介護業界には必要無いと言いたいです。たとえ人材不足だろうが。

言いたかったことを言わせてくださいな。
「いいから、やっちまえ!」と。
私も頑張ります。貴重な人材は貴重にします。
ありがとうございました。
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お疲れ様でございまする (りんりん)
2011-04-17 03:48:54
覚えておいででしょうか。こっそり読み逃げ御免のりんりんです。

千代太郎さん、特養にご就職なさったんですね!後れ馳せながらおめでとうございます…しかし重度ばかりで大変でしょう。

私も過去、特養に勤務していましたが今は特養はキツ過ぎると思い有料老人ホーム勤務です。

本当に介護職の現場って病院と同じで、大抵意地悪な人が居ます。

ちよたろさん、色々と無理ないようにして下さいね。徐々に本性を現すと良いですよ、前々職の様に敵(?)をガツンとバサッとヤッちまえる、自分の土俵を作っていって下さい。

私は今の会社で、3ヶ月経過した段階で自己解放してましたw
幸い、スタッフが私なんかよりヤル気ある出来る人が多いので、私の役目は「え~面倒だなぁ」です。(レク企画が苦手)

どの職種でも複数名で業務に当たる上で重要なのは『信頼と協調』だと思うので、それが出来る仲間から探して下さい。てゆか、既にしているでしょうが(^^;

今後の勇者ちよたろのレベルup(ご活躍)を楽しみにしています!(…RPGになってしまった)
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Unknown (久代千代太郎)
2011-04-18 10:29:27
>りんりん さん

ありがとうございます。

信頼と協調、ですね。仲間を探さないとw



ちょっと、やってみます。
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